2003年07月の思いつき


総合電機の大変身

かつては重厚長大の元祖のようだった総合電機N社で、最近驚くべき体験をしました。N社製のノートパソコンを修理にだした時のことです。保証期限がすぎているにも関わらず①サービスセンターは24時間対応②修理に出す時の集荷はダンボール持参でメーカーが派遣③送料は往復無料④修理に掛かる日数はなんと中1日⑤部品代以外の作業費用は2000円以内。とこれまでのパソコンメーカーでは考えられないような対応に単純に感動しました。こういった総合電機で個人向け商品が収支に与える影響は大きくはないかもしれませんが、一種のIRと考えるとその効果は無視できないのではないかと感じます。海外ブランドのディスカウントが激しさを増しているパソコン市場ですが、テレビのように一家に一台の時代となれば、アフターケアーなどの付加価値が再び一つの戦略となりうるかもしれません。

(2003.07.31)



政策アセットミックスの罪と罠

厚生年金基金様とのお話の中で、政策アセットミックスは一旦決めたら5年程度は動かしたくないということをよくお伺いいたします。また、信託銀行の方も同様のことを仰います。何故なのでしょうか?厚生年金基金の目的は運用という断面から捉えると、掛け金を運用して将来の給付に備えること、すなわち年金資産を毎年着実に増やしていくということだと思います。政策アセットミックスというのは、あくまでその目的を達成するための一つの手段に過ぎません。かつての年金資産の運用は5:3:3ルールの制約を受け、弾力的な運用をすることができませんでした。それでも運用結果が良かったのは、経済が右上がりだったからに過ぎません。世界経済が大きな変遷を遂げ不透明さを増している中、中期的なアセットミックスが有効かどうか敢えて申し上げるまでもありません。100あったものを106にするのと100が目減りして80になったものを106にするのとどちらが楽でしょうか?あくまでも本来の目的に立ち帰り、年金資産を毎年着実に増やす手段を自ら考える時代が到来したと思われます。(田口)

(2003.07.30)



バカの壁

先日、養老孟司著「バカの壁」という本を読みました。その中の非常に興味深い一説をご紹介したいと思います。言語には、「共通了解」と「強制了解」とに分けられるそうです。「共通了解」とは、誰もが聞けば、即座になるほどと理解できるものであり、「強制了解」とは、証明によって、否が応でも「これは正しい」と認めざるを得ないというものだそうです。さらに自然科学の世界では、これに「実証」が加わり、「実証的強制了解」となり、逆らいようがない、人間の脳は、共通の了解事項を広げていく方向性をもって、進歩を続けてきたということです。ところがそうした流れのなかで個性教育とやらで「個性」の尊重云々という話が出てきた。けれども「共通了解」を追及することが文明の自然の流れであるにも拘わらず、「個性」を美化するのはおかしい。さらに個性が大事と言いながら、実際には、よその人の顔色を窺ってばかり、というのが今の人がやっていることでしょうと養老氏は言っています。これは、どこかの運用会社の運用方針・運用スタイルに似通っている部分があるような気がしますよネ。(田口)

(2003.07.29)



人材不足

我が家では介護保険のサービスを利用しています。導入当初はなんとありがたいものかと感激していたのですが、ヘルパーの方やケアマネージャーの方とのコミュニケーションの難しさに、家族はかえって疲弊しています。こんな問題は家だけかと思っていると、隣のお宅もヘルパー会社を3度変更したと聞き、家だけではないとホットすると同時に悲しくなりました。新卒で訓練も経験もないケアマネージャー、気軽なバイト感覚のヘルパー。そんな人ばかりだとは言いませんが、人材育成が根本的に遅れていると感じざるを得ません。どんなに立派な制度があったとしてもそれを支える人材がいなければ、単なる箱です。失業率は高いというのにどこもここも人材不足。どうも納得いかないです。

(2003.07.28)



