2005年06月の思いつき


中国大陸がミシミシと…

異常気象は日本だけでなく、中国でも洪水や酷暑が問題になっています。
上海は37度を超え、早々に電力不足が懸念され始めました。
NHKによれば電力対策として、娯楽施設での夜間冷房禁止や公共施設の冷房温度を26度以上にすることなどが決定され、さらに現地の日本企業などにも操業制限が出される可能性もでてきているようです。

先週おきた洪水被害の映像が少し公開されつつありますが全容はよくわかりません。

一方、中国内陸部で1万人規模の暴動があったと報道されています。

一つ一つは無関係のように見えるストレスが、突然連鎖する怖さを今の中国に感じているのは私だけではないでしょう。中国大陸がミシミシと軋んでいる音がします。

(2005.06.30)


資産運用部門の切り離し

シティグループが資産運用事業をほぼ全面的に売却したことが、資産運用業界に与えるインパクトは大きいと思います。

これによって、金融商品の『生産』と『販売』は分離すべきである、との方向性が明確化されることになるからです。
シティのCEOは、「自社のファンドを販売することで生じる利益相反への懸念を払拭することも、今回の決定の背景の一つである」と言っており、一つの金融グループにおいてファンドの生産者である運用会社と、販売助言者である証券部門が同居することが業界全体として難しくなっていることを示唆しています。

今回、シティの資産運用事業を引き受けることになったレッグ・メーソン社は逆にグループ内の証券仲介業をシティに引き渡すとしています。証券会社サイドだけではなく資産運用会社サイドでも運用特化への道を歩み始めているようです。
ファンドをめぐる利益相反の問題は、今後コンサルタント会社も含めて広がっていくでしょう。
これから資産運用会社は大手資本の傘下にぶら下がることなく、自力で生きていかざるを得なくなる、ということでもあるのです。

(2005.06.29)


個人株主と議決権

今年の株主総会は、個人株主の参加比率が非常に高くなっているようです。また郵便での議決権行使についも、なんらかの意思表示をするといっている個人株主が過半数を超えているとの調査結果もあります。
以前、企業統治型のファンド専門会社の方の講演で、「株主としての企業統治は、それをなし得る専門知識と能力がある者が行うべきであり、そうでない人々が株主として安易に議決権を使うことは、なにもしないよりもっと悪い」、との言葉が非常に強く印象に残っています。

個人株主が株主としての権利を行使すべきでないというつもりはありません。だた短期売買でたまたま3月末の株主名簿に名前が載ってしまったような株主と企業の将来価値を真剣に考えで長期投資をしている株主との1票の重みが同じであることに少し違和感を感じます。
むしろ、“議決権なしの優先配当”を謳った『個人専用株式』のような仕組みを作って、法人投資と分離させたほうが、市場効率がよくなるのではないかと思うのですがいかがでしょうか?

(2005.06.28)


pure & poor

海外のメディアと話していて、日本の運用コンサルティングの報酬レベルを教えたところ、文字通り目を丸くされました。
もちろん、安すぎて、です。

別の方から、運用コンサルティングの仕事は、"pure&poor"だと言われました。"清廉・貧乏"といったところでしょうか。

運用報酬のように、運用資産額対比で計算すると、コンサルティング報酬は平均して2ベーシス(0.02%)以下でしょう。
パッシブファンドの運用報酬の5分の1以下です。我々がパッシブファンドより役に立っていないとは思えないのですが、報酬体系のそのものの問題なのでしかたありません。

poorでなくなるためにpureを放棄するつもりは全くありません。ただこの業界に有能な人材を維持するためには、もう少し業界全体の収入を増やす努力をしなければならないのも現実です。

pure なコンサルティング会社に皆様どうぞ愛の手を???

(2005.06.27)


石油市場での異変

原油価格が60ドルをこし、株式市場が反応しています。
2003年の4月から始まった原油の上昇相場は2004年の後半に一休みした後、新展開を迎えたようです。

石油先物市場では1ヶ月先の受渡しから12ヶ月先の受渡しまで、受渡し期日毎に価格が形成されています。
短期売買を目的とするなら最も流動性の高い1ヶ月や2ヶ月先の受渡し売買が魅力的であるため、いわゆる投機的に石油価格が上昇する際には、長い限月より短い限月の価格がより上がります。
90年の湾岸戦争当時の石油価格や、2000年前後の過剰流動性時の石油価格は、短い限月中心の投機的相場でした。2003年から2004年10月までの石油相場も同様です。

ところが2004年12月から、この様子が一変してきています。上昇相場で長い限月が先行するのは、過去20年では例がありません。
短期売買ではない需給が石油市場を動かし始めている、嫌な予感がしています。

