2009年07月の思いつき


まっとうにいきましょう

個人向けに個別株推奨を行うサイトを見たら、某消費者金融株を推奨していました。理由はなんと「成人18歳化で顧客層が拡大するから」。

個人投資家というのはこういう情報で売買するのか、と思ったらなんだかひどく空しくなってきました。

このところ、グリーンニューディール関連銘柄・民主党政策銘柄などと、テーマ性株式の買い煽りがマスコミなどでまたひどくなってきています。

こういう相場でババを引くのは、結局また個人なのでしょう。

今の局面、株式投資をしたければ流動性が一番です。

(2009.07.31)



中国のくしゃみ

金融危機回避後の株価の戻りが大方の予想より強かった理由の第一は、とにかく「中国」です。

中国での過剰流動性が世界の金融市場を底支えし、中国の景気回復期待が実体経済での需給ギャップを埋めてくれると、世界中が期待した数ヶ月でした。

そして今、中国のクシャミに世界が首をすくめる、という状況に到っています。

今のところ中国の主要銀行2行が「自主的に」「コンプライアンス上の観点から」貸し出し基準を厳格化する、と発表したに過ぎませんが、資源関連資産を中心にパニック的な売りを誘いました。

数ヶ月の差はあれ、今年後半のどこかで中国が金融引き締めに入ってくるのはほぼ確実だとみられています。そのころ世界経済に別のエンジンが見えていればセーフです。

なんだか最近影が薄いですが、オバマさんがんばれー!

(2009.07.30)



自助努力が足りない

海外のヘッジファンドマネージャーから、日本の投資家がヘッジファンドに対する「投機なイメージ」を未だに持ち続けている理由を聞かれ、テレビやマスコミの影響が大きいと答えたところ一言。

「それは判るけど、アメリカの投資家はテレビを見て投資判断をしたりはしないヨ」

ごもっとも。

運用機関や我々の自助努力が足りないということですね。
他人のせいにするのはやめましょう…(反省)

(2009.07.29)



一応読んでみたマニフェスト

民主党のマニフェスト。読んでみると面白いことが幾つか。

納税者番号の導入を明記しています。画期的なことです。本当に実現するならば…。あとになって皆で忘れたふりをするのはやめてください。

教員免許の取得を6年制(修士)にする…。弁護士には司法修士制度、医学薬学は元々6年と、世の中「先生」と呼ばれるからには6年ぐらいは勉強してもらわないと。などと思ったのかどうかは知りませんが、だったらそれに見合うだけのお給料を出すのですよね?

とはいっても、公約の多くが、小泉構造改革で削減された公共サービスの復活なので、あまり新鮮味はありません。

そういえば「金融」については、何一つ触れられていない。

(2009.07.28)



ヘッジファンドと資金フロー

本日発売の『週刊エコノミスト臨時増刊号-経済パニックは突然に』
に小論を掲載させていただきました。

テーマ的には今更、という感じもするのですが、昨年夏以降のヘッジファンドの損失要因を、グローバルな資金フローから検証した上で、今後のヘッジファンド業界の方向性について簡単に触れさせていただいています。

投資判断が正しかったか間違っていたか、ではなく、正しい(かもしれない)投資を継続することが不可能になるような資金フローに巻き込まれてしまったこと、更に遡るのであればそうした資金フローの種を自らばら撒いてきたことが、今回のヘッジファンド危機の本質でもあります。

この数ヶ月急激に収益を回復しつつあるヘッジファンド業界ですが、調子にのることなく地道に投資家の信頼を取り戻していって欲しいと思っています。

(2009.07.27)



セミナーお礼 頑張れアクティブ

昨日は、四半期前のお忙しい中、80名近いお客さまにご参加いただき無事セミナーを開催させていただくことができました。ありがとうございました。

個別資産をテーマにした後半では、主に国内株式のアクティブファンドに焦点を当て、国内株式市場独特の癖や最近の傾向を確認させていただきました。

日本市場だけではないと思いますが、やはりそれぞれの国や地域によって、同じ株式や債券であっても独特の傾向というものは存在します。実際のファンドマネージャーだけではなく、スポンサー側でもそういった市場特性を理解した上でないと、マネージャーストラクチャーを機能させることは難しいのが現実です。

