2008年09月の思いつき


あーあ×10

今朝起きて、テレビを見て、あまりにビックリして、お風呂に入ってしまいました。

米国の金融安定化法案否決…
「必要充分」な法案ではない、とは皆思っていましたが、「必要な」法案だとは、皆思っていたはずで、いきなり梯子を外されるとは。

日本の拓銀への公的支援が議論された際、「金融機関を助けるのではない。地域経済・国民経済を助けるための税金投入なのだ」という議論が世論に浸透することの難しさを痛感したことを思い出します。

これまで、ウォールストリートとは無縁に生活してきた、大多数のアメリカ国民にとって、誰一人牢屋に入らず、経営者が破産もしていない中での税金投入は、やはり理解し難いものがあるのかもしれません。

「必要充分」な法案、つまり政府の資本注入まで進むためには、気が遠くなりそうな紆余曲折がありそうです。

(2008.09.30)


あーあ

ものごと、米国だけではいよいよ収まらなくなり、フォルティスは国有化され、ドイツの大手不動産銀行の行方も定まらず、英国は相変わらず。

日本はどこに飛び火するか?

無関係なわけがない。

(2008.09.29)


日本も大変

今見たくないもの、すぐに二束三文になってしまうアメリカの金融関連株と、日本の事業債。

今日、半導体関連銘柄で会社更生法が申請されました。
とうとう不動産関連以外に破綻が起きてきました。

日本の事業債市場のスプレッドは9月に入り「断崖絶壁」を形成し始めています。

特にやや格付けが劣る銘柄、証券化関連の銘柄については、市場機能が停止しているとしか思えないような、利回り上昇です。

おそらく、市場で売却しようとすれば、評価価格の半値以下を覚悟しなければいけない銘柄も沢山ありそうです。

9月末さえ越えられれば、少しは落ち着くのでしょうか?
内憂外患、目先のピークです。

(2008.09.26)


言ってしまった

バーナンキ議長の「破綻させるには大きすぎる企業が増加した」というコメントは、金融当局の責任者の発言としては、あまりに率直というか、身も蓋もない表現です。

歴代の国内外の金融政策責任者が「金融システムの安定のため」とかいう判ったような判らないような表現で蓋をしてきたパンドラの箱を、バーナンキさんは思いっきりよく全開してしまいました。

企業の自己責任を問うのであれば、破綻していてしかるべきであったものを、大きすぎる故に国が助けなければならかったし、そういう企業はまだ他にもある、と言っているわけです。

ベアに始まりAGIに至るまで、目先の資金繰りが付かなかったことによる偶発的な破綻ではなく、客観的に破綻する状況下にあったと言っているわけです。

まぁ、だからこそ救済対象になった企業の株式は1ドル2ドルを彷徨い、既存株主の利益は全くといって保全されなかったといえます。

ところで今この段階でゴールドマンやモルガンに投入する中途半端な金額の「資本金」ですが、私が三菱UFJの株主だったら納得するだろうか?

(2008.09.25)


「VIVE THE INVESTMENTBANK 」

1994年にリマーンが資本下にあったアメックスから分離独立し、リーマンブラザーズという社名を取り戻した時、当時のリーマンの経営者達は「事業法人に証券会社の経営はできないものだ」と声高に語っていました。

当時リーマンにいた私はその演説を聞きながら、何故か小学校の教科書で呼んだ『最後の授業』という小説の最後にある「VIVE LA FRANCE-フランス万歳」という一節を 思い出していました。ドイツの占領下に入ったフランスのアルザス地方の小学校で行われた最後のフランス語での授業の様子を描いたものです。

今回、米国の証券(インベストバンク)は、消滅したリーマン以外、全て商業銀行傘下となりました。事業法人に証券会社の経営が出来ないのと同じように、商銀銀行もまた証券会社の経営は得意ではないことは周知の事実です。

インベストメントバンクという米国の直接金融の担い手が、未来永劫消滅してしまったと見る人は少数派でしょう。
今は軒を借りても、5年後10年後には、再びインベストメントバンクという業種が復活することを、業界にいた皆が信じています。
「VIVE THE INVESTMENTBANK 」

