2006年07月の思いつき


幸福度

ロイターに「世界の幸福度マップ」という調査結果がでていました。イギリスの社会心理学者が各種シンクタンクのアンケート結果を分析にし、各国の幸福度をランキングしたものだそうです。

世界178カ国中、日本は90位。米国の23位はともかく中国の82位より悪い。

研究では、幸福度が平均寿命などの健康条件やGDPなどの経済条件と密接に関係しているというのですが、それでも日本は90位。

これは今の日本が客観的要件では幸福度が高い国に入るべき環境にあるにもかかわらず、主観としては幸福度認識が低い、ということで、まぁ一言で言えばわがまま、二言目としてはマネージメントの力量不足。

これだけ国が国民生活にお金をかけて、借金だらけになって、外国に頭を下げて、それでも受益者の満足度は平均点以下ですか。
この調査、誰か真剣に分析したほうがいいですよ。

(2006.07.31)


何をしに???

スポンサー先や当社にお出でになる運用機関の方々の中に、初めから最後まで一言も話さずにお帰りになる偉い方がいらっしゃいます。

部下の仕事ぶりを監視にでもきているのでしょうか?

質より量だと思っているのでしょうか?

黙って聞いているのか寝ているのかわからないような付き添いは、百害あって一利なしです。

(2006.07.28)


現在進行中

今、本を書いています。

ヘッジファンド戦略の入門書です。

内容が不正確にならないように、でもできるだけ平易に簡単に、というのは、言うは易し行なうは難し。

年金スポンサーの方に役立つように、でも一般の人も買ってくれるように、という両立も結構大変。

秋には…年内には、出版の予定です。

(2006.07.27)


その気になっても無駄

タイガーウッズが20メートルぐらいのロングパットを入れるのをテレビで見ると、自分でも入れられるような気になるのは大いなる錯覚です。
間違ってそんな気持ちを引きずったままグリーンに立つと、とんでもない結果が待っています。

株式で何億儲けたという成功話を雑誌で読んで、自分でもできると思ってしまうことは、よくあることです。
実際にやってみると、とんでもない結果が待っています。

誰にもできないことができるからこそのタイガーウッズ。
誰にも(本人にも二度と?)できない成功話だからこその雑誌記事。

メディアに載るということは、それだけ珍しい現象だということで、マネをしても無駄だということです。

(2006.07.26)


ファンドって何?長文ですみません

最近、ニュースや新聞などで、「ファンドの功罪」とか、「ファンドの力が…」とか言う表現をよく聞くようになりましたが、この『ファンド』という言葉の使い方にかなり違和感を感じています。

こうした場面で取り上げられるファンドというのは、企業再生やM&Aなど一つの共通の目的のために、単独ではなく複数の資金を束ねて巨大化させた器のことを指しています。「ファンド」は世の中に影響を与えるほどの規模を持ち、「ファンド」を操る人は何かことを成し遂げる意思を持っている主体であると捉えられているようです。

このような種類の「ファンド」と、普段我々が投資対象としているファンド(これはヘッジファンドも含めて)とは、実は非常に大きな相違点があります。我々の扱うファンドは、何か特定の経済活動を行なうために存在するのではなく、ファンド投資家の利益を上げるために存在するものです。だから経済を動かしてしまうほどの規模では動かないし、また市場を変えてしまうような金額を集めたりはしません。

運用者と受託者という関係が存在する投資一任・アセットマネージンメト、という業務と、共通の目的を持つ個体の集合体である投資事業組合・単なるファンド、という形態とは、同じファンドという名前が付いている、もしくは運用手法が近似しているというだけの全く別物であると考えています。

このあたりの混同が、今のマスコミだけでなく金融行政にも万延しているような気がしてしかたありません。
ファンドという言葉を一旦整理してみた方がよいのではないかと思うのです。

(2006.07.25)