(2005.06.24)


事実が知りたい

6月20日↓に引き続き、クレジットカード情報漏洩問題で気になることをもう一つ。

カード会社から出されるメッセージは、「万が一不正使用されたとしても、損失は補填されるので、お客様に実害はありません。」という内容のみです。

どのような種類の個人データが流出した可能性があるのか?についてはほとんど公表されていません。米国のカード会社のサイトには、米国で個人情報のキーとなる生年月日や社会保障番号は流出していないと明示してあるところもあります。暗証番号や住所は流出した可能性が高いとの報道もあります。
個人情報というのは、なにもそのカード会社のカードを不正使用するためだけに使われるのではないことは明らかです。
フィッシング詐欺のような二次被害を食い止めるためにも、流出した可能性の高い情報の種類を早急に公表すべきだと思います。

カード契約をつなぎとめるためではなく、消費者の実害を最小化するための情報公開を強く望みます。

(2005.06.23)


外部委託ファンド

日本の信託や投資顧問でよく見られるような、海外の提携先ファンドへの投資について確認しておきたいことがあります。

通常の株式運用であれヘッジファンドなどのオルタナティブ運用であれ、社外の運用商品を自社の顧客に提供する場合の投資判断者は、その信託であり投資顧問会社です。
この際の投資判断というのは、社外のそのファンドを自らの意思で選択し投資したと言うことを意味し、そのファンドの結果についても自らフォローし責任を持つ、ということです。
提携先や投資先のファンドの運用状況が悪ければ、投資判断者の意思において解約を検討するぐらいの意識がなければ、外部委託などすべきではありません。こうした意識は直接のファンド担当者だけでなくスポンサーと接する営業やRMの方達にも是非持っていていただきたいのです。

そんなことは百も承知だと言われそうですが、実行できている会社は限りなく少ないのが実態です。

(2005.06.22)


こんなハズでは!

最近、個人や会社でお付き合いしている金融機関の事務手続きのお粗末さに、唖然とする経験が続いています。
個人情報満載の書類を普通郵便で送ってくる都市銀行。
契約書の書き方がわからない生命保険会社。

当社にいるその都市銀行やその生保のOBやOGは、口をそろえて嘆いています。そんな会社ではなかったのに!

新人教育に時間を割けない。バイト比率が高まっている。など理由は色々あるでしょう。
でも新人だろうがバイトだろうが、お客には関係ありません。
インターネット取引なんて所詮小口の取引です。
店頭のパンパワーが落ちると、大口顧客が逃げていきますよ。

(2005.06.21)


情報の出し方

米国のカード会社からの個人データ流出事件は非常に深刻な事態となりそうな気配がしています。

この事件で私が興味を持ったのは、事件の内容そのものより、情報の出し方の問題です。
日本で何か事件がおきた場合、関係者から報告される被害規模は小さめに小さめに発表される傾向があります。
「最低何件以上の…」という表現を好み、「最高何件の可能性…」という表現は好みません。
「現状被害は確認できない」と言い、「被害の可能性を確認中」とは言いません。
こと悪いことに関しては、小さく発表して大事になるより、大事にして沈静化させたほうが、印象がよいし、良いことに関しては小さく発表して大きく育てたほうがインパクトが強いと思うのですが、いかがでしょうか?

それにしても、最近海外からの迷惑メールが極端に増えているのは、このせいではないですよね???

(2005.06.20)


上場運用会社

上場している運用会社株式に対するアナリストコメントなどを見ていると、違和感を感じます。
株式会社である以上、企業として成長し続けなければならないのは当然かもしれません。
ただ、運用会社が利益を拡大し成長を続けるということは、運用資産残高を伸ばすということ、利益率の高い(報酬の高い)ファンドを組成するということ、に他なりません。(日本の投資顧問のように外部のファンドを仲介して手数料をとるというビジネスモデルは例外ですが…)
海外の大手ヘッジファンド会社が、株式を上場してから後の何かに憑かれたような拡大路線には業界内でも首を傾げる人が多いようですし、最近日本で躍進している不動産ファンド会社にしても同じような傾向を感じます。

資産運用会社が株主利益に応えようとすればするほど、それは委託者の利益を長期的には損なうことに繋がるのではないか、との懸念はやはり持たざるを得ないと思うのです。

(2005.06.17)