(2008.09.24)


危機以上 恐慌未満

本当にひどい一週間でした。
「でした」、と過去形にしてよいのかどうかは、週末のブッシュ大統領による公的資金投入宣言を、「ようやくここまで来た」ととるか、「とうとうここまで来てしまった」ととるかによって、判断の分かれるところでしょう。

今回の公的資金投入を1930年代と比較するのであれば、それは金融危機ではなく、金融恐慌です。金融恐慌は各国経済を巻き込んだ世界恐慌となり世界大戦とつながりました。

80年代の米国や90年代の日本は金融危機、それもほぼ国内問題として処理できる次元の危機でした。

今の危機レベルは世界の金融市場に及んでいるという意味において「金融危機以上」、経済危機に及んでいないという意味において「金融恐慌未満」といえます。

金融危機が目先の峠を越えそうだという「ようやく」という思いと、金融恐慌までを連想させるところまで政策が踏み込んだ「とうとう」という思いとが、マーケットでは交錯していそうです。

先行きはまだ全く読めません。

(2008.09.22)


MMF閉鎖?

3月に為替が90円台になった際、ドル建てのMMFを買おうと目論見書を取り寄せましたが、金融機関名CPの組入れの多さに買うのを止めました。

そして昨日、米国の一部のMMFが元本割れを起したことを引金に、昨晩の米国市場ではMMFの取り付け騒ぎが起きてしまいました。

元本割れしていない大手MMFが閉鎖と清算を発表したり、MMFを運用する会社の株が暴落したりと、思いもかけない玉突きが発生しています。

格付け基準に適合した1ヶ月や3ヶ月といった短期の信用であっても投資家はリスクを許容しない、という今の世界の金融市場の現実が突きつけられた結果です。

恐ろしいことです。

(2008.09.19)


フリーズ

ヘッジファンド業界を見る限り、市場の震度ほど、今回は破壊されていないようにも見えます。
この1年の揺さぶりで、ポジションが振り落とされた結果、手元にはあまりリスクが残っていないのかもしれません。

それでも、多少は残っていたリスクは、この2日間で壊滅し、あとは誰も何もせず、現金を抱えて「死んだふり」のステージに入りそうです。

証券市場の血流の停止が、経済本体の心肺を停止させるまでの時間にはどのぐらいの余裕があるのでしょう?企業のキャッシュフローが比較的潤沢である点が唯一の救いです。

今は企業も投資家も動きを止めて、残り少なくなった体力を温存すべきです。現在「超」割安なものは、市場が正常化する時まで待っても割安でしょう。あせる必要など全くありません。

(2008.09.18)


空っぽ

例えそれが老獪な戦略であったとしても…
与謝野経済財政相が「総裁選より経済相としての仕事を優先する」と言ったことに、安堵感を覚えます。

一方、総裁選に出るので副大臣を辞任すると言った政治家は論外として、100年に一度の金融危機と言われている当日に、テラスに集まってランチだの、保育園でお遊戯だの、この国の政治家の緊張感の無さには悲しさを通り越して怒りすら感じます。

馬鹿じゃない???

政治が空白なのではなく、政治家の頭の中が空白なのではないだろか?

(2008.09.17)


インデックスショック

リーマンが算定していた、債券インデックスというものがあります。リーマンアグリゲートという名前で、日本の年金資金でも一部ベンチマークとしているものです。

債券インデックスというものは、株式インデックスのように上場価格から機械的に導き出すものではなく、組入れ銘柄一つ一つについて担当のトレーダーが値付けをして算出しています。インデックスの公表会社がなくなるということは、インデックスの値付業務が停止するということを意味しています。

現時点ではリーマン社は当面この値付け業務を継続すると発表していますが、実商いが伴わない会社が算出したインデックスに、そしてそのインデックスにトラックさせるファンド収益というものに、どのような意味があるのかという根本的な疑問に直面しています。

