2006年02月の思いつき


政治家って何者?

政治家というのは法律を作る人で、行政官というのは法律を適用する人だと、学校では習った記憶があります。だから立法府と行政府というのがあるのですよね?と遠い高校時代の公民の記憶を呼び起こしたくなるほど、今の政治家というもが何をしている人なのか、よくわからない。

所詮政治家には刑事さんの真似事はできないわけだし、景気の分析も出来ないわけだし、オールラウンドなジェネラリストとして大局観で物事の大枠、つまりルールを決めていくのがお仕事なのではないだろうか、思うわけです。

官僚の視野が狭いとか、省域意識が高すぎるとか言うのもわかりますが、それを補うだけのひろーい視野が政治家にないから、狭い視野に振り回されるだけなのではないかと、思ったりもします。

政治家そろそろまじめに仕事しろ!と、当社の社長も怒っております。

(2006.02.28)


金融ビジネスのストックとフロー

日本で「資産運用」という概念が乏しいのは、個人に始まったことではないのだと実感することが最近増えてきました。
証券を取り扱う証券会社や、金利を取り扱う銀行においても、資産運用という概念を理解しているかどうかは、かなり疑問です。

資産運用というのは、ストックの概念です。
収益機会があろうがなかろうが、運用すべき資金が厳然と存在しているビジネスです。

一方、金融ビジネスの多くは、フローの概念で成り立っています。
収益機会があれば、資金を調達して鞘を抜く、または媒介して手数料を取るというビジネスです。

日本において、このストックビジネスという概念が希薄であることが、金融の制度の整備やその発展において、非常に大きな障害になっているのではないかと、感じています。

このような視点の外れたペーパーが日銀から出てきてしまうのも、そのあたりに問題があるのではないかと思うのです。
⇒日銀「ヘッジファンドのパフォーマンス特性~リスク・リターンの背景~」へのリンク

(2006.02.27)


祝!金メダル

「女性は強い」
この言葉を聞くことのなんと多くなったことでしょう。
オリンピックも当社も例外ではありません。

荒川選手の金メダルが確定した控え室の映像で、「おめでとう」ではなく「ありがとう」とつぶやいていた、偉そうなおじ様の背中がひどく切なく見えて、笑ってしまいました。

なにはともあれ、気持ちのよい朝の金メダルでした。

(2006.02.24)


コールド・コーリング

⇒金融庁コールド・コーリングへのリンク

平成15年という非常に古い記事なのですが、是非一度ご覧ください。

投資家が居住する国及びその業者が業務を行っていると主張する国において、証券を取り扱う免許を持っていないにも関わらず、投資家に直接電話をし、勧誘する業者のことを、コールド・コーリングというそうです。
世界各国の証券当局が参加しているIOSCO(証券監督者国際機構)というところが、2002年に全世界の投資家に対し注意喚起をする声明を発表しているそうで、その時点で確認された業者名なども掲載されています。

こうした呼び名があることすら、私自身不勉強で知りませんでした。
願わくは、平成15年以降のこうした業者の数や名前などのアップデートを含め、金融庁でフォローしていただくと、大変ありがたいと思うのですが。

(2006.02.23)


その話は本当ですか?

先日、ある方が、「テレビで美味しいと言っているレストランが実際に美味しいことはほとんどない。更に、テレビに何度も出ている実業家をちょっと調べたら、詐欺師だったという経験もした。マスコミの取材というものは本当に当てにならない」という話をしてくださいました。

「事前の評判だけで、先に結論を作り、その結論をなぞるための取材をするから、真実が見えない。」こういった印象は、一度でもマスコミの取材を受けたことのある人なら、誰でも感じていることなのではないでしょうか。

取材をしないで記事や番組を作っているとは思いませんが、取材をしても真偽を見分ける能力が記者にないのであれば、それは取材をしないより尚悪いです。

不味い料理を美味しそうに食べるご愛嬌と、経済取材を同じような感覚で取り扱うのは止めて欲しいものです。

(2006.02.22)


