2006年12月の思いつき


ファンド元年と投資サービス業

今年はある意味、「ファンド元年」と呼ばれる年だったのかもしれません。
よい意味でも悪い意味でも、「ファンド」という金融の仕組みが実態経済に大きな影響を与えるようになりました。

一方で、ファンドが大きく二極化したのも今年の特徴です。

顧客資金を預かり手数料をもらう、という従来型の投資サービス業としてのファンドと、投資事業組合のように特定の目的をもった複数の主体による集団投資スキームとしてのファンドの両方が並存しています。同じ「ファンド」と表現しても、両者の持つ意味は全く異なります。

我々年金資金がお付き合いするファンドは、「投資サービス業としてのファンド」であることは言うまでもありません。

ファンド乱立時代においてとかく高収益ばかりに目がいきがちな環境ではありますが、「投資サービス」という言葉の原点に立ち返った資産運用ビジネスのありようを、資産運用会社・スポンサー・そして我々コンサルタント会社を含め、もう一度考え直す必要を実感しています。

今年も大変お世話になりました。
平成19年もよりスポンサーの方のお役に立つよう、サービス内容の充実に努めて参ります。
相変わらぬ、ご支援ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

(2006.12.28)


社内敬語

運用機関などに電話をした際、応答した方が社内に対して敬語を使う例が少なくありません。確率から見ると50%近いのではないでしょうか。

私が電話をする相手が、思わず敬語を使ってしまうほど怖い人ばかり、ということかもしれません。

こと、日本語の使い方、という意味だけであるなら、私も決してひとのことは言えないのですが、「社内に対する敬語」にはその会社の「内向き度」が反映されているようで、気になります。

外部ではなく、上司や社内にばかり気をとられて仕事をしているような会社だから、思わず社内に敬語を使ってしまうのかと、穿った見方をしてしまいそうです。

(2006.12.27)


観光立国?

大阪にいます。道頓堀の風物は、動くカニ、ではなく、動くカニの前で写真を撮る中国からの観光客、だそうです。

夜の道頓堀に大型バスが並んでいるのは不思議な風景です。

サービス価格が上がらず、円安が継続している日本は、格好の観光地になっているようです。

いつまでも伸びない個人消費はもうあきらめて、海外観光客の消費に期待を掛けるのも、一考かもしれません。

(2006.12.26)


メリークリスマス

東京タワーの近くに事務所があります。

ここ数年、東京タワーはイルミネーションに力を入れているようで、サッカーワールドカップの時はブルーに、東京オリンピック招致の時期は五輪カラーにと、装いを変えます。

この数日は、何故か下半分が真っ黒!どうやら星空を演出しているようなのですが、私にはゴジラに破壊された残骸のようにしか見えない…
趣味の問題でもあるのですが、なんとなくクリスマスが子供のモノではなくて、大人目線になっているようで、気になります。

子供は子供らしく、クリスマスはクリスマスらしく。
両方に縁のない私は、お仕事です。

(2006.12.25)


本日の怒

タクシーに乗った。
東京駅前のビルの名前を言ったらわからないと言われた。
では、東京駅丸ノ内口に行ってください、と言い直した。
千代田区近辺は詳しくないのでよくわからない、と言われた。
東京駅がわからなくても、タクシーを運転できるということを初めて知った。
よい世間勉強になった。
怒怒怒。

(2006.12.22)


懲りない人たち

日興コーディアルやミサワホールディングの株で明らかに「遊んでいる人達」と、今年前半ライブドアや関連銘柄で「遊んでいた人達」は、きっと同じなのでしょう…
懲りないですねぇ。
もちろん遊ばれる材料を提供する企業側が悪いのは自明のことです。

会計不信の連想で売られた円安、消費動向やデフレ動向へ自信が持てずり保留にされた利上げ、首相が未だ口にするデフレという言葉。
これに反応して買われている日本株は、少し間抜けに見えます。

年初からショート気味だったポジションが、年末にかけて買い戻されているのでしょうが、我が国の株式市場が個人からも外人からもなんだかオモチャにされているようで不満です。

(2006.12.21)


拙書

10月末に出した拙書が(詳細はTOPページの「書籍紹介」タブ)、おもいのほか、証券会社の方々に買っていただいているようです。

一般の方の辞書代わりと思って書いたのですが、プロの方に買っていただくのは少し面映いです。

拙書はともあれ、証券会社などの営業の方達が、証券やファンドの基本的な知識を再確認するのはよいことです。

最近は雑誌の特集などでも、ようやく投信やファンドなどのリスクや手数料についての解説が掲載されるようになりました。

金融商品の個人向け販売も、ようやく黎明期を迎えることができるのであれば、とてもうれしいことです。

(2006.12.20)