海外投資家

この4-6月のように、海外投資家主導で相場が動く場面になると、常々不満に思うことがあります。「外人買いで上がりました」というのは投資家売買動向の数字を見ていればわかることで、知りたいのは「海外投資家が買っている理由」です。実際のところは当人でないとわからないことかもしれませんが、同じ市場でプレーをしているのなら、その理由を探ったり、推測したりすることは可能でしょう。海外投資家の市場シェアが高くなっている以上、彼らの投資行動に対し先手を打つ努力をしなければ、国内勢はいつもババを掴む事になりかねません。買っている理由がわからなければ、彼らが売るタイミングもわかりません。今、国内の日本株のファンドマネージャーが一番気にしているのは米国の景気のようですが、海の向こうで気にしているのは、意外に日本の政局だったりするかもしれないのですから。

(2003.07.25)



物の値段

日銀総裁がデフレ解消のためにできることは何でもやる、と言っていらっしゃるようですが…
今日友達とちょっと奮発して行ったレストランは女性客で一杯でした。そもそも表参道近辺ではめぼしいお店の予約すら取れませんでした。。私が1年前から恋焦がれている「赤毛のプードル犬」はとうとう40万円になってしまい、半年で値段は倍です。通販でも「いいもの特選」とか「貴重!限定品」といったもののカタログがよく売れるようになったと言います。おじ様族には理解しがたいかもしれませんが、「安い」がおしゃれ、というブームが終焉し、高くても良いものを一点買い、という時代に変わりつつあるような気がしています。
お役所や政治家が力ずくで解決できないことも、若者や女性集団の気まぐれが解決してしまうこともあるのかもしれません、なんていう発言は不謹慎ですね。

(2003.07.24)



新聞の見出し

今日の夕刊一面TOP「公的年金運用赤字最悪3兆円」、という見出しを見れば、誰だって自分の老後が心配になります。こういった活字の積み重ねが、国民年金の未払い率を高めるのです。
一般の方には長期投資といっても通用しません。この3ヶ月で昨年度の損失の大方を回復したということもわかりません。総額数十兆を越す運用資産を抱える公的年金が単年度での評価損益をいちいち問題にされていたら、運用などできるわけありません。完全賦課方式にしていたフランスなど欧州の公的年金も将来の高齢化に対応すべく積立方式を一部取り入れることになったようです。年金資産を健全に積立ていくこと、つまり運用していくことは、先進諸国にとってさけられない現実です。
何を目的とした記事かはわかりませんが、危機感をあおるだけの記事は、山積みされている問題をより複雑にするだけです。

(2003.07.23)



見通しの変更

今年の4月時点での、運用機関が予想した国内外株式の年度高値は、TOPIXでおおよそ950近辺、ニューヨークダウで10000程度、に集中していたと思います。さて、結果としては早々にこのレベルに達してしまったわけですが、やはりゾロゾロと、見通しを上方修正する動きが出てきています。当初見込みの上限にまで市場が到達したのなら、喜んで株式の配分を下げるのが普通だと思うのですが、なぜ市場に合わせて見通しを変更するのでしょうか?3月末の着地点を予想することは無意味な作業かもしれませんが、向こう1年の市場のレンジを予想することには充分意味があると思います。今市場見通しを変更するということは、4月に考えていた年度の環境見通しの誤りを認めるということです。たった3ヶ月で誤りだと認めるのなら、誤りの原因をきちんと説明して欲しいと思います。年間の予想レンジなどそもそも当たらないものです、などと開き直るのだけは止めて下さい。

(2003.07.22)



誉めてあげてください

外資系証券会社の人員削減の記事がでていましたが、投資顧問会社も例外ではありません。もし今基金の方がお付き合いしている外資系運用機関の担当者の中に、これからも一緒に仕事をしていきたいと思う人がいたら、その会社の本国から上司が来たときに、ぜひその人のことを具体的に誉めてあげてください。そしてその会社の東京支店がいかに基金にとって役に立っているかを少し大げさなぐらいアピールしてあげてください。日本人が往々にして表現が控えめであるため、外資系で働く日本人は自分達に対する顧客からの評価が本国の上司に伝わらず大変苦労をします。世界的に運用ビジネスが縮小傾向にある中で、日本市場に対するコミットメントを維持させるためには、お客様である基金の協力も必要なのです。文句を言うことも大切ですが、時には誉めることも忘れないでくださいね。

(2003.07.19)