日本株と石油

2006年、特に2月に入ってから、日本株と石油との連動性が上がっていることが気になります。

今年に入ってから、日本を除く各国の株式市場は新興国も含めて、比較的穏やかな上昇基調にあります。米国のナスダック市場もグーグルショックを乗り越えて、どうにかプラスリターンです。

そうした中で、1月終盤に高値トライをした原油と日本株だけが、2月に入り仲良く急落を始めました。

実際のところは、特に関係はないのかもしれません。
が、日本株と石油動向とを結びつけて考える人も、少なくないと思っていた方がよいように感じています。

(2006.02.21)


しばらく調整

ジャズダックなど新興市場に厳しい調整が続いています。
チャートやけい線というものについて、『「価格を縦軸・時間を横軸」にし、「人間の心理状態を視覚で表したもの」』と表現した先人がいました。
その言葉に従えば、ジャスダックの投資家心理は「売り一色」の局面を迎えているようです。

雑誌の見出しには、まだ威勢のよい言葉が並んでいます。
個別株式を推奨するような記事を書いた編集者や株式評論家の人達には、浮かれた個人と一緒に少し反省してもらいましょうか。

(2006.02.20)


人間の学習効果

1990年・1995年・1999年に起きた過剰流動性相場とその終わり方と、今の株式市場とを重ね合わせてご説明すると、必ずといっていいほどいただく質問があります。

今の経済は過去15年とは違うのではないか。

過去4回も同じパターンで急騰・急落しているのなら、その学習効果で今回は違った展開になるのではないか。

株式市場だけではなく、債券でも為替でも、大きなトレンドが発生している最中は、そのトレンドを追認する理屈が必ず登場します。ITバブルの際の米国のニューエコノミー論などが記憶に新しいかもしれません。そしてトレンドが反転するとその"新しい理屈"も忘れ去られるのが常です。今は過去とは違う、という論調は話半分に聞いておいたほうがよさそうです。

そして人間の学習効果については…
それがあるなら不景気も戦争もとっくになくなっている、というのが私の結論なのですが。

(2006.02.17)


海の向こうのトレンド

メリルリンチの資産運用部門が、ブラックロックという独立系の資産運用会社と合併するとのプレスリリースが行われました。
以前から、メリルが資産運用部門を切り離すのではないかとの噂はあったので、驚きはしません。

昨年のシティグループ、ドイツ銀行グループ、そしてメリルと、金融コングロマリットから資産運用グループを切り離す、または距離を置く、という動きが欧米で顕著になっています。
現在、大手証券会社の収益の内、多いところでは3割以上が、ヘッジファンド関連ビジネスから生じていると言われています。
資産運用ビジネスが急拡大し、かつ利益相反への視線が厳しくなっている中、証券ビジネスとその顧客である資産運用ビジネスとを同じ経営母体の中に入れておくことのデメリットもリスクも増大しているということでしょう。

このような議論が全く出てこない日本の金融市場というのは、いかに資産運用ビジネスが重視されていないかの表れなのかもしれません。

(2006.02.16)


20歳代の存在感

オリンピックとか、ワールドカップとか、お祭りものにはそれなりに盛り上がる方なのですが、今回の冬季オリンピックはほとんど見てません。話題にもなりません。

うーん。覇気が感じられないので、見ているほうが盛り上がらない。

最近日本で元気なのは、10歳代の若者と40歳前後の若いミドル。20歳代から30歳代前半の人達の存在感をあまり感じません。

人材の空洞化はこんなところにも起きているのかもしれない、などと思ってしまいます。

(2006.02.15)


個人向け代替商品?

