2007年08月の思いつき


人間の度量

指しゃぶりの止らない赤ちゃんの指に保母さんが辛子を塗ったと大騒ぎになっているのを観て母が一言、「あなたにも塗ったけど…」。

「で、なにがいけないの?」という母の問いに対し、「他人の子に塗ったのがいけないのではないの。」と私。ああそうね、と母は素直に納得していました。

というか、新聞沙汰になるようなことでしたっけ???

「昔フランスの農家では畑仕事に連れて行った赤ちゃんを眠らせておくために、ミルクに葡萄酒を垂らしてくわえさせました」なんて話を今したら、フランスでもマスコミが騒ぐのだろうか?

なんだか、人間の度量がドンドン小さくなっているようで、かなしい。

(2007.08.31)


あれもこれも土俵際

夜寝る時に、明日の朝起きたとき何も起きていませんように、と願うのは、9.11テロ以来です。

それほど、今の金融市場は土俵際にいると思っているのですが、日本のマスコミの平和なこと。

朝青龍をモンゴルまで追っかけたり、政治家のスキャンダルを暴いたりよりも、今は他にしなければならないことがありそうなものだと、一人でブツブツ言っています。

土俵際です、土俵際!
緊張感が必要です。

(2007.08.30)


運用会社の上場

運用会社が上場するということは大変に難しいことです。

運用会社の利益は基本的には運用収益に依存する以上、パフォーマンスの悪化がそのまま株価の下落につながります。

逆にあるファンドを保有していてパフォーマンスが悪化する可能性が出た場合、そのファンドの運用会社の株式をショートするということも可能になるため、上場運用会社の株式の値動きは荒くなります。
株価が下がっているのを見て、不安になり投資家の解約が増えるという局面もあるかもしれません。

運用会社が上場する意味は、ファンドの設立者が上場利益を取るということと、ファンドの資金調達の幅を広げるということとが主な目的と見られています。

本来の投資家の利益への寄与がはっきりとしない運用会社の安易な上場には今後慎重になるべきだと思っています。

(2007.08.29)


金融市場の混乱と年金運用

年金問題に関してのマスコミや一般のブログなどを見ていると、唖然とするような誤解が未だ増殖中です。
制度の問題やお金の問題だけでなく、資産運用部門についての誤解もかなり大きいようです。今回の金融パニックで日本の年金制度も痛んだのではないかというお問い合わせが多いのでお答えしておきます。

代行返上後の企業年金については、公的年金とは完全に分離しています。代行部分を持っていない企業年金の運用リスクは企業本体の財務リスクであって、年金制度のリスクではありません。
代行部分を持っている年金基金については、その損失が一部公的年金とリンクする部分もありますが、この部分は1000近い団体に分散して運用されているので、個別の運用の失敗が制度全体に与える影響は非常に軽微です。

ちなみに海外の州立年金や公務員年金などでは、ヘッジファンやプライベートエクイティ投資に非常に積極的ですが、日本の公的年金については、この分野には非常に慎重で、幸か不幸か完全に乗り遅れています。

とうことで、日本の年金運用全体をみて、今回の金融市場の混乱で無傷とはいえませんが、世界規模でみれば傷は浅いほうだと思っています。

舛添新大臣には、悪い情報を隠さないのは当たり前のこととして、よい情報・正しい情報も臆すことなくきちんと伝えられるような厚労大臣になっていただきたいものです。

(2007.08.28)


カネはあるが信用がない

どこかの成金のような台詞ですが、「カネはあるが信用がない」のが今の金融市場です。

貴方にお金を貸さないのは、私にお金がないのではなくて、貴方や担保資産に信用がないからです。という台詞が世界中でささやかれています。

だから、FRBはFFを下げるのではなくて、公定歩合貸出しの担保として企業への信用であるCPや、担保資産への信用であるABCPを受け入れると言っているのです。民間に枯渇した信用を中央銀行が補填しています。

清水の舞台から飛び降りたFRBのおかげで、信用リスクの市場は最悪期の半分ほど値を戻しています。それでも通常の売買には程遠い環境は続いています。

信用補完という観点からみると、FRBができることはそろそろ限界かもしれません。
もう一回信用市場に大きなショックが来た時に備えて、今の反発局面はリスクを減らすよいタイミングかもしれません。

(2007.08.27)


日本は生き残れるか?

今後しばらくの金融市場について、一つだけはっきりしていることは、蛇口を捻ればお金がでてくるような環境が終わったということです。

人々のリスク許容度が低下したことでLBOの調達コストは上がり、CP市場が縮小したことで長期投資資金を低利の短期調達で転がすという技も使えなくなります。

結果として、限られた投資資金を、より期待リターンが高く効率的な市場に、重点配分しようという人が増えてくるでしょう。

投資家の選択眼が厳しくなっていく中で、魅力的な市場やファンドには資金が戻るものの、魅力の乏しい市場やファンドは淘汰されることになりそうです。

さて、日本市場は世界の投資家の眼にどのように映っているのでしょうか?