借金漬けの放蕩息子

今日のロイター通信によれば、全米住宅建築協会(NAHB)が発表した6月の住宅市場指数は今年最高となったそうです。金利低下によって融資環境が良好なことから住宅購入希望者が殺到している、と協会は言っているとのこと。
一方でFRBのコーン理事は他のFRB理事と同様に、米経常赤字と住宅価格の上昇は持続不能な恐れがあるとの見解を15日の講演でも繰り返し警告しています。
同理事の発言において「われわれの能力は限られている。最終的には、翌日物金利しか操作できず、物価水準も全体的な動きに集中しており、特定資産の価格安定と必ずしも両立できない可能性がある-(ロイター伝)」との文脈からは、市場のコントロール手段を失いつつあるFRB首脳の苛立ちやあせりを通り越した"諦め"すら感じられます。
小遣いを減らしても、どこからか借金をして散財を続けてしまう放蕩息子に、お父さんもお手上げといったところのようです。

(2005.06.16)


リスクをとれない原因

株式や債券の市場変動率(ボラティリティ)の低下がヘッジファンド不振の原因です。という説明を聞き始めて早1年以上が経過しました。
事実は事実として、何故市場変動性が低下しているのかの説明で納得できるものは未だありません。
世界的な長期金利の低下傾向にFRBが疑問を呈して半年以上経ちます。
その理由も未だ解明されません。

これまでの金融市場の常識からは理解できない事象を、ヘッジファンドのせいにしてしまうのは簡単なことです。
ただ、こうした現象で一番苦しんでいるのはヘッジファンド業界自身であることを考えると、わからないことは全てヘッジファンドへ押し付けるという理屈にも限界がでてきます。

理由がわからないから対応のしようがない、という今の構造に、金融市場全体が漠然とした不安感を持っています。

(2005.06.15)


大型成長株の50歳

いわゆる大型優良株と呼ばれる株式の不振が続いています。単位株が大きく個人投資家向けではない、といったテクニカルな問題もさることながら、企業の成長自体に期待されていないのではないかと感じることもあります。
戦後50年、日本の奇跡的な復興と発展の原動力となってきた企業はおしなべて成熟期を迎えています。一時期言われていたような企業寿命50年、とまでは思いませんが、そろそろ息切れがしてくる時期にさしかかっているのかもしれません。
などという会話に「そうそう、50歳過ぎると贅肉落とすのも一苦労。現状維持がやっと。成長なんてとてもとても…」と妙に納得している、当社の社長でありました。

(2005.06.14)


インフレ連動債

昨年は原油価格の上昇に連れて、固定利付債より有利だった米国のインフレ連動債が今年になってから下落を続けています。
最近の原油反発を受けてもこの傾向は変わりません。
逆に言うなら、原油や素材価格の歴史的な高騰を受けて出てきたインフレ議論も、少し景気の先行き懸念が強まればすぐに沈静化してしまう程度のものだったということなのでしょう。

先週、日本の物価連動国債の入札が不調に終わり、物価連動国債の価格が急落しました。
昨年来、未成熟な市場で新規ファンドを乱立させたつけが回ってきた部分も多分にあるのでしょうが、世界的なインフレ期待の沈静化もまた一つの背景とも言えます。

特に日本の場合は、ファンドマネージャーもスポンサーも、多少のインフレを待ち望んでいる潜在意識が、どうしてもインフレ連動債を割高に押し上げてしまう傾向があることを、認識しておく必要がありそうです。

(2005.06.13)


グリーンスパンが見るヘッジファンド

グリーンスパンFRB議長の最近の講演によると、プライベートエクイティやヘッジファンドに資金が流入しているのは、金利低下に伴い減少した利息配当を少しでも取り返したいと思っている投資家が増えているから、だそうです。
そうした投資家の思いとは別に、このところのヘッジファンド業界は収益を挙げることに苦しんでいるものの、金融システムに影響を与えるような混乱はなく、むしろ不安定な金融市場に流動性を与えるという意味では貢献している、としています。
最も懸念されることは、CDOやCLOなどより複雑でリスクコントロールの難しい戦略にヘッジファンドの資金が向かっていることであり、こうしたデリバティブ資産特有のモデルリスクの管理が全体として未整備であることだと言っています。

5月のヘッジファンド各社のパフォーマンスがそろそろ出てきています。特定の戦略を除けば月初に心配されていたほど大きな混乱のない堅調な1ヶ月となり、グリーンスパン議長も我々も一安心といったところです。

(2005.06.10)


チャリンカー商法?