日経新聞の「一目均衡」というコラムで、銀行が個人向けに販売しているバンクローン投信について、その販売方法に苦言を呈しています。
私からみてもちょっと厳しすぎるかと思うような(…そうとう厳しい??)内容ではありますが、新聞が金融機関の勧誘姿勢を正す論調を最近見たことがなかったので、興味深く読みました。

中で問題にされているのは、バンクローンというリスク商品の勧誘資料を国債購入者宛にダイレクトメールで送付した、ということのようです。国債を買った個人のリスク許容度とバンクローンという商品のリスク特性が明らかに異なることを考慮しない営業姿勢は投資適合性に違反するのではないかと筆者は指摘しています。

国内債券の代替と称して、バンクローンやヘッジファンドを売ったり、組入れたりしている年金関係者には、耳の痛いコラムだったかもしれません。

(2006.02.14)


規制緩和とモラル

企業の社会的責任や企業倫理のあるべき姿を形成するのは、企業経営者でも行政でもなく、民意だと思っています。
社会的責任投資に絡めてこのコラムでも何度か指摘している様に、非道徳的企業行動を認めないのであれば、商品を買わない使わない、という行動で表現するしかないのです。

法律に触れなければ、もしくは疑わしくとも現実に法的捜査の対象にならなければ、問題はない、というのも一つの判断基準です。
一方で、自分の価値判断において納得できないものには投資しない。疑わしいものには関わらない。というのも一つの判断です。

規制緩和というものは、より自由な枠組みの中で、より自己規律の効いた社会を目指すものであると私は理解しています。

最近の経済事件の多発は、経営者のモラルの低下が問題なのではなく、消費者のモラルが低下していることにそもそもの原因があるように思えてなりません。

安くて便利ならなんでもいいのか。
株価が上がっていれば、企業モラルは関係ないのか。
パフォーマンスさえよければ、どんなファンドでもいいのか。

皆、根っこは同じです。

(2006.02.13)


あまのじゃく

ヘッジファンドの存在意義として、よく言われてきたことは、金融市場に流動性を提供し、市場の安定化に寄与する、というものでした。

流動性を提供するという意味は、ヘッジファンド以外の投資家が売買を行う際の、相手方になるということを言っているわけで、アマノジャクな投資家であることに存在意義があると言われていた訳です。

最近のヘッジファンド運用を見ていると、アマノジャクを目指すのではなく、スタートダッシュに命をかける、宝探しに熱中する、オキアミを食べる鯨になる、といったタイプが増えているように思います。
ヘッジファンドも伝統的アクティブマネージャーもプライベートエクイティも皆同じ方向を向いて、単に他を出し抜こうとしているだけに見えるのです。

とりあえず、1月は伝統的資産もヘッジファンドも共にハッピィだったようですが、一般資産とヘッジファンドの収益の相関がこれ以上上がっていくようであれば、ヘッジファンドの存在意義がかえって失われてしまうのではないかと懸念します。

(2006.02.10)


コモディティ

最近、商品市場(コモディティ)への長期投資について、見解を求められることが多くなってきました。

年金資産における、商品市場の最大の投資意義は、「時間分散効果」にあると考えています。

企業の生産活動において、原材料エネルギー市況という最も川上に位置するものと、株式の配当や債券の利息といった最も川下に位置するものとでは、景気や物価に対する感応度にタイムラグがあります。このタイムラグを有効に活用することで、株式などの金融商品から発生する上下動の波を平準化することができるのではないかと思っています。

こうした景気循環的な視点でみるのなら、商品市場への投資も株式等と同様に、長期の視点で保有する必要があります。
短期的には、現状のような投機資金中心の市場環境などでは、株式や金利の価格変動との相関が高くなることもあるので、注意が必要です。
いずれにせよ、最近パフォーマンスが良いから、という理由だけで採用するのは、止めておいた方が良いのは言うまでもありません。

(2006.02.09)


予想

今日の東京は、小春日和です。
本当は昨日、気温が上がるはずでした。
昨日の朝、天気予報を信じて、薄着で出掛けた人達から気象庁は大クレームをうけたそうです。

方向性をあてることはできても、時期を的中させることが難しいのは、相場も天気も同じです。

(2006.02.08)


