2007年05月の思いつき


ニューヨーク日記(2)

金融の中心が、ニューヨークからロンドンに戻ったと指摘する人は少なくありません。
ニューヨークがアメリカの経済の中心であることは間違いないのですが、世界の中心ではなくなりつつあるようです。
あまりにも、国内景気の好調さが持続していること、政治が内向きであることなどが、ニューヨークの発展を阻害しているのかもしれません。
日本もそろそろアメリカから欧州へ視点を変えたほうがよいのではないかと感じます。

(2007.05.30)


ニューヨーク日記(1)

連休ということもありマンハッタンには、沢山の観光客がいます。以前は日本人であふれていたホテルのロビーは今はアメリカ国内からとみられる観光客で一杯です。
ブランドショップを占領することも、ビルを買い占めることもなく、目立たず従順な来訪者となった日本人に対し、ニューヨークの人々はやさしくなったように感じます。
今の日本が米国にとってすでに脅威ではないという事実をやや寂しく受けとめるこの二日です。

(2007.05.29)


海外出張

明日から、6月4日までニューヨーク周辺のヘッジファンド巡りをしてきます。
しばらく、思いつきも不定期、時差更新となりますので御了承ください。

(2007.05.25)


団塊世代の反乱と円安

私の知る限り、団塊の世代は、国というものをあまり信用していません。

その団塊世代が受け取る退職金が、じわじわと国外へ流出している、ように見えます。

これまでの日本の外貨投資は、短期的なあやをとるタイプが大半で、数カ月や数年でほとんどが国内に還流してきました。こうしたブーメラン投資が何があっても売られない円を支えてきたのです。

国というものへの信頼感が希薄な団塊世代の反乱が、円の根底を揺るがせている、というのは言い過ぎでしょうか?

(2007.05.24)


日産と日本経済

日産自動車の株式を見ていると、この5年の日本経済の縮図のように思えます。

リバイバルプランに代表されるリストラクチャリングが評価され株価が急騰したのが2003年。外資を受入れ、人事体制を一新し、系列を見直し、借金を減らす。まさに当時のリストラ相場のモデルケースだったのが日産です。

その後、結局ヒット商品を出すことができず、国内は低迷。唯一米国の好景気に支えられて業績を維持しているのが現状です。
当然株価は一進一退。最近の配当株のトレンドには乗れている、という感じでしょうか。

「リストラ後の成長戦略が見えない」というアナリストの苦言は、そのまま今の日本経済に当てはまるような気がしています。

(2007.05.23)


無口が苦手

ものすごく機嫌が悪いと私は無口になるらしい。と昨日気付いた。

無口が苦手な私は、今日すこし胃が痛い…

(2007.05.22)


情報ベンダー

あるヘッジファンドの資本下に入った、新興のヘッジファンドのマネージャーと話していて、「傘下に入った最大のメリットは情報ベンダーの費用が浮いたこと」というのには、苦笑しました。

本当にインデックスや市場価格を取得するための、情報ベンダーの費用というのは高いものなのです。

もちろん、インデックス会社にせよ、情報ベンダー会社にせよ、ハードソフト両面でのコストが小さくないことはわかりますが、どうも業界内での価格競争が機能していないようにも感じます。

運用ベンチマークを特定のインデックスに固執したり、時価の取得に特定のベンダー端末を指定したりという、最終投資家サイドの硬直性もまた、こうしたベンダー費用を高止りさせている一因です。

運用会社が負担するベンダー費用は結局は、スポンサーへの報酬として跳ね返ります。業界内での非効率性を生んでいるのは、もしかすると自分達自身ではないかという視点を持って、周囲をよく見回して見なければいけないと思っています。

(2007.05.21)


逆相関が効かない

債券にしろ株式にしろ、単独でのリスク(ボラティリティ)には変化がない、むしろ低下しているにもかかわらず、ポートフォリオ全体でみた標準偏差がジワジワと切り上がる傾向がでています。

これは、各国の債券や株式など市場間の相関が、ほとんど全てプラスになり分散投資効果が低減していることが原因です。

2005年度の国内債券の▲1.40%以外は、この3年、四資産全てがプラス収益であったことからもわかるように、多少の調整を挟みながらも基本的にはあらゆる市場がこの3年上昇を続けているということです。