デリバティブでもリーマンインデックスは多用されている以上、インデックスそのものを他社に売却してでもインデックスの継続性は維持されるとみてよいでしょう。

但し、年金資金の参照ベンチマークとして、このインデックスを維持することが適当であるかどうかは、また別の問題です。

(2008.09.16)


取捨選択

限られた資金の中で、取捨選択が起きるのは仕方のないことです。

GSEであれば、債券は拾い、株は捨てました。

今回、ベアを拾い、リーマンを捨てたと見るのは、やや違うのではないかと思っています。

むしろ、商業銀行を拾い、証券(投資銀行)を捨てたように、私には見えます。

投資銀行の担ってきた「リスクの仲介業者としての役割」は、この数年で急激に「ファンド」に取って代わられようとしていました。プライムブローカーをいう業務を通してその上前を撥ねるのが投資銀行の役割になってしまっていたとするのなら、投資銀行などなくても実体経済は困りません。

ベアはプライムブローカーとしてファンドに悪影響を与える可能性があったから救済し、リーマンは時間の経過もありファンドへの被害が限定的をみられたから捨てられた、とみることもできます。

米国の金融市場は本当に本当に大きく変わろうとしています。過去に囚われ、捨てられるものにしがみつくことは命取りです。

(2008.09.15)


ファンドとブログと匿名性

インターネットブログと投資ファンドというのは、匿名性という意味においてよく似ています。

個人や会社の名前をさらしては言えないこと、できないことが、匿名という隠れ蓑があると、タガがはずれたように行動パターンが大胆になります。

日本では評判の悪いバイアウトファンドに投資しているかもしれない日本企業は、投資家名が公表される仕組みでも同じように投資したのでしょうか。

ブログにも匿名性の功罪が指摘されるようにファンドにも匿名性の功罪があります。しかしファンドがこれから社会の仕組みに影響を与えるほどの力を持ち続けるのであれば、資金の出し手もまた社会的な責任を負うべきだと思います。

ずいぶん前にもいいましたが、私はやはりブログは好きになれません。

(2008.09.12)


変革ではなく再生

日本を変えるとか変えないとか、そういう抽象的な議論はもうイイから。

そもそも日本は既に壊れてしまっているわけで、必要なのは壊れた日本の再生の工程とその先の出来上がり図なのではないでしょうか。

経済も政治も世界的な不安定化が増す中で、誰が悪いの組織が悪いのと言っている時間的な余裕はありません。

一刻も早く、散り散りバラバラになってしまった、日本の社会的資源を再構築して、有機的に動ける体制に持っていかなければ日本の崩壊は止らないでしょう。

今の日本に必要なのは、変革ではなく再生だと、私は思います。

(2008.09.11)


ふるい

経験したことのないような困難な市場環境の継続は、様々な参加者をふるいにかけます。
環境の悪い今見えている姿が実力です。

ファンドマネージャーも、リレーションシップマネージャーも、経営者も、そしてコンサルタントも…

組織としても、個人としても…

業界にとってはむしろ必要な淘汰なのかもしれません。

(2008.09.10)


健康の秋

健康診断に行っていますので本日の思いつきはお休みいたします。

(2008.09.09)


これはダメだ…

今の金融市場は、物凄く悪い話と、それを打ち消す救済話とが、パッケージで出てくる傾向があります。
簡単なところでは、金融機関の評価損の発表と新規資本注入はパッケージです。

6.1%という驚愕の米国失業率の後の、GSE救済発表、というのもある意味究極のパッケージです。

市場が壊れるのをギリギリのところで回避している綱渡りの結果なので仕方がないのですが、市場参加者としては一つ一つの材料が無視できないほど大きいために、とりあえず反応せざるを得ません。

結果として、売っても買っても損をするということになります。

特に、米国市場が閉まってからのビックイベントの発表は、見た目より流動性の低い日本を始めとするアジア市場で反応をせざるを得ないので、巻き込まれた日本市場などボロボロになります。

アクティブファンドもヘッジファンドもリスクを落とさざるを得ない状況が続いています。

(2008.09.08)


溶解

なんとも嫌な気分の朝です。
単に私のバイオリズムの問題なのか、市場全体のバイオリズムの問題か?