相場下手

最近、隣の席で社長が毎朝つぶやきます。
「今の株の人間って相場下手だなぁ」
「上げてはいけない日に買うから、倍下がる」云々。

企業業績の数字と睨めっこをして、個別銘柄を精査しているファンドマネージャーやアナリストの方々からは、怒られそうですですが、正直私も同感です。

相場にはリズムがあります。悪いリズムは切らなければならないのですがそれを切るのにもタイミングが重要です。市場が特定のプロだけで形成されていた頃は、そういった流れを作ることも比較的容易だったのですが、今の参加者はこれまでの相場のプロが想定しないような買い方や売り方をします。それが結果的にはセンチメントで過大に振れる不安定な相場を作る要因になっています。

素人相場に翻弄されるプロの投資家という構図は、上げ相場でも下げ相場でも、空しいことには変わりありません。

(2006.07.24)


自動車業界は不況です

GMの再編やフォードの赤字など、米国の自動車業界の話題に目を奪われがちですが、日本でも上期の新車販売台数は23年ぶりの200万台割れと、記録的な不振となっています。

それでも、最高決算、最高ボーナスとなっているのは、ひとえに米国のBIG3のシェアを食べたから。
2000年以降の米国での自動車販売台数を見てみると、GMなどのBIG3の販売台数は一貫して下降し、それと正反対に日本と韓国車の販売台数が一貫して上昇しています。ちなみに欧州車は変動なく一定です。
気をつけなければいけないのは、総計ではほぼヨコバイであり、この好景気に沸いた米国経済において全く増加していないということです。
自動車産業が典型的な成熟産業であり、成長業種ではないということが、よくわかります。

グローバルな金融機関を見ても判るように、成熟産業においてのマーケットリーダーは、全世界で5社もあれば充分なのかもしれません。そういった意味からすると、ルノー・日産・GM連合というのが俄然真実味を帯びて聞こえてくるように思うのです。

(2006.07.21)


厄介なインフレ懸念

米国の物価は上がっています。FRBの想定している来年度のCPI水準も2% -2.5%と今年度よりは落ち着くものの、当初予想を切りあげてきています。原因は原油です。
それでも、継続的な利上げに言及しないのは、これまでの17回に及ぶ利上げで、住宅などの経済活動そのものは、巡航速度に落ちてきているからです。

見方を変えるなら、住宅などの資産インフレが原因のインフレ懸念の退治は無事終わっりつつあるものの、原油価格高騰による別のインフレについての懸念が新たに浮上してしまっているということです。

油田の真上をミサイルが飛び交っている中、FRBができることには限界があります。

景気サイクルと無関係に発生するインフレほど、厄介なものはないのです。

(2006.07.20)


くだらないったら…

『日本航空と全日本空輸の両グループは18日、10月1~5日の5日間に限って国内線の運賃を大幅に割り引き、大人片道7700円とすると発表した。日航は今月14日、今年10月に予定している国内線、国際線両子会社の統合を記念し(略)大人片道8000円とする「スペシャル・バーゲンフェア」を発表した。これに対し、全日空は18日、国内全線116区間を片道7700円とする「超割スペシャル」を発表。これを受け、日航も同日夜、さらに300円割り引き7700円にすると追加発表した。(読売新聞)』

この業界どこかおかしい。

以上

(2006.07.19)


利上げは買い?売り?

金利が上がるのは景気がよくなっている証拠だから、日銀の利上げは株式市場にとってプラスの材料である、という解説は正しいでしょうか?

