2010年01月の思いつき


壊れるならとことん?

物事、壊れるところまで壊れないと、根本的な改善策は生まれない、とするのなら、欧州経済圏における単一通貨政策の混乱も、日本の政治の混乱も、いくところまでいくしかない、という気もしてきます。

ギリシア問題は、単にギリシアのデフォルト懸念という話ではなく、複数国家、単一通貨、単一中央銀行、というモザイクが維持できるかどうかという、ユーロシステムの根幹の問題です。国家主権と経済主権を分離するという近代国家史上最大の実験が岐路に立たされつつあります。これを壊すのか、維持するのか、制度発足後20年を経てシステムをもう一度見直す良い機会なのかもしれません。

で、日本の政治ですが…
一回壊れてください。もう付き合いきれません。

(2010.01.29)


流動性相場と雇用

先ほどから発表されている米国大統領の一般教書演説ですが、最重要課題が「雇用」であるということが改めて強調されています。

逆に言えば、昨日据え置きが決定した米国の金融政策についても、この雇用問題が解消されてくれば、正常化への扉が開く、ということになるのでしょう。

昨日のFOMCを受けて米国株式市場が買い戻されたことからも判るように、現在の株式市場は景気より流動性を重視しています。
経済指標やファンダメンタルズの解消が流動性の解消に繋がるのであれば、短期的にはマイナス要因になります。

悪材料で買い、好材料で売る、というなんとも気持ちの悪い市場展開は、米国の雇用者対策に具体的な効果の見られる、今年後半まで続くかもしれません。

(2010.01.28)


社会の成熟

あまりにも親がだらしないと子供がしっかりする、ということで。

国が積上げる借金がそろそろ普通ではないということに気づき始めた国民の中で、消費税引き上げに対する覚悟が醸成されつつあるように見えます。制度面では納税者カードの導入もそれほど抵抗感があるようには思えなくなりました。

これまで日本の国民は、非常にしっかりした官僚と、非常に温情の厚い経営者と、資金調達能力に長けた政治家という、立派な保護者の庇護の下で生きてきました。

その保護者達が理由は色々ですが、どうにもこうにも役に立たなくなってきているということを強烈に認識することができた、という意味では、