(2007.08.24)


中銀の強気

海外の中銀の方々の発言は勇ましいです。

総額数十兆円相当の資金供給をしながら、利上げの可能性を否定しない欧州。
現在の緩和政策は、金融システムの安定化のために行っているものであって、リスクをとって損をした投資家を救おうとは思っていない、と言ってしまう米国。

一番オロオロしているのは震源から最も遠い日本の中銀のように見えるのがやや情けない、というのは横に置いておいて、この中銀の強気が、吉とでるか凶とでるか。

もしこの強気な発言の裏に、「現在の金融市場においてリスクをとってきた投資家の役割」への過少評価があるとすれば、それはやや危険な兆候なのではないかと感じています。

(2007.08.23)


捨てる・捨てる・捨てる

目先の仕事が終わり、次の仕事に移る前、山となった机の上を整理します。というのは嘘で、山となった紙束を捨てます。

私の場合、掃除はイコール「シュレッダー」です。

「大事なことは、世の中にどのような情報が存在して、それを誰が持っているかがわかることで、自分で持っている必要はない」というのが持論なのですが、これはきっと自分のファイリング能力のなさを正当化しているだけなのでしょう。

そして、ようやく露出した机の表面を見て、一人満足感に浸る昼下がり…

(2007.08.22)


統計期間のたりない格付け

証券化商品の格下げを巡り、格付け会社への風当たりが強くなってきました。

格付け会社は営利目的の株式会社であって公的機関ではなく、
単なる意見であって保証ではなく、
約束事の履行の確率を示唆するもので証券価格を示唆するものではない、
という基本を改めて思い出す必要がありそうです。

そもそも、格付けというものは、統計処理ができるだけの長い年月にわたるデフォルト実績が裏打ちされてこそ、存在意義があるもので、証券化商品のように、資産クラスそのものに歴史がないものについては、格付け作業そのものが試行錯誤になるのはある程度仕方がないことだとも思います。

もちろん、AAA格の大量格下げなど本来あってはならないことですが、格付けを利用する側の未熟さも反省すべきです。

(2007.08.21)


頓服

ファンドや投資家が損失を出している限りにおいては、全く動じる気配のなかった金融当局が、劇的な行動に出てきたということは、問題が「損失」から「金融システム」に移行したということを意味しています。

金融システムの問題は、ある意味「中央銀行」と「金融機関」という、当事者のはっきりとした問題である分、ピンポイントな政策発動が効果を発揮しやすい部分でもあります。

もちろん、ピンポイントな政策発動は、「頓服」のようなもので、何度も使えるものではなく、効果も長続きはしません。

今の所、解熱剤で熱は下がったものの、根本的な治療にはいたっていないのが現状です。

(2007.08.20)


メモ

一応、夏休み中です。

だから、メモだけ。

投げるなら買わない。
売りで儲けようとは思わない。
今下がっていない市場が安全だとは限らない。

結局、夜光虫のように、夕方になると出社する夏休み…

まぁ、沢山寝たからいいか。

(2007.08.17)


一応の予定

今週一杯夏休みをとりたいと思っております。

が、世の中物騒なので、もしかすると取り消しになるかもしれません。

なんとも気分の落ち着かない休み前です…

(2007.08.14)


なんたら資本主義

一時代前、株主資本主義という言葉が流行りました。
「株主が主役となる資本主義、株主利益が第一の資本主義」という意味ですが、米国の会計疑惑後の株式急落を境にあまり使われなくなりました。

そして今回、ファンド資本主義という言葉が流行りつつありました。株主資本主義と並列表記すると、「ファンドが主役となる資本主義、ファンド利益が第一の資本主義」となるのですが、言葉にしてみるとその異常さがよくわかります。

特定の利害関係者だけをターゲットとした企業経営が長続きしないことは自明のことです。株主もそしてファンドも、資本主義の構成要素の一つに過ぎません。ITバブルにおける業種にしろこうした構成要素にしろ、エンジンに偏りのある経済は長続きしないということです。

今回の金融市場の調整で、歪みかけた経済のバランスが多少正常化するのではないかと期待しています。

(2007.08.13)


身のたけ

金融市場はややパニック的な連鎖が起きつつあるようです。
自分達は巻き込まれただけです!この市場は関係ないです!という悲鳴があちらこちらから聞こえてきます。
これまでの上昇相場において、あれだけ連動性が高かったのですから、下げ過程だけは関係ないと言っても虚しいだけです。

どの資産、どの戦略なら大丈夫ということはないでしょう。いまさらジタバタしても始まりません。ファンドもそして投資家も嵐が通り過ぎるのをただひたすら待つしかなさそうです。

そして、自分達のこれまでのリスクのとり方が、身のたけにあったものだったのかをよく反省してみることです。

(2007.08.10)


視力が落ちた!