ネットオークションで、在庫のない商品をカラ売りし、入金されたお金で商品を調達し、またカラ売りをする、ということを繰り返すと、手元には常に現金が残る。これを「チャリンカー商法詐欺」とう言うそうです。つまり自転車操業詐欺、という意味でしょう。

この手の詐欺は、この商売を始めた当初のお客にとっては、非常に良心的なディスカウント業者です。
自転車が行き詰るまで1年や2年はかかるらしいので、そこまでの評判はすこぶるよい。
運良く行き詰らなければ、評判のよい安売りやさんで通し続けることも可能です。
が、悲しいことに大概のチャリンカーさんは、遅かれ早かれ行き詰り、そこからは奈落の底へ一直線。その時に付き合っていたお客も一緒に転落します。

最近海外で摘発されるヘッジファンドの詐欺ケースと極めてよく似ているのです。チャリンカー詐欺…。

(2005.06.09)


税制が社会を変える

現在検討されている税制改革の中に、一定年齢以上の子供を扶養家族からはずす、という項目があるそうです。
一方、就業年齢以下の子供の扶養控除は所得控除より効果の大きい税額控除にすることを検討しているとのこと。
これまでの税制改革が、住宅取得優遇など目先の景気対策に目がいっているものが多かっただけに、久々に意味のある改革案であると感じます。

長期的な少子化問題も大切ですが、中期的なニート問題は切羽詰った問題です。何故若者が働かないのか?というより働かない若者の存在を許容する世の中の仕組みを解決しないと、日本の税金だけはなく個人貯蓄までもが現役労働世代をとおりこして、生産性の全くないニートの生活を支える為に湯水のように使われてしまいます。
働かざるもの食うべからず!働けるものは被扶養者ではない!
こんなこれからの現役世代の雄叫びが、税調には少し届いたということでしょうか?

(2005.06.08)


危機意識の違い

ニューヨークのビルの入口では、恐い顔のガードマンさんから顔写真付きの身分証明証の提示を求められます。時にはその場で写真を撮られることもあります。少しやり過ぎなのではないか?とアメリカ人に尋ねると、プライバシーより安全の方が重要だ、と言う答えが返ってきました。
一方、日本では大企業の受付に女性しかいないケースをまだ多く目にします。個人情報保護法を考えると受付で顔写真を登録することなどとんでもないと言われそうです。
未だテロの恐怖に怯える米国。未だ危機対応ができない日本。日米安保の縮図がここにもあります。

(2005.06.07)


金融コングロマリットと資産運用会社

金融コングロマリットにおける資産運用会社の地位の不安定さは今に始まったことではありません。
金融グループがリストラや再編をする度に、必ず切り捨てのターゲットに上がる部門です。
それほどマネジメントが難しいのなら、初めからグループに入れなければ良いのに、と思います。
伝統ある運用機関を買収して、分解して、結局は投げてしまう。ということを、これまで世界に名だたる金融資本がどれだけ繰り返していることか。

これから本番を迎える日本の金融コングロマリットにおいて、先人達のこうした悪癖をどうぞ繰り返さないで欲しいと、切に願っています。

(2005.06.06)


金融社会のイニシエーション

中国株の下落が続いています。1997年のアジア危機以来の安値を更新し、2001年の高値からの下落率は50%を越えました。さらに、上海の不動産価格も政府の引き締め効果により反落を始めています。この数年で誕生した中国都市部のプチブルジョア層には、厳しい環境が当面続きそうです。
今年になって、大手企業や銀行の会計不正問題や不良債権問題が中国政府によって摘発されるケースが頻発しています。中国企業や中国政府の発表する数字の信憑性に疑問を持っている国外機関投資家を意識したデモンストレーションのような気がしないでもないのですが、多少の膿だし効果は出ているのでしょう。
今回のミニバブルの崩壊は中国経済が国際金融市場で認知される為のコストなのかもしれません。

(2005.06.03)


安かろう悪かろう?

近くの有名量販店でこの2ヶ月で電化製品を3つ買いました。
3つとも不良品でした。
新品交換をしてくれたので問題はないものの、あぁめんどくさい。

価格の安さを売り物にしているお店です。
安さの源泉は、大量販売による利益率の圧縮だと、思っていました。

メーカーにいた同僚は、安い仕入れにはそれなりの理由があるのではないですか???などと言っています。
わけアリ商品を混ぜてディスカウントしているなら、電気街の怪しげなお店で買った方が安い。

もちろん、はずればかり引く私のくじ運が悪いだけ、という話もありますが。

(2005.06.02)


立つ鳥跡を濁さず

色々な事情で解約の申し入れをした運用機関の、その後の対応は様々です。
資金の払い出し完了まで、従来通りのサービスをきちんと継続するところもあれば、運用報告にすらこなくなるところまであります。
ひどいところは、催促するまで運用報告書を作っていなかった、という例もあります。

これは、会社としての問題というよりは、担当者個人の意識の問題なのではないかと思っています。

この世界は狭いです。いつどこでどのような形で再会しても良いように。立つ鳥跡を濁さず、です。

(2005.06.01)

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