リレーションシップマネージャー

日本の運用機関でリレーションシップマネージャー(RM)という職種ができたのはごく最近のことだと思います。RMといっても単なる営業担当者であるケースも多く、運用の専門家がRMを行っているケースは、まだ日本では少ないように感じます。一方、海外の運用機関においてのRMという職種は、営業担当者というよりも限りなく運用者に近い能力と意識を持っている方が多いようです。中には日常の行動は原則ファンドマネージャーとRMとが共同で行い、一人は投資行動をとる役、もう一人はRMとして顧客に結果とプロセスを説明する役、と分担しているだけ、という会社もあります。四半期説明会の前に運用者から資料を渡されて、それを基金の前で読むだけのRMとは随分次元が違います。本来のRMは基金の事情と運用者のスキルの両方を理解できなければつとまらない極めて高度な能力を要求される職種のはずです。日本でも本来のRMがもっと活躍していくことが望まれます。

(2003.07.17)



債券インデックス

TOPIX等の株式インデックスとBPIなどの債券インデックスの一番大きな違い。それは株式インデックスにおける個別銘柄の占有比率の増大は株価の相対的上昇に起因するものであるのに対し、債券の占有比率の増大は発行額の増大に起因するものである、という点です。つまりTOPIXに対しウェイトを増している企業の株価は成功の証であり、債券インデックスに対しウェイトを増している企業は借金が増えている証、だということになります。従って投資家にとって「借金の集合体」である債券インデックスの業種や種別構成をトラックすることにあまり意味があるとは思えません。債券市場で資金調達ができる企業は信用力がある証拠と言われるかもしれませんが、借金をすればするほどその信用力は薄まっていくことも事実です。デュレーションの問題も含めて、債券の世界でのインデックス運用というものをそろそろ真剣に見直す時期が来ているのではないかと感じています。

(2003.07.16)



大学の格付けを偏差値で格付け?

早稲田大学が格付けを取得したそうで、AAプラスと超優良企業並。なんのために格付けを取得したのかよくわかりません。債券を発行するためではないと学校側は言っているし、長期の借り入れを起こして設備投資をするためでもなさそうです。更に格付け機関の「大学の格付けには偏差値を加味した大学独自の評価基準」を加味している、などど言うコメントを見ると、思わず笑ってしまいます。「格付けは『約束された債務の履行』というただ一点だけを取り出して企業を判断するものであって、偏差値のように発行企業を順位付けするものではない」と格付けの教科書には書いてあります。あくまでも債権者の立場にたって企業財務を分析するのが格付け機関の役割だったはずです。最近国内外問わず株式評価に格付け機関がかかわるケースも出てきています。本来の立場から離れてなんでもランキングすればいい、みたいなことをしていると、格付けそのものの権威が落ちますョ。

(2003.07.15)



外国株式市場の変調

外国株式のファンドのパフォーマンスをみていて最近気になることがあります。それは、ファンドの対ベンチマークの超過収益の四半期ごとの振れが、全体的に大きくなってきていることです。もちろんトラッキングエラーの管理はしているので年度を通してみれば、リスク水準が変わっているわけではないのですが、四半期ごとの勝ち負けに長期のトレンドが出にくくなっているような気がします。小型と大型、バリュとグロース、などの二極化が賽の目の様にコロコロとそれも比較的はっきりと現れる傾向がこの1年~1年半続いています。その理由がエンロンに端を発した公開情報に対する懐疑心からくる一時的なものであればよいのですが、最近なにか別の要因があるような気がしてなりません。皆さんはどう思われますか?

(2003.07.14)



平均寿命

今日発表された2002年の日本人の平均寿命は女性85.23歳男性78.32歳と過去最長を更新、現時点では世界最高齢だそうです。不節制をしている現役世代が老齢化するころにはどうなるかわからない、との声もありますが、とりあえず長寿世界一というのは、無条件に誇ってよい事実だと思います。少子化の問題は別として、長寿の招く高齢化は経験が豊富でかつ生活にゆとりのある相対的には低コストの労働力の増加、とみることもできます。定年退職制度のあるサラリーマンを規準に考えるから老齢化=非労働人口の増加、というように結論付けてしまう部分もあります。生産者や自営業、技術職や政治家(?)など、65歳の壁などものともしない方々は今でも沢山いらっしゃるわけで、現役世代・非現役世代という基準を一律的な年齢で区切りことが、現実に合わなくなってきているのかなぁ、と感じます。様々な社会制度改革の議論においても、長寿化を社会コストの増加と捕らえる発想そのものの転換が必要なのではないかと思うのですが・・・。