さすがに、国内外共夏休みモードに入ってきました。この暑い中株が上がったの下がったの言っているのは、よほどの物好きか、儲かっていないかのいずれかでしょう。

で、最近視力が落ちてきたような気がしたので、調べてもらったところ、「近視」だと言われました。「遠視」ではなく、「近視」です。別に威張るところではないのですが…

このところの乱高下が気に懸かり、携帯電話で株価と為替の値段を一日中確認していたのがいけなかったのでしょうか。
別に私が見たところで、値段が変わるわけでもなく、一日の値動きで資産配分を変更するわけでもないのですが、夜寝る前にチェックして、朝起きて一番にチェックして、という生活を送っています。よほどの物好きかもうかっていないか、いずれでしょう?

市場も少し落ち着いてきたようです。これ以上目が悪くならないうちに、安定して欲しいものです。

(2007.08.09)


なにか間違ってはいないか

非上場企業を中心とした景気調査である帝国データバンクの7月の景気DI指数が現状、先行、共に2005年の2月の水準まで悪化したそうです。原材料高の価格転嫁が進まない中、受注の伸び悩みが経営を圧迫しているのが原因とされています。

一方でマザーズなど新興市場も2005年1月来の安値を更新しています。

これを単なる偶然とみるか、必然とみるかによって、この数年の日本の政策に対する評価は大きく変わりそうです。

日本経済の方向性は、果たして正しいのでしょうか。よくなるための過渡期だという理解に間違いはないのでしょうか。

あがらない株価と消費マインドは、何かが間違っていると主張しているように思えてなりません。

(2007.08.08)


あっ忘れました

今週は、日本縦断中です。移動に気をとられて、思いつきを思いつくのを忘れていました。ごめんなさい。札幌にて(ちなみに明日は北陸にいます)。

(2007.08.07)


愚かな施政者

バイオ燃料用の穀物栽培を積極化する南米や東南アジア諸国の話を頻繁に耳にするようになりました。

昨今の新興国への投資ブームは、石炭や鉄などの資源価値にだけ注目したからではありません。市況リスクに晒される一次産品依存型の経済運営から、ようやく脱し、分散型の市場経済への移行が軌道にのりそうだと判断したからこそ、新興国株式にも債券にも投資家の資金が集まり始めていたのです。にもかかわらず、バイオ燃料という耳障りのよい謳い文句に躍らされて、彼らは再び市況型経済に逆戻りをしようとしているように見えます。

バイオ燃料というブームが、今後どれほど継続するのでしょうか?原油狂乱の終焉とともにブームが跡形もなく消えてしまうリスクを考えないのでしょうか。先進国の一時的な消費性向の余波を受けた経済危機を何度も何度も経験してきたにもかかわらず、何故今また同じことを繰りかえそうとするのでしょう。

施政者の愚かさと、一次産品国の現実に、悲しさを感じます。

(2007.08.06)


ヘッジファンドの嗅覚

今の金融市場について。
ヘッジファンド業界と話していると、市場の大きな節目を感じている人が多いようです。
通常の伝統的資産運用業界と話していると、市場の単なる調整と感じている人が多いようです。

ヘッジファンド業界での緊張感が一般の市場参加者の緊張感を上回っているように見えます。いつも強気のヘッジファンドにしては珍しいことです。

ヘッジファンド業界では身内に破綻が多発していることも一因でしょうが、弱気の原因はそれだけではなさそうです。

ヘッジファンドの嗅覚を馬鹿にしないほうがよいと思っています。

(2007.08.03)


怪しい均衡

株式市場の急落を、原油高が支えるという、怪しい均衡が生じているようです。

流動性の供給者としてのオイルマネーの存在が、実態なのか幻想なのかは定かではないものの、原油が上がっている限り投資マネーは増え続けるという安心感が市場にあるのは事実です。

一方で、日本ではガソリン価格が一日で9円上昇したというニュースも出ています。電力・ガスの値上げも発表されています。

クレジット市場発のクラッシュが避けられているという意味では、非常に心強い援軍ではあるのですが、喜んでばかりもいられないのも現実です。

(2007.08.02)


クレジット市場と在庫

7月世界的にクレジット市場は非常に大きく下落しました。

クレジットデリバティブの指数でみて、投資適格債で約1.5ポイント、ハイイイールドで約4.5ポイントの下落です。ハイイールドは6月月初から下落していますので通算では約10ポイントの下げとなりました。
通常は100近辺であまり動きがないバンクローンの指数も93近辺まで下落しています。住宅関連資産を担保にしていたAAA格のABSも5ポイント以上下落しています。

今のクレジット市場は、返品に追われた家電メーカーのようです。一つの商品で失った信頼が、全ての商品の返品につながり、そうなってみて初めて、自分達が商品と在庫と作りすぎていたという現実に直面しています。在庫を抱える体力のない会社、元々不良品を作っていた会社は、撤退を余儀なくされるでしょう。現金問屋のようにこれを勝機と買い漁る会社も出てきています。

商品が生鮮食料品ではなく、時間の経過で劣化しないのが、不幸中の幸いです。不良品が淘汰され、市場が正常化されるまでに数ヶ月は見ておいた方がよいかもしれません。

(2007.08.01)

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