2008年04月の思いつき


おこめで食べていくということ

東京暮らしで、地方の現状など何も判らないのに勝手なことを、と言われることを百も承知で。

「どうろじゃなくて、おこめをつくろう♪」

価格統制のための補助金ではなくて、米作りを産業として成り立たせるためのインフラ構築に税金を使えないものでしょうか。
個人農家ではなく、株式会社の社員として雇用を確保した形での専業農業者というのは無理なのでしょうか。
Made in Japan のお米の世界的な市場価値を国として真剣に調査しているのでしょうか。

東京暮らしの我々は生産活動においては全くの役立たずですが、消費者としては役に立ちます。食べるものに関しては、高くても国産が良いという人は確実に増えています。

「地方に道路が必要か?」という的を外した議論ではなく、「地方に雇用は必要だ!」というのが今の本質的なテーマのはずです。
道路や箱物建設で雇用を創出しなくても、農業だけで食べていかれる仕組みを作ることを、誰か真剣に考えませんか?

(2008.04.30)


国債市場

金曜日、日本の国債の先物市場が暴落しました。
2円の値幅制限に達し、サーキットブレーカーが発動され取引が中断されるという状況になっています。

これを世界的な信用リスク低減による金利感の修正、とか、株式市場への期待感からの株式の買い戻しに伴う先物売り、とかといった好材料と見るのは、あまりに楽観的すぎるように思います。

今ヘッジファンドを含め市場参加者は、超長期の投資家と、超短期の投資家とに二分されています。

超長期の冷静な投資行動がある一方で、脆弱な市場を叩くタイプの超短期な資金が大量に動いています。

日本の国債市場が、超長期の投資家が減りつつある中、超短期の投資家の格好の餌食になりつつあるように見えます。

債券市場にはしばらく注意が必要です。

(2008.04.28)


おばさんの視点

場…夕方の地下鉄車中
登場人物…ごくありきたりの男女。年齢は30前後

女…買ったばかりの口紅を取り出し、包装シールを剥き始める。男…黙ってみてる。

女…包装シールの断片を男の手に置く。男…黙って受取る。

女…剥し終わった包装シールを全て男の手に置く。男…黙って握り締める。

女…おもむろに鏡を手にし、口紅をひきながら男の方を向き微笑む。男…ゴミを握り締めたまま微笑み返す。

そして何事もなかったように、二人は談笑する。男はゴミを握り締めたまま。

これが異様な光景に見える私はきっとおばさん化が進んでいるのだろう。

(2008.04.25)


金融機関の人材

最近、運用機関と話していて面白くないと感じることが多いのは、金融商品取引法の影響があるのかもしれません。

日本の運用機関はただでさえ会社の方針以外のことはコメントしたがらない傾向があるのですが、それに拍車がかかっているように感じます。

自分の意見を表明する場がなければ、自分で考えることも、工夫して資料を作ることもしなくなるのは当然のことです。

新卒だけで千人単位の優秀な人材を囲い込むように、日本の金融機関には本来優秀な人材が沢山いるはずです。その人たちの芽を摘んでしまうような人の使い方をしているとするなら、日本にとっても本当に大きな損失といえるでしょう。

(2008.04.24)


サブプライムより商品市況

現在の世界経済の明暗は、サブプライム問題の決着如何というよりは、商品関連市場の価格高騰をどう沈静化させるかにかかってきたという印象を受けます。

単なる指数先物への過剰投資、というだけではなく、オーストラリアの旱魃、ドル安のヘッジとしての商品投資、など実需に近い部分での資金流入もあります。

各国の企業物価は確実に上昇基調を辿り利鞘が縮小しています。
個人は生活物価の上昇を懸念し、消費センチメントは悪化しています。
インフレに怯える欧州中銀は利下げを出来ず、金融機関に充分な資金を供給できないばかりか、更なるユーロ高が経済を疲弊させる懸念があります。

株高や不動産バブルは、一時的にせよ消費を始めとする実体経済を潤す効果がありました。今の商品市場の高騰はもはや百害あって一利なしの状況まできています。

商品取引所へ投資規制を求める動きもでてきていると伝えられています。今度の洞爺湖サミットで「食料価格高騰」が正式の議題として取り上げられることになったようです。

ある程度まで道筋を立てれば後は時間が解決してくれる金融危機とは異なり、商品価格の問題における時間の経過は状況を悪化させるだけです。一刻も早い政治的対応が求められていると思います。

(2008.04.23)


最近口数が減った…

前回の四半期報告の時期、今の金融環境下で自分なりに情報を集め理解して有意義な運用報告ができる運用機関や担当者にはきっと将来良いことがあるでしょう…と書きました。

逆説的に繰り返します。
今回の四半期報告でありきたりの数値報告しかできないのなら、金融という場に席を置く資格はありません。

追伸 私は怒ると無口になるらしい…

(2008.04.22)


改訂版の予定は未定…

2006年末に出した『ヘッジファンド運用入門』の改訂版の執筆を簡単に引き受けてみたものの、昨今の市場の激変のあおりで改訂や加筆の必要な項目があまりに多く、やや気持ちが萎えています。