理屈ではなく、単純に気持ちが悪いというか、居心地が悪い、と感じませんか?こうした心地悪さを、数字で表してくれるのが、標準偏差や、VaRなどの統計数値です。

慎重に慎重に、と勘と数字が言っています。

(2007.05.18)


無党派層って

参議議員選、タレントでもアナウンサーでもサッカー選手でも誰を擁立しても構わないのですが、その理由が「無党派層」の取り込み、というのはいかがなものかと。

今の無党派層というのは、政治に興味がないから明確な支持政党を持たない、誰に入れたらよいか判らないから有名人にいれる、という「パッシブな無党派」ではなくて、どの政党も納得できないから無党派という「アクティブな無党派」が増えているのではないかと思うのです。ある意味、今の既成政党への棄権票です。

政党が著名人に走れば走るほど、「アクティブな無党派」はかえって頑なになっていくような気がしています。

(2007.05.17)


個人の方へ

ある記者の方から、個人がインターネット経由などで海外のヘッジファンドを直接購入することについての、コメントを求められました。

「ダメ」と答えました。

別にヘッジファンドでなくても、不動産ファンドでも株式ファンドでも皆同じですが、インターネット上の情報が正しいという保証はどこにもありません。きれいでもっともらしい画面など、数百万も出せば簡単に作ることができます。その会社が本当にあるかどうか、そのHPの内容が真実かどうか、画面で確認することはできません。あたりまえのことです。

取材記事に引用されている私の言葉を正しく言い直すと、
「ヘッジファンドには詐欺が多い」のではなく、「ヘッジファンドを騙った詐欺は多い」のです。そして年間2ケタの利回りを上げるヘッジファンドがある一方で、アマランスのように突然死するファンドもあるのが、ヘッジファンドというものです。

個人が気軽に、情報を集められるような世界ではないということを、くれぐれも認識しておいてください。

(2007.05.16)


上がらない上がらないと言い過ぎです

日本株が出遅れている、日本株だけが何故上がらない、という表現をあちらこちらで耳にします。

本当に、日本株は上がっていないのでしょうか?

2003年から累積上昇率はトピックスで99%と、米国のS&P500の61%をはるかに上回っています。日本の金融危機からの脱却というイベントを考慮したとしても、十分なほどの格差があります。
もちろん欧州の躍進ぶりは目を見張るものがありますが、病み上がりの日本としては、充分健闘しているともいえます。

マスコミや専門家が、欧米並みに上がらないのは不思議だと、連呼すればするほど、必要以上に日本株のセンチメントを悪化させることになるのです。

過度な期待を持たず、すこし落ち着いて投資環境を見直してみてはいかがでしょう。


(2007.05.15)

読者に感謝

会社の定期健康診断に行ってきました。

胃カメラを飲んでみたら、あまりにもピカピカで、過去に炎症を起した形跡もないことから、今度は2年後でいいと言われました。

会社に戻って社長に報告すると、「本当に仕事してないんだなぁ」と言われました。

単に私の場合は、①仕事をするのと、②ストレスが溜まるのと、③胃炎になるのとは、関連付けられていないだけで、③がないから①がないというわけではない、と思う…

きっと、毎日このコラムで愚痴を言っているので、お腹にストレスが溜まらなかったのだと、コラムの読者の方々に感謝することにしましょう。

(2007.05.14)


商品とインフレ

昨年の日本の消費者物価は、携帯電話のディスカウントに振らされました。
今年は、マヨネーズに反応しています。

代替エネルギー需要で、砂糖やトウモロコシなど食品原料の高騰が話題になったのは、もう1年以上前の話です。

鋼材や原油などもそうですが原材料高が価格に転嫁されるのに1年以上のタイムラグがあるため、実際に価格上昇が始まったころには原材料の上昇は峠を越えています。今回のマヨネーズ騒動も原因となるトウモロコシの値段はピークから既に20%近く下落しています。マヨネーズを含め、一般消費財の価格動向は、原材料動向より価格転嫁に耐えられるか否かという景況感の判断によるところが大きいように見えます。