公開情報

エンロン・ワールドコム事件が起きた後、米国の株式市場に深刻な調整が起きたのは、単に有名企業が破綻したからではなく、上場企業の公開情報に対する信頼が失われたからです。

公開情報の信頼度が低下した市場では、株価だけでなく企業の債券発行や買収合併という資本行動にも、多大な影響がでてきます。エンロン・ワールドコム後の米国では、M&A案件が激減しました。

また、株式のマーケットニュートラルやクオンツアクティブのように、財務データをコンピューターで解析し、割高・割安を判断するような運用への悪影響も無視できないものです。

新興企業に留まらず、大手企業、それも証券会社に持ち上がった会計疑惑は、解決方法を間違えると、日本の株式市場全体の暗雲となりかねません。

(2006.12.19)


イケイケどんどん

年末です。
日本以外の投資家にとっては、年度末です。

今年のヘッジファンドは、鳴かず飛ばずの一年でした。
どの戦略もマイナスにはならなかったものの、収益は昨年並。
ドルベースの短期金利が平均で2%程度、今年の方が高いことを勘案すると、あまり自慢できる一年ではありません。

特に米国の株式市場が後半一本調子で上昇したことも、相対的にヘッジファンド収益が見劣りする原因でもあります。

そこで、12月にもなって、クリスマスを目前としているにもかかわらず、頑張ってしまうわけです。
動きの良さそうな市場があれば、とにかく一儲けしたい。
毎年の愚痴になりますが、こういった年度末相場は、3月決算の日本の投資家にとっては迷惑以外の何者でもなく、いい加減にしてほしい…。

本当に国際会計基準に合わせるのなら、3月決算を見直した方がよいと心底思う年末です。

(2006.12.18)


乖離

総合型と呼ばれる年金基金の役員会には、中小企業の経営者の方々が多数参加していらっしゃいます。
そういった場で、景況感のお話をさせていただくと、一様に景気回復の実感がないとの本当に強い声が聞こえてきます。

問題は企業景気にとどまらず、ボーナスが過去最高水準となっている大企業と、未だボーナスの支給すらできない中小企業との、待遇格差が、中小で働く社員のインセンティブを下げ、雇用の確保に多大な支障がでているとの声もあります。

大企業の収益が回復すれば、税収は増えます。大企業が回復すれば大型優良株に牽引されて株価も上昇しやすくなります。今の経済が個人消費ではなく、企業の設備投資に頼っているという現実を冷静に認めた結果、設備投資優遇の税制改革も答申されたのです。

国にしろ企業にしろまずは「器」の健全化が第一である、という理屈はわかります。ただ、器が豊かになればおのずと個々の構成要素も豊かになるはずだという言葉を素直に受けとめることのできない現実もあるのです。

(2006.12.15)


企業体質

本当に、三菱自動車関連の事象には、「企業体質」という言葉がよく似合います。

昨日のリコール判決後の旧経営幹部のコメントを見て、「この会社ダメだ」と思った人は沢山いることでしょう。

現場が信頼回復に向け、必死に(多分…)種を蒔き直している上から、枯葉剤をまいてるみたいな感じですよね。

いくらリストラして、製品の質を上げて、ボトムアップでの企業環境が好転したようにみえても、この会社の株を買う気にはなりません。

(2006.12.14)


人を見たら…

詐欺行為について、詐欺をする側が悪いのは、当然です。
詐欺にあう方にも非があるというつもりはありません。

ただ、事、不動産や投資関連の詐欺については、ほんの少しの注意と知識で、防ぐことができるという意味で、とても残念に思います。

現金を誰かに渡す時は、常に性悪説で物事を判断すべきです。
免許を持った金融機関や投資顧問や投資信託に直接預け入れる場合を除けば、所有権の移転など現物取引が確認できるまでは現金を渡すべきではありません。
手付金名目のお金は、いわば騙されてもよい捨て金だと割り切れる範囲でしか払うべきではありません。
基本的には、モノの受渡し、もしくは法的な裏付けのない現金授受は、全て詐欺であるという可能性を否定してはいけないのです。

「人を見たら泥棒と思え」。悲しい例えですが、まとまったお金を動かす時はこのぐらいの心構えが必要です。

(2006.12.13)


来年は「しゅく」

「眺」めて、「跳」ねて、「転」じた金融市場。

さて、来年はどうなるのでしょう?