1日一項♪3日で三項♪三歩進んで二歩下がる♪んっ!?
がんばりまぁす…

(2008.04.21)


3kの次

今言われている官製不況「3K」-建築基準法・貸金業法・金商法の改正。これが4Kになるリスクを携帯電話に感じています。

当初の3K にしても、規制の方向性が間違っているとは思いません。むしろ規制が遅すぎたことにより業界が膨らみきってしまったことで、軌道修正過程でのダメージが大きくなってしまったのです。構造的にはサブプライム問題と同じです。

4月から携帯電話の販売方法が変わり、これまで通話料のバックマージンで相殺されて判らなくなっていた電話機本体の値段が、明確に表示されるようになりました。消費者の実質負担は変わらないと言っても、これまで「ゼロ円表示」だったものがいきなり「5万円」となった時、若年層の多い消費者はどう反応するのでしょう?

また、福田首相の発言に見られるように、子供の携帯保有や利用について、規制をしようという流れが急激に出てきているようにも思えます。

もし4番目があるとしても、これまでの3kでの失敗を教訓に、4番目のkはソフトランディングしてくれることを期待しています。

(2008.04.18)


最悪の展開

今日のロイターのビジネスニュースの見出しの上から3つ。

商品市況上昇は経済に組み込まれ長期インフレ要因に。
FRB当局者、米経済は極めて軟調との見方示す。
バーゼル委、複雑な金融商品で銀行に自己資本積み増し要請へ。

暗くなるなという方が無理です。

年初の思いつきで、今年の理想的な展開は早い時期に新興国経済が鈍化し商品市況が下落することだと書きました。
アジアの株式だけは下がっているのですが、商品市況が醒める兆しが見えてきません。

各国とも実体経済面でのインフレの影響が出始めています。
スタグフレーションという最悪の展開にならないために、何かできることはないのでしょうか?

(2008.04.17)


国としてのビジネスモデル

今回の金融危機が、ドル売りに繋がっている一つの理由は、「金融サービス業」が、今の米国にとって最大の産業であるからです。

製造業から実質的に撤退し、世界の金融サービス業として生きる道を選んだ米国にとって、金融危機は単なる「ファイナンス」の問題ではなく、米国経済の基盤に関わる問題となります。

だからこそ、米国政府は米国の金融機関を守りきるだろう、という根拠のない確信のようなものが、金融機関関係者には根強くある一方、中長期のダイナミズムを重視する為替市場では、「米国金融立国」の衰退が材料視されやすくなるのです。

今更米国経済が製造業に回帰するとはとても思えないものの、国としてのビジネスモデルが問われているのは確かなようです。

(2008.04.16)


サブプライムな心

一時期テレビでは規制概念に歯向かうヒーローがもてはやされました。

次に公開お説教番組が人気となりました。

今はクイズ番組と「お馬鹿」が流行りのようです。

闘う他者に憧れ、極当たり前の常識を他者に諭され、他者の無知を確認して自ら安心する。

日本人の心はサブプライム並みに傷んでいるのでしょうか?

(2008.04.15)


G7覚え

なんだか複雑な表現をしていますが、今回のG7で確認されたことのうち、当面重要なこと。

①世界経済は短期的に悪化している。
②国際金融市場は混乱している
③国際金融市場の混乱の収束のため、金融機関は資本を増強せよ
④急激なドル安・ユーロ高を懸念している
⑤人民元の切り上げを望む
⑥主要金融機関は次回の中間決算までに残りの含み損を全て開示せよ
⑦金融機関の監視を強化する。格付け機関の監視を強化する

素直に読めば「次の中間決算までに膿をだしきれ。そのために必要な資本調達をせよ。その過程で生じた信用不安は短期の流動性供給で面倒をみる。信用不安がドル不安に連鎖しないような方策を講じる可能性がある」という感じでしょうか。

今回のG7での最大の結論は、次回の中間決算という時間を区切ったところにあるのかもしれません。

(2008.04.14)


してはいけない喧嘩

世の中には喧嘩をしてはいけない相手というものがいるものです。

自分が感情的になればなるほど滑稽に見え、論破しようとすればするほど空回りします。

そして喧嘩に勝っても負けても結局周囲を敵に回すことになります。

今の中国は喧嘩をする相手を完全に間違ったとしか言い様がありません。

振り上げた拳をどうやって降ろすのか、世界が「大人」の中国外交に期待しています。

(2008.04.11)


黄色信号

大きな材料が出ていても市場が反応しない時、その市場価格はバブルである可能性が高いものです。

『国際通貨基金(IMF)は7日開いた理事会で、保有する金のうち403.3トンを今後数年間で売却する方針を決めた。財政基盤の強化が狙いで、IMFによると売却額は約110億ドル(約1兆1000億円)にのぼる見通し。(日経)』

昨晩、金価格は上昇しています。
石油が上がったからつられて上がったのでしょうか?