原材料の価格動向に投資する商品市場投資が、インフレヘッジとして機能するのか、やはり疑問が残ります。

(2007.05.11)


PL法の功罪

シュレッダーに指を引き込まれる、踏み台に挟む、電源の入った温熱器を床に置く。

全て機械が悪い、メーカーが悪いで済ませてしまって良いのかと、やや疑問に思います。

危ないものをできるだけ危なくないように工夫するのは、メーカーの役目です。でも危ないものは危ないのです。
危ないものを危ないという意識なしに、使ったり、放置したりするから、事故が起きる。

リスクがあるからリターンがある。
刃物でも、炎でも、そして金融商品でも、皆同じです。

(2007.05.10)


他人の資金

株式のファンドマネージャー、特に小型株を扱うマネージャーと話していると、時々無性に腹立たしくなることがあります。

視点が経営者や企業サイドに向っており、資金を預けているスポンサーを向いていないと感じることがあるからです。

企業や経営者への感情移入や、企業のビジネスモデルに対する思い込みが、全ていけないというつもりはないのですが、主観的になりすぎると判断を誤ります。

客観的な視点を忘れないためにも、運用しているのは「他人の資金」であるという自覚を待つことは重要なことです。

(2007.05.09)


本日の戒め

コンサルタントとして、おそらく私は口数が多すぎる。

たとえ、運用機関が伝えたいことがスポンサーに理解されていないとしても、それを私が代わりに解説してはいけない。
コンサルタントとしてすべきことは、伝わっていない、もしくは間違って伝わっている、ということを指摘するところまで。
それを修正するか否かは、運用機関の判断であり、力量である。

と、判ってはいても、口が勝手に動く私は、おそらく忍耐が足りない。

(2007.05.08)


ユビキタスなWii

連休中、任天堂のWiiを買いました。
自分用ではなく、親用です。

片手で操作ができ、テレビ画面を利用するので字が大きい。
操作はかなり直感的で、ほとんどがボタン一つで、ゲームもインターネットもメールもできます。
インターネットの活字を拡大しても、文字はボヤけずクリアなまま。
なによりも、親にパソコンを教える際もれなくついてくるバトルやイライラがほとんど発生しない!
ユビキタスという言葉を初めて実感した製品と出会いました。

とはいうものの、基本的なインターネットの接続やセットアップは高齢者が自力でというわけにもいかないのがやや難点ですが、それぐらいは身内がカバーという感じです。
久々に技術の進歩はすばらしいと思ったゴールデンウィークでありました。

(2007.05.07)


ドル安

最近海外のメディアが、ドル安を気にし始めています。
主要通貨バスケットでみたドル価格は、現在15年ぶりの安値圏にあります。
15年前の1992年の夏は、欧州で通貨統合が正式決定される中、深刻な住宅関連の不良債権問題を抱える米国は実質金利がマイナスとなるほどの利下げを行っていた最中でした。

金利差の方向性、通貨統合というイベント、マイナスの実質金利と、92年のドル安にはそれなりの理由を見出すことができます。

それに比べると、今のドル安には、これといった理由を見つけることができません。好調な経済や相対的な高金利にもかかわらず、ドルが最安値に近づいていることに、ある意味薄気味悪さを感じている人も増えています。

今の為替で本当に心配なのは、円のキャリートレードなどではなくドル価値の急落、はたまた急反発なのかもしれません。


(2007.05.02)

個別企業へのガイドライン

例えば、証券会社に法令違反があれば、年金資金を運用する投資顧問会社は、発注を停止します。
投資顧問会社や信託銀行に法令違反があれば、年金資金は新規委託の停止や解約を検討します。

これは、経済的理由によるものではなく、年金や共済という他人勘定における社会的責任の重要性を意識した行動です。

にもかかわらず、個別企業における法令違反について、年金資金は大変おおらかです。法令違反や行政処分を受けた企業への投資スタンスを事前に定めておかないから、上場廃止をめぐる混乱に巻き込まれたりするのです。

反社会勢力との関係が明らかにになった企業の上場廃止規定を設定したジャスダックではありませんが、個別企業への投資ガイドラインをもう一度見直した方がよいのではないかと感じています。

(2007.05.01)

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