(2003.07.11)



リスク感の共有

運用機関からリスク管理のお話を聞く際の私たちの興味は、運用機関が何を話したか?ではなく、何を話さなかったか?という点に集中します。運用機関が既に認知しているリスクファクターについては、それをどう処理するかという技術論であり、その技術が機能しているかどうかは、過去のパフォーマンス動向をみれば、おおよそ判断がつきます。問題となるのは、運用機関が認識していないリスクの存在です。当たり前ですがリスクの存在を認知していなければ、管理することもできません。技術以前の問題です。運用機関がその商品が内包していると考えるリスク以外に、見落とされているリスクがないかどうか、プレゼンテーションを聞きながら、実はひたすら考えています。見落とされているリスクが致命的であると判断すれば、幾ら投資手法やパフォーマンスが魅力的であってもその商品を推薦することは当面ありません。リスク感が共有できるかどうかというのは、ファンド選択の上での非常に重要なファクターとなっているのです。

(2003.07.10)



分散投資

最近、銀行等の金融機関がTOPIXの指数を買っているとの噂があリます。真偽の程は別として、もし買っているとすれば理由は、「債券価格の下落をヘッジするため」だと考えられます。景気の回復に伴い株価が上がれば、金利は上昇し債券価格は下がります。逆にいえば、債券と株式をあわせて持っていれば、シーソーゲームのように常にどちらかの利益がどちらかの損を埋めることを期待できるわけです。現在の銀行のように政策的に株式比率を減らしてしまうと、景気の回復過程では債券からでる損失を埋めるべき資産が圧倒的に足りません。従って債券の下落をカバーするための最も機動的なヘッジ手段としてTOPIX指数を買うという行動が出てきます。リスク回避を目的として行った株式残高の圧縮が、かえって市場リスクを高めてしまい、リスク低減を目的に高くなった株式指数を買わなければいけない、という変な循環に金融機関は陥りつつあるのかもしれません。

(2003.07.09)



株の二極化

日経平均の1万円台回復は、年金基金にとってこの上ない朗報です。理由はなんであれとにかく株価が上がることはよい事です!だた、日本株の運用担当者の方々にとってこの数ヶ月も、そしてこの2-3日も大変な日々だと思います。おおよそこの半年上がりつつけていた、小型株やいわゆる低位株の動きが、ここのところ非常に荒っぽくなっています。日経平均が1万円の大台をトライしている中、一日に5%以上下落している銘柄、値段がつかない銘柄が、増えてきています。多くの国内株のファンドが今年に入ってから小型株の比率を高めてきていたため、流れの変化に対応して大型株に乗り換えたくても、すでに買い手を見つけることが難しくなっている銘柄もあります。昨年度注目された電力・ガスのセクターはTOPIXが上がり始めた5月末から反比例するように下がり始め、なんと3月末の水準まで売られています。アクティブマネージャーのパフォーマンスを聞くのが、大変に怖い相場展開です・・・

(2003.07.08)



逃げ道がないからこそ・・・

このごろ総合型の基金さんが元気です。相場がよくなってきているから、ということではなく、色々な理由で単独の基金さんのように、制度を変えることも、止めることも、ままならないからこそ、今できることを精一杯考えて行動していらっしゃる基金さんが多くあります。それは財政面での工夫であったり、運用面での工夫であったり、様々ですが、明らかに昨年までの冬眠状態(すみません・・・)とは違ってきているように感じます。こうした事務局の意識の変化は確実に理事会や運用委員会での理事の方々にも影響を与えているようです。今年に入って当社のコンサルタントが基金の運用委員会や代議員会に出席する機会が激増しました。運用環境のこと新商品のこと、そもそもの期待収益率の立て方、など本当に真剣な議論や勉強会が行われています。ウルトラCは使えなくとも、こうした地道な努力は必ず報われるものだと信じています。

(2003.07.07)