アクティブファンドを上手く使いこなすには、そうした癖もまた超過収益の源泉の一つとみなした、「アクティブな運用機関管理」が必要であると思っています。

(2009.07.24)



メインストリート

本日は年に2回のスポンサー様向けセミナーの日です。

以前から書いているように今年の基本感は「メインストリート」です。

ということでセミナーの個別資産テーマも「アクティブ運用再考」と、思いっきり中心回帰します。

大きく痛んだ資産を回復させるには、細かい小手先ではなく、大元の資産の再構築が必要です。

では続きはまた明日…

(2009.07.23)



日食

東京は思いっきり曇り空で、日食は何事もなく終わってしまいました。

昔の人は、突然いなくなった太陽を見て、何を思い、何を祈ったのでしょうか。

この数日の天文ショーフィーバーを見ながら、超自然を楽しめる現代人の幸せと、超自然に恐れを抱かなくなった現代人の傲慢さとを感じています。

黒く欠けた太陽の画を全くきれいだと思えない私は、古代人なのでしょうか…

(2009.07.22)



金融業界というもの

『[ワシントン 20日 ロイター] オバマ米大統領は20日、ウォール街の銀行は米リセッション(景気後退)を悪化させた金融危機以降に十分な自責の念や変化を示していないと非難した。』

結局のところ、彼らは顧客商売をしているわけではないので、周りからどう見られようと関係ない、ということなのかと思っています。

それでも個人預金部門や一般的な法人融資部門を持っているような商業銀行ベースの会社は、それなりに社会的な評判を維持する必要があるのでしょうが、「市場調達・市場運用」というカルチャーに浸っている旧来のインベストメントバンクにおいて重要なことは、とにかく儲けて財務基盤を安定させ市場内での地位を上げること、に尽きるわけです。

であるのなら、そもそもこういう業態を国が助ける意義はどこにあったのか?という疑問に突き当たるわけで、こういう人達を助けなくても済むような金融システムの有り様、のようなものを探したくなるのは、当然のことでしょう。

金融業界が社会と今後どのように折り合っていくのか、業界自身真剣に考えていかないと、規制強化の方向性が加速していくように思えてならないのです。

(2009.07.21)



新興国の未来

株式市場が期待する新興国の成長とは何なのか、と時々疑問になることがあります。

人口が増えることはGDPの伸びにはつながります。
新興国企業がグローバル化することは、その国の成長を支えます。

ただそれはグローバルな世界経済全体としてのイノベーションには繋がっていかないような気がしているのです。

オランダからイギリスそしてアメリカへという覇権の移行には、船から鉄道そして自動車へと、はっきりとした産業構造の変化が伴っていました。

アメリカから日本への経済覇権の移行には、GEからマツシタに象徴されるような、機械技術の移転が伴っていました。

先進国が作り出した、過剰消費型の経済モデルに新興国経済が相乗りするというだけの成長なのであれば、新興国の未来はたかが知れています。

成熟化した経済の活力としての新興国に期待できるようになればよいと心から思います。

(2009.07.17)



壊れているのは何?

音を立てて壊れているのは、自民党かはたまた日本の政治そのものなのか。

90年代前半の非自民内閣が一瞬のことだと思っていたら、実は2年半も続いていたというのは、やや驚きでもあります。

その間の強烈なバラマキ政策は、日本の株式市場にミニバブルをもたらし、その後の自民政権での緊縮財政と深刻な景気後退の一因となりました。

今回万が一政権が交代するとしても、15年前の細川政権のような新鮮さや高揚感は既にありません。国民が泥仕合に巻き込まれるのはごめんです。

親はなくても子は育つ。政治がなくても国は育つのでしょうか?

壊れつつあるのは日本そのものだった、ということにだけはならないように、国民一人一人の自立が必要です。

(2009.07.16)



まさかね…×3

ゴールドマンサックスが史上最高益だったそうで。

よかったよかった。

その利益、もちろん米国の金融システムの再構築に使ってくれるのですよね?