多くの人々が恐れた「壊」や「裂」は当面避けられたとみてよさそうです。米国の住宅バブルもヘッジファンドバブルも資源株バブルも、破裂することなく、空気が抜けてきています。

来年は、少し萎(しぼ)んだ経済になりそうです。

来年は「縮?粛?淑?」
広げすぎた風呂敷を節度を持ってたたむ一年。
少し経済は縮むかもしれませんが、息の長い上昇のためにはしかたないことなのではないでしょうか。

(2006.12.12)


里帰り

人間ドックに行ってきます。生まれて来初めての病院での泊りです。生まれたのと同じ病院なので、40数年ぶりの里帰り?です。

少し心配になってきた、頭の検査もしてきます。

(2006.12.11)


マイナスの個人消費

個人消費が悪くて困るのは、景気の裾野が広がらないからです。

特定の業種や地域の好況が、他の分野に波及するには、個人消費という媒介が必要です。

景気が特定の分野に集中している限りでは、設備投資や半導体に代表されるように、循環サイクルの影響を受けやすいのです。

米国経済が、景気サイクルの影響をほとんど感じさせることなく、高成長を続けているのは、ひとえに裾野の広い個人消費が業種や地域を横断して貢献しているからに他なりません。

先ほど発表された日本の7-9月GDP確報値において、個人消費部分がマイナス0.9%であったことの持つ意味は決して小さくはありません。

(2006.12.08)


投資から投機へ

国内株式の業種別当落率を分析すると、昨年の後半に急拡大した業種間の乖離が、急激に縮小してきていることがわかります。

これは、銘柄や業種を個別に選択して売買を行うボトムアップ型の投資家が減少し、TOPIXや日経平均などの指数を、先物などを利用してパッケージで売買をする投資家が増えてきていることを表しています。

個別銘柄での中長期投資とは異なり、先物利用の指数売買はどうしても回転率が高くなる傾向があります。買って上がれば売り、売って下がれば買い戻す、という短期売買が主流になるからです。

日本株式が投資対象から投機対象にシフトしつつあることを懸念する必要がありそうです。

(2006.12.07)


品格

今年のベストセラーは『国家の品格』だそうです。

ところで国会議員の品格をあげるには、どうしたらいいのでしょう?

郵政反対議員の復党では、やくざが使うような単語が飛びかい、無断欠席、居眠り、携帯はやめましょう、と中学生並の訓話がでるような集団に、我々の政治は委ねられているわけです。
国民が選んだ議員ですから、国民の品格を映しているだけと言われれば、それまでですが。

(2006.12.06)


欧州債券と株式

英国の保険会社や欧州の年金が負債マッチングを意識して債券投資を増やし、バーゼルⅡと呼ばれる自己資本規制の強化によって銀行もまた国債投資を増やす傾向にあります。

その結果、主要国の長期金利はいつまでも低位に安定し、リセッションのようなイールドカーブになっていると指摘する声もあります。

低い債券利回りと比較するため、当然欧州の株式市場は益利回りでも配当利回りでも割安に見えます。
但し、この割安さは現在の英欧の長期国債利回りが適正であるということが前提となってのものです。

欧州株式が割安だといわれながらも冴えない動きをしている背景には、3年前の日本の代行返上相場のような株式売りの債券買いという需給圧力に加え、現状の金利水準を信用しきれない投資家心理も働いているのかもしれません。

(2006.12.05)


円のアンカー論

金曜日の日経新聞「経済教室」に掲載されていた、「円キャリートレードによる円安自己増殖」は興味深い記事でした。

日本と海外との固定化された金利差が、円安バブルを創出しており、将来的に金融システムリスクが高まる原因となる、というものです。
それを回避するには、日本銀行が金利の先高感を演出する必要があると書かれています。

円安バブルが破綻し、急激な円高になる怖さより、低金利の円の自己増殖に世界の金融システムが依存しすぎることの方が怖いと、私は思います。
今は好調な各国の株式市場が不安定化した時、日本は国内要因だけで金利政策を決定することができなくなる危険があるからです。

日本の低金利こそが世界経済を救う、といったアンカー論に巻き込まれることは、日本経済にとって大変不幸なことです。

(2006.12.04)


本日は

設立記念日のため休業です。

(by 留守番部隊)

(2006.12.01)

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