信号機は黄色です。

(2008.04.10)


威嚇という負の連鎖

嫌な世の中になっています。

聖火を巡る暴力的な画図は、たとえ正等なデモであったとしても、気持ちのよいものではありません。

それを、一国の大統領が肯定するような発言をするのも嫌です。

威嚇が威嚇を呼ぶ、負の連鎖の構造を目の当たりにしているように思えます。

中国国内のデモであれば、情報統制も鎮圧も容易いことだったのでしょうが、自分の手の届かないところでの騒乱の拡大は中国政府にとっても予想外の展開だったのかもしれません。

そもそもの火種を作った中国そのものが、収集するべき問題で、それができないのなら国際的な祭典など主催すべきでないのは、言うまでもないことです。

(2008.04.09)


金融危機の次

米国の金融危機は3月にいったん峠を越えたようです。
金融機関の損失処理が終わったという意味ではなく、米国政府が金融システム維持のために税金を投入することを明らかにしたためです。

欧州や英国にしても方法論は別ですが、金融機関を救済するという意志が固いことが確認されたことも、安心感となっています。

そもそも金融危機などというものは、ゆっくり診断をして投薬するような類のものではなく、緊急手術による蘇生処置が求められます。
問題はその後の体力の回復であり、元の日常をこなせるようになるまでの期間です。

目下の注目は、金融危機そのものではなく、大手金融機関の多くが人口呼吸器に頼っている現状が、実体経済にどのような悪影響を与えるかに移っています。

金融危機の引き起こした深い下落と、これからの景気後退が招くであろう緩やかな下落との狭間に、株式市場の居所はあります。

それが今よりも低いところにあるのか高いところにあるのか、断定するのは未だ時期尚早かもしれません。

(2008.04.08)


我ままと向きあう

「ほーら、ガソリンが下がってよかったでしょう?」と演説する民主党も民主党なら、「暫定税率がなくなってあちらでもこちらでも道路工事が中断しています!」と他人事のように怒ってみせる自民党も自民党。

年金問題にしても、道路問題にしても、声が大きい割には、本質的な議論をせずに時間切れ引き分けに持ち込もうとするのは、政治家の常套手段。

ガソリンは安いほうがいい。でも道路は作ったほうがいい。
年金の管理は間違えるな。でも国民背番号的管理は嫌だ。
というのは国民のわがまま。

国民のわがままと正面から向き合える骨のある政治家はどこかにいないものでしょうか。

(2008.04.07)


航空業界

アリタリア航空の買収が、労務交渉などが支障となり暗礁に乗り上げています。解決できるのは祈祷師だけ、というコメントが出てしまうほど難航しているようです。

先日プライベートエクイティファンドが、「米国の航空会社の合併や再建には二度と手を出したくない」という話をしていました。
やはり、人事労務での調整が難しく、企業再生案件には向かないらしいです。

日本の航空業界でも、似たような話には事欠きません。

国を超えた業界パターンというのが存在するのでしょうか。
面白いものです。

(2008.04.04)


悪い円安

2006年の夏場以降、海外のヘッジファンドから、個人消費の伸びない日本株式市場には投資妙味がないと言われ、日本株からの資金流出が始まりました。

それ以降、日本株からの流出資金の一部は、日本の国債投資にシフトし、日本への資金流入は全体として継続していました。

今年3月、日本の債券市場からヘッジファンドが退散を始めました。市場の振幅が予想以上に大きくなっているなか、番人である日銀総裁のいないような国の債券など投資対象にできない、と言われました。

そしてこの二日間、円は何故か独歩安です。
水準の問題ではありません。方向性の問題です。

ヘッジファンドを含めた海外投資家から本気でNOと言われる前に、政治の混乱を収拾しないと、本当に大変なことになるような気がしています。

(2008.04.03)


迷惑メール

この数日、海外からの迷惑メールの数が1.5倍になりました。

思い当たるのは、米国の大手の新聞社か、ヘッジファンド系の大手のサイトとメールサービスを更新したぐらいのものです。

何れのサイトも、セキュリティープログラムへの登録が明示されていたにも関わらず、メールアドレスがハッキングされているとしか思えません。

当然のことながら社内でウィルス対策はしているので、実害はないのですが、迷惑メールを消す作業時間が増えていくのはとても不愉快です。

迷惑メールでの経済損失は年間7000億円以上という試算もでています。メールを消すのに一日10分、一ヶ月で220分、一年で44時間…。
やれやれ。

(2008.04.02)


散々から燦々へ

今日から当社にも新社会人が入社です。

インストラクター役が、「貴方は我々が誰も経験したことのないような金融危機の真っ只中に金融の世界にデビューしました。これはとても幸運なことです」と挨拶していました。

幸運かどうかは別ですが、今が歴史に残る激動期にあることは確かです。日々の変化に目と耳を澄まし、市場の上下を体で覚えるには、またとないチャンスです。

散々だった19年度を嘆いていても始まりません。反省すべきことは反省し、市場から学ぶべきことは学んで、次の一歩を踏み出すしかないのです。

平成20年度がそして全ての新社会人の未来が「燦々」としたものでありますように。

(2008.04.01)

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