多額の公的資金を湯水のように使っているAIGとか、ストレステストでアウトになった御同業を不良債権ごと買い取ってあげるとか…

どうせ銀行になったのだから、潰れそうな地方銀行を二・三個救済してあげるとか…

まさか、現在のリカバリーが全て自分達だけの力だなんて思ってないですよね??????
まさかね。まさかね。まさかね。

(2009.07.15)



大型ディフェンシブ銘柄

単純に株式市場からみて、もしキリンとサントリーが合併し単一の食品メーカーとして上場したとするなら、それは大変喜ばしいことです。

ここでも何度がふれているように、日本の株式市場の最大の欠点は、大型のディフェンシブ銘柄がないことにあります。
世界の株式市場で時価総額上位にランキングされるのは、自動車などの製造業と通信と銀行に限られているため、日本株は景気連動性の非常に高い市場であるとみなされがちです。

食品や医薬など、景気に左右されにくい業種でのグローバル企業の登場は、日本株式全体に対する外国人投資家の意識を変えさせる大きなきっかけとなるでしょう。

ある外国人マネージャーが先日いみじくも指摘していましたが、国内シェアを元に独禁法を適用するようなことを公取委がするようであれば、日本株式市場への海外の期待感は一層減退するでしょう。
この大型合併がソフトランディングすることを望んでいます。

(2009.07.14)



東京都あぁ東京都

高尾山に登ってきました。たかだか600Mぐらいの山ですが、自分の足で制覇するのはそれなりに達成感のあるものです。

と、東京都の自然を満喫している内に都議選が終ったわけですが。

一歩間違うと1000億円規模の損失となりそうな「新銀行東京」。
そして、シニア部分を含めデフォルトが確定したと報道されているCBO。

この二つの金融案件を承認した都議は、私の中ではクビ確定!

少なくとも世田谷区では民主党候補者の公約のTOPを「新銀行東京にNO」で揃えてきました。
ついでに、民主党は新人候補が多いので、この金融案件に関わった人が少ない。
自民党は何を間違ったか、都知事を応援に担ぎ、ついでに選対責任者は石原伸晃氏。

今回の都議選の結果は私の中では、ただそれだけの理由です。
麻生さんがどうしたこうしたはあまり関係ありません。

(2009.07.13)



わからない時は要注意

昨日の円高はいったい何だったのででょう?

これほど原因のわからない急転は珍しいです。

昨日の欧米市場では株式の落ち着きは取り戻したようですが、原油価格の下落も続いており、リスク資産からの逃避行動がどこかで集中的に起きているのかもしれません。

気持ちが悪いといえば、ようやくスタートが切られた米国の官民共同債権買取スキーム。スタート間近になりピムコやGSなど大きなプレーヤーが参加を辞退しています。政府のコミットメントもあり投資家にとってこれほど魅力的な投資案件はない、と言われていたはずですが、何か異変が起きているのでしょうか?

昨年までの経験からみても、理由のわからない市場変動やニュースが続いた時はその後大きなイベントが発生します。要注意です。

(2009.07.10)



観光立国のピンチ

札幌に行っていました。

幾つかの変調が…

アジア系観光客で賑わっていたホテルのロビーから、外国人が消えました。

飛行場で高級メロンが半額セールをしていました。

そして、あのキャラメルが山積にされていました。

まあ。キャラメルに関しては、一箱850円とか950円とかの金額は、ムードと勢いがなければなかなか手が出ない、とう部分もあるのでしょう。

羽田も札幌も海外観光客目当ての大規模国際線ターミナルの建設が急ピッチで進んでいます。このままグローバルな景気低迷が継続すると観光立国ニッポンのピンチです。

洞爺湖地域ではアジアへの観光誘致に市長が直接動くというニュースも流れていました。

こういう時こそ、観光庁が国として何ができるかを示してあげられないものかと思ったりします。

(2009.07.09)



スクラッパー登場

最近、日本の不動産への投資ファンドの話が増えてきました。

但しディストレストに近いものばかりです。今の値段ではなく、破綻したデベロッパや債権回収を急ぐ金融機関が二束三文で投げ売りしてきたものを叩いて拾うようなスキームです。

2000年初頭迄は日本でもよく見かけましたが、その後の市況回復で一旦退出した人達が戻ってきたというところです。

彼らが戻ってきたということは今後スクラップ案件が増えると彼らが考えていることを意味しています。

二三年前の外資系ファンドのように値段を吊り上げるような買い手ではありません。

もし彼らの意図するようなスクラップ案件が今後増加するとするなら、日本の金融不動産環境は二番底を覚悟する必要があります。

最後の買い手が出てきたと喜んでばかりはいられないようです。

(2009.07.08)



若者へのばら蒔き

自民党のマニフェストにある

「誰でも大学に行くことができるための奨学金制度」
… この発想おかしいです。大学は義務教育ですか?