少なくても日本についていえば、この解説は間違っていることの方が多い、というのが私の意見です。

日銀の政策変更は、景気ではなく物価の安定を主眼に行なわれてきているように見えます。これまでのゼロ金利政策と量的緩和は景気刺激策ではなく、デフレへの対応と金融システム不安の回避が目的であったと思われます。むしろ政府が行なう財政を利用した景気対策の副作用として起きるインフレ懸念を鎮圧することが、戦後の日銀の存在意義であったのではないでしょうか。

ということで、日本での利上げは株式の買い材料ではありません。

(2006.07.18)


フランス革命記念日

ラ・マルセイエーズというフランス国歌が、ひどく血なまぐさい歌詞であるということは、時々問題になります。
ピッカピッカの革命歌ですから、血も流れるし首も飛ぶというのは当時としてはいたし方のないことですが、それを彼らが今でも歌い続けるということの意味を考えてしまいます。

今の自由も、自分たちの政治も、国民のための政府も、全て自分達の手によって自ら勝取ったのだということを、決して忘れないという意思の表れなのでしょうか?
フランス人の頑固さというか融通のの効かなさの象徴みたいな気もしないではないのですが、それでも国は自分達のものであり自分達が作ってきたものであるという意識の高さについては少しうらやましくもあります。

国は自分達に奉仕してくれるものだと思い込んでいるどこかの国民とは大違いです。

(2006.07.14)


町長さんの超長期計画とその破綻

大正15年に100円で始めた郵便貯金が、80年後の現在で3535円になったそうです。
宮城県白石町の当時の町長さんが、当時の金利5.04%の利息がつけば204年後には、利息だけで町の年間予算がまかなえるはずだと思い立ち、始めた100円貯金です。204年後には町民税はゼロになると当時の町長さんは言っていたとのこと。

よい話です。
とはいうものの

現実には、5.04%の利息が付いていれば、現在5100円ぐらいに育っていなければならないはずの元本が3535円しかないとか、戦後の貨幣価値の切り替えにより当時10万円だった町の年間予算の桁が4つぐらい変わってしまったり、と目標の204年の半分も経過しないうちに、長期計画はすでに破綻してしまっています。

なんだか年金財政の話を読んでいるようで、少し悲しくなったのは私だけでしょうか。

(2006.07.13)


インドだけ?

インドで再びテロがありました。宗教的理由もある国ですが、この数年の急激な経済成長の中で、取り残された人々の鬱憤がこのような形で吐き出されているとするなら、これは決してインドだけの抱える問題ではありません。

むしろ、中国でこうした問題が表面化していないことの方が不気味に思えたりもします。
日本の格差など比にならないほど深刻な地域の歪みを抱えているはずの中国において、内陸部の騒乱が時々聞こえてくる以外は極めて安定した世情に見えているのは、はたして真実なのか、報道されないだけなのか。

大きなガス抜きになりそうな、北京オリンピックまであと2年。深く潜行する大きなマグマがそれまで持つのか、懸念を感じます。

(2006.07.12)


意見というもの

この「思いつき」を書き始めたのが2003年6月。既に3年以上が経過しました。社内で私が唯一褒められている作業です。

毎日書くのなら、ブログにすればいいのに、とアドバイスされることも多いのですが、実は私はブログがあまり好きではありません。
ブログの匿名性が嫌いなのです。
私自身は本名で書いても、コメントが匿名で来る事は拒めないですし、トラックバックされた先も匿名であることを考えると、やはり気が進みません。

私は公平中立な意見など世の中に存在しないと思っています。私の意見は今の私の立場を反映した意見です。もっと具体的に言うならば、「年金制度の安定的な存続に貢献する資産運用業務の発展」を意図した意見です。
この前提を切り離して、文字だけが一人歩きすることは本意ではないというのと同時に、自分の立ち位置を示すことなく書かれた意見を信用することもしません。

3年が過ぎ、次は5年目を目指して、これからも今のスタイルでコツコツと「私」の「意見」を書き続けていきたいと思っています。

(2006.07.11)


海外PEファンドの今後

欧米のプライベートエクイティファンドが投資家から集めた資金について、投資先が見つけにくくなってきているとの指摘を耳にすることが増えてきました。
これまで、収益的には好調を維持してきただけに、新規資金を集めることには苦労がなさそうですが、1兆円規模の資金が簡単に集まるの見ると、やはり投資先に不安を持つ人が出てくるのも当然かもしれません。
ファイナンシャルタイムズに掲載されたある調査によると、PE専門会社の70%が現在の買収案件について破綻リスクが高まっていると指摘してしているとの結果もあります。