フルインベストメント

当社がご提案するバランス型のガイドラインでは、現金比率の上限を10%以上に設定しているケースがほとんどです。理由の一つはデフレ下においては現金もまた有効な資産である、という考えていること。そしてもう一つはバランス型運用機関には「フルインベストメント」を強制するべきではない」と考えていることからきています。
特化型運用機関に求めることが、業種や個別銘柄選択でのプラスアルファであるように、バランス型運用機関に求めることは、資産配分の機動的な選択によるプラスアルファです。結果はともかく、資産配分効果の存在を信じ、結果を出しに行く意思を持った運用機関にしかバランス型を委託する意味はありません。「株式にも債券にも当面期待できないのであれば、どうぞ積極的に現金にしていただいて結構です。」というのが、我々がフルインベストメントを強制しない理由です。何故債券を売って現金にしないのか?という問いに対し、「教科書にフルインベストメントと書いてあるから」と答えた信託さん。今日の債券相場を見て何を思っていますか?

(2003.07.04)



買いたいものあります!

99年のITバブルから4年経ち、ようやくITが生活になじんできたような気がします。99年当時はITにからむ新しい技術やアイディアはどんどん出て来るものの、それが自分達の生活に具体的にどう影響してくるのかという実感があまり持てずにいました。アイディア倒れのベンチャーが乱立したのもこの時期です。その後インターネットバンキングが本格化し、インタネットでの買い物もにも抵抗がなくなり、テレビとパソコンの境界線が消えかかり、とうとう電話にまでネット技術が侵食するようになり、急激にIT技術が生活の一部となりつつあります。99年市場が描いた未来図は単なる夢物語ではなくなり、技術がこなれてきたことで、魅力的な新製品が店頭に並ぶようにもなりました。買いたいものが何もない、という時代がようやく終わり、苦しいお財布と相談しながらも、消費意欲が持てる環境が到来したということでしょうか。まだまだ楽観はできませんが今の株価が日本経済が少しずつ持ち直してきた兆しであればと思っています。

(2003.07.03)



帳票のブラックボックス化

各信託・生命保険会社による資産管理サービス(いわゆるマスタートラスト)が始まって、既に2年近くが経過しましたが、基金の方の使い勝手はどうなのでしょうか?以前の統合レポートの方が良かったという声もよく聞きます。管理サービス会社サイドが重要だと考えているのは資産の運用管理に必要な情報であって、基金サイドがまず重要だと考える情報は決算をするための情報である、という点が、恐らく一番のすれ違いの原因であるように感じます。更に大きな問題は、統合レポートの時には加工前の素数値を基金が見ることができたのに対し、管理サービス移管後は、加工した後の結果しか基金で見ることが出来なくなった点でしょう。誰しも経験のあることだと思いますが、コンピューター処理した数値を眺め、どうもしっくりこない時は、大概入力数値や計算過程になにか間違いがあるものです。素数値が手元にあれば、どこにエラーがあるのかないのか、探すことは比較的簡単ですが、結果しか手元になければ違和感を感じながらもそのまま信じるしかなくなります。窓口となっている信託銀行に頼んだとしても、信託銀行はすでに管理業務の当事者ではないので以前ほど機動的な調査作業が出来にくくなっており、さらにコンピューターを使った一括処理をしているため、個々のリクエストに応じた作業は事実上不可能になってきています。結局基金サイドでできることは、投資顧問など個々の運用機関から個別に届く四半期資料などを紐解いて、自分で一から確認するしかなくなってしまいます。「だったらはじめから自分でやったほうが早い!」という常務理事の怒りの声が聞こえてきそうです。

(2003.07.02)



当社の理念

本日、株式会社エー・エム・シーは、年金コンサルティング事業を船井総合研究所AMC事業推進チームより無事継承させていただくこととなりました。これも基金様、運用機関の皆様のご理解とご協力の賜と、厚く御礼申し上げます。
私共の年金コンサルティング業務は、ひとえに勤労者の年金・共済制度の維持と発展を目的としています。現状の制度の抱える矛盾や不備を放置しておくつもりはありません。だた、今の制度の中でも、今やるべきこと、今やれること、は常に存在します。今我々がすべきことは何なのか?を、基金の方や、運用機関の方と一緒に、あと延ばしせず、将来を見据えて、毎日毎日考え、行動していきたいと思っています。
大変微力ではございますが、日本の年金業界の健全な発展のため、最大限の努力をしていく所存です。
今後とも、株式会社エー・エム・シーをどうぞよろしくお願いいたします。

(2003.07.01)


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