別に奨学金制度を否定している訳ではありません。

ただ物事には一定のハードルがあるべきだと思うのです。


優秀な学生が経済的事由によりみすみす学業を放棄しなければならないようなこと、に対するセイフティネットであるのなら、現在の奨学金制度で十分なのではないでしょうか?

志しの高い若者に勉学の場を与えるのなら、民間企業が財団でも作って、志しをしっかり精査した上で、その若者に投資をすればよいと思うのです。

とっくに働くことのできる年齢に達した者達を経済的に社会が支援するには、支援されるに足るだけの能力か熱意か努力が必要です。


ばら蒔きの対象を若者まで拡大することは百害あって一利なしだと私には思えます。

(2009.07.07)



政権交代と海外投資家

「今度の衆議院選で政権交代が起きれば日本は変わるのか?」という質問を海外投資家からされたことがあります。

「変わらない」というのが私の答えでしたが、「変わるかもしれない」という期待感だけで海外投資家は日本株を買い戻すかもしれない、とその方は言っていました。

というわけで、静岡県知事選の結果に注目していたのですが、今のところ無反応です。

たかが知事選だからか。民主党に変わっても変化はないということがバレタか。日本の政治にはそもそももう興味はないか。日本の株式市場に興味がないか。もう既に買い戻しは終わってしまったか。

ここで麻生さんが電撃退陣とかしても、きっと何も反応しないのだろう、と思うにつれ寂しいかぎりです。

(2009.07.06)



あと半年…

ようやく市場のボラティリティが収まってきたかと思っていたのですが、やはり昨日の失業率のような数字には大きく反応します。

ほぼ二桁の失業率、日本でいえば5%を越すような失業率、というものが、未知の領域に近いからです。

生産活動と雇用統計との関係においては、生産活動が回復すれば雇用者数も自ずと増えるので、雇用統計は遅行指数であるという見方もあります。

一方、消費と雇用との関連をみると、失業してから生活が本当に苦しくなるまでの間に数ヶ月のラグがあるため、雇用統計は先行指数となります。

今年も既に半分が終わりました。11月に始まるクリスマス商戦までに雇用情勢に回復の兆しが見えてこないと、もう一度景気の底を付けにいくW字シナリオが現実化してしまいます。

日本も他人事ではありません。

(2009.07.03)



上出来です

言われる前に言っておきましょう。

公的年金(GPIF)の2008年度の運用収益がマイナス10%。評価損失10兆円。
といっても、これは市場運用部分と呼ばれているものですから、実際の収益率はマイナス7.57%となります。

あえて言います。上出来です。
国内株式が35%、外国株式は為替効果も入れて43%もの下落をした市場において、一桁マイナスで収まれば御の字です。
もし、これを他のSWFのような積極運用をしていたとするなら、昨年度のマイナスは軽く15%を越えていたでしょう。

100兆円という金額を運用していれば年間数兆円の上下が起きるのは当たり前です。運用が上手いとか下手とかいう以前の問題です。

私の意地悪な興味は、このマイナス幅をマスコミや政治家や国民がどう受け止めるか、にあります。

SWFのようにリスクを取った積極運用をすべきだと主張していた人々。プロを雇えばもっと儲かると主張していた人々。ここで主張を下げるぐらいなら、二度とそういうことは口にしないことです。

兆円単位の損も益もある、という事実を国民全体が受け止めることができるということが今回確認できたとすると、日本の公的年金運用の将来にやや明るさが見えてきます。
10兆円という金額に集団ヒステリーが再発するようであれば、日本の公的年金運用はなにも変わらないでしょう。

(2009.07.02)



イメージ悪すぎ

先週行った大学でのヘッジファンド講義の感想が来ました。

ヘッジファンドに対するイメージの悪さは想像以上でした。

「ちょい悪オヤジ(古…)」という感覚ぐらいかと思っていたのですが、「悪徳業者」に近い(笑)。

マスコミの影響力恐るべし、といったところです。

私の話を聞いて、学生さんの持つヘッジファンドの印象が少しは改善できたのであれば大成功です。

我々も含め、もう少し世の中への啓蒙活動が必要なのではないかと、実感しています。

(2009.07.01)


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