コンサルタントの公募

米国を中心に、公的年金などによる年金コンサルタントの公募が目に付くようになりました。

理由の一つは、ヘッジファンドを採用するにあたり、これまでのようなファンドオブファンズ形式ではなく、シングルファンドを自ら組み合わせ、ゲートキーパーの費用を削減しようという、傾向が強くなっていることがあげられます。

また、SECなどがコンサルタント会社の利益相反など監視を強めていると見られる中、年金としてもコンサルタントの採用基準をオープンにしていかざるを得ないという流れがでてきていることも公募が増えている一因でしょう。

こうしたスポンサーの動きが、閉塞感の出ている、ややもすれば方向性を見失いつつあるコンサルタント業界に、よい刺激になればよいと感じています。

(2006.02.07)


常識

毎日新聞に、「いただきます」についての特集がでていました。
小学生のある親から、「給食費を払っているのだから学校で ”いただきます”と言わせるのは止めて欲しい」という投書がラジオ番組にあったそうです。
これが、言語道断、と切り捨てられることなく、議論になってしまうところに、問題の根深さを感じます。

道徳心とか倫理とか、大仰に言うことではなくて、理屈抜きの常識みたいなものが、霞のように薄くなっているのは何故なのでしょう。

年金や保険などの社会保障制度の議論が難しくなっているのは、決して人口減少だけのせいではなく、社会生活というものについての基本的なコンセンサスや常識というものが、この国で変節してしまっているからなのかもしれません。

(2006.02.06)


千客万来商売繁盛

買収・合併戦略を行っているファンドの2006年の注目は、日本とドイツだとの記事が、ロイターに載っていました。

中国市場はまだ「ジャングル」で、投資対象としてのリスクが高すぎるそうです。
日本という国は受け入れてもらえるまでに時間はかかるが、一旦入り込んでさえしまえば、大変仕事のやりやすい市場だと表現されています。
ドイツは、ようやくリストラの準備が整い、欧州経済のドライバーになる可能性が高くなっていることが評価されたと記事は指摘しています。

買収ファンドから注目される市場というのは将来性を買われているわけで、決して悪いことではありません。
黒船来襲と怯えるのではなく、停泊している黒船にTシャツを売って一儲けするぐらいの商売っ気も必要なのではないかと思います。

(2006.02.03)


証券教育とは何か?

金融広報中央委員会のホームページに「金融商品なんでも百貨」というものがあります。
日本銀行などが中心となって、金融知識の向上に役立てる様、中立的な視点で書かれた金融商品の入門書、だそうです。

作成された目的には、大変賛同するのですが、中身を見ると、ちょっと待ってと言いたくなります。
「株式」の項目を見ると、株式という金融商品の市場特性やリスクについての説明はほんの数行です。あとの大部分は株式投資をするための口座の解説方法や税金などの、いわゆる投資実務に関することに終始しています。まるで証券会社の営業店事務マニュアルを読んでいるかのようです。
初めて株式投資をする人に教えるべきことは、株価というものが、何を基準にして、どのような理屈で価格形成されているか、なのではないかと思うのですが、そういったことには一切触れられていません。

この国の証券教育というものの根幹をもう一度よく考えてみないといけないのではないかと強く感じています。

(2006.02.02)


グリーンスパンさんの長い日々

1987年、グリーンスパン氏にFRB議長が交替した直後に、ブラックマンデーが起きました。
当時「やっぱりボルカーでなければダメだ。」とか「市場との対話が足りない。」などと、市場で酷評された新議長が、本当の意味で存在感を示したのは、就任から10年も経って起きたLTCM危機だったように思います。

いくら前歴が優秀な金融のプロであったとしても、FRB議長という役回りをこなすのには、議長としての経験が必要なのかもしれません。ブラックマンデーを知っていたからこそ、その後の中南米危機もアジア危機も多発テロも、米国経済に壊滅的な打撃を与えることなく切り抜けられたともいえるのでしょう。

一つのポジションに特定の人間が長く居る弊害ももちろんあります。ただ、長く居ればこその知恵もあります。日本の主要ポストのローテーションは少し早すぎるような気もします。

(2006.02.01)

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