PEというものが上場株式とは異なり投資環境の悪化が実現するのに時間がかかるだけに、今後のファンド動向には注意が必要です。

(2006.07.10)


セミナーお礼とFoFs

昨日、恒例の資産運用セミナーを無事開催させていただきました。
ご多忙の中ご出席いただきました皆様、ありがとうございました。

今回のトピックスは、「ファンドオブファンズ」の構造と利用方法について解説です。
トピックス資料は当HPの資料集のページに掲載しますので、どうぞご覧ください。

ファンドオブファンズの収益率と、株式など伝統的資産の収益率との相関が高くなってきていることは、最近よく指摘されることですが、当社でデータを取得しているファンドオブファンズについていえば、ファンドオブファンズ同士の相関の上昇が最近顕著に見られます。
資産残高が1兆円を超えるファンドオブファンズも出てくるなど、ファンドオブファンズ業界が巨大化する中で、差別化をすることが段々難しくなってきているのかもしれません。

差別化できなくなっているゲートキーパーに払う手数料としては、今の報酬率は割高なのではないかと思っているのですが…

(2006.07.07)


戦意喪失

判らないことが多すぎるときは、無理に動かず休んでいた方がよいものです。

北朝鮮情勢が金融市場にどれほどの影響を与えるのかを考えていても、彼らの行動が読めない以上意味がありません。
特にパニックになるような材料ではないにせよ、株価と無関係だと言い切るだけの根拠もないのです。

どの市場も6月半ばまでの急落から一旦落ち着きを取り戻してきていた矢先です。特に日本関連では各ファンドともかなりのダメージを受けています。その傷が癒えない中でのミサイル攻撃は、当面の戦意を喪失させるには充分な材料です。

8月の夏休み入りを前にして、日本市場からは一旦撤退というのが、ファンド運用者にとっては素直な反応なのかもしれません。

(2006.07.06)


織り込み済み・織り込みまえ

判っていたこと。
北朝鮮がミサイルの発射実験をするであろうこと。
驚いたこと。
6発も撃ってきたこと。
悲しかったこと。
日本では3発しか認識されていなかったこと。

既に織り込んでいること。
来週、日銀がゼロ金利を解除すること。
驚くこと。
その時、一緒に公定歩合を上げること。
悲しいシナリオ。
株安と円高が同時進行すること。

(2006.07.05)


今日の話題はナカタ一色

個人的な趣味趣向として、「プロフェッショナル」とか「職人」とかいう言葉の響きが好きです。

子供の頃は、スーパーのレジ打ちのお姉さんの手際の良さにあこがれて、おもちゃのレジスターが欲しくて仕方ありませんでした…

社会人になって以降、自分が何者であるのかは、自分が何のプロであるのか、ありたいのかと同義語です。

だから、かなり不器用ではあったものの、プロであるということの意味を表現し続けていた中田さんのことは、サッカーのことは良くわからなくても、好感を持って見てました。

お疲れ様。また次のフィールドでプロを目指してくださいね。

(2006.07.04)


いっそ、国有化でも

日本航空の大量増資騒動を見て、この会社は一旦国有化してしまった方がいいのではないかと思ってしまいました。

当面の増資で、目先の資金繰りはクリアできたとしても、基本的な財務や営業面の問題は、何一つ解決していないように見えます。

中途半端な日の丸フラグシップを掲げているから緊張感がなく、だからといってフラグシップだから倒産させることもできないのなら、銀行のように国有化して、強制的にリストラをするという道しかないような気がするのです。

命の次に大切な国民のお金を守るために、何兆円もの税金を銀行に投入することが可能であったのなら、命そのものを預かる航空会社へ税金を投入することも可能でしょう。

一刻も早く、安心して利用できる航空会社に生まれ変わるために、国の決断が必要な所まで来ていると思います。

(2006.07.03)

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