相場が急落したということだけでなく、あちらこちらの資産で、再び変な負け方をし始めました。

今読んでいる『市場リスク 暴落は必然か』という本に、「溶解の物理学」という表現があります。物質の温度が限界点を超えて上昇すると、原子ですら解けて、プラズマという無秩序に飛び回る固体差異のない物質の集合体になる、というものです。金融市場であれば、銘柄や資産という固体認識を消滅させ、リスクがあるかないか、の認識しか出来なくなる状況を表します。

これまでで充分温度も上昇し、耐熱防具も身につけているはずの金融市場ですが、まだ溶ける分子が残っているということでしょうか。

(2008.09.05)


アジアと日本とリーマン??

海外のマーケットを受けて、値段を飛ばしながら下値をつけた7月中旬や3月とは違い、今の日本の株式市場は日本時間で着実に下値を切り下げています。

今の相場の下落は日本の問題でもあり、アジアの問題でもあります。

アジアの新興国通貨の下落は止らず、株式市場の不安定化が増しています。

他人の国の証券会社を買っている場合か?と思っているのは私だけではないでしょう。

(2008.09.04)


下落相場とヘッジファンド

米国のヘッジファンド業界の方と話していて、このヘッジファンドのパフォーマンス悪化を受けても、米国の年金からの資金流入は増加している、という話を複数の方から聞きました。

ヘッジファンド戦略の多くは、金融市場が経済環境を伴って動く時は、それが下げ相場であろうと上げ相場であろうと、収益を上げる可能性があります。
逆に今回のように、金融危機やオイルショックのような、突発的なイベントには、幾らヘッジファンドといえども、収益を生み出すことは難しいです。

もし今、欧米の年金や財団が、株式や不動産などの長期保有型投資からヘッジファンド投資へ資産を移動させているとするならば、それは今後金融市場が経済の悪化を伴って下落するということを予想しているということになります。

景気後退局面が長引くと判断するからこそ、下値リスクを限定したヘッジファンド、という投資家心理が働いているのであるとするなら、世界の株式市場の需給は当面厳しいものになるかもしれません。

(2008.09.03)


首相退陣と9月危機

昨晩の9時半から10時にかけ、とりあえず、為替市場は50銭だけ、円安になりました。
一国の首相が唐突に退陣し、全く無反応というのも寂しいので、少しは反応してくれて良かったです?????

で、株価はというと、ほとんど全日比変わらずでのスタートとなりました。

海外ウケのよい麻生さんを囃して、もっと上がるかと思ったのですが、さすがにそれほど浮かれた経済情勢ではない、ということでしょう。総合経済対策が先延ばしになり、9月末の中小企業の資金繰りに間に合わない可能性がでてきました。

自民党のためには最善のタイミングだったかもしれませんが、金融面から見れば、かなり際どいタイミングです。

景況感に対する危機感にひどく温度差を感じて不安です。

(2008.09.02)


官僚のレベル

日本で官僚機構が力を持ち過ぎているといわれますが、例えば米国の知識人と呼ばれる人達の中で、政府の要職にある人達の占める地位はとても高いように思います。
別にそれが、局長クラス、とかではなく若い世代であっても、いわゆる官僚エリートのステイタスは高いです。

何故日本で官僚が力を持つことが非難されるのかというと、高い能力の官僚を使いこなせる政治家が少ないことと、能力がないのに権力だけを持つ官僚が多いからです。

この二つはコインの裏表で、処方箋を一歩間違うと、政治家の低いレベルに、官僚のレベルを合わせるような、国になってしまいそうな気がします。

行政担当者の能力が高い業界のほうが、業界改革や新たな展開が生まれやすいものだという意見も聞きます。

官僚レベルの維持と向上は、この金融業界にとっても大変重要な課題です。

(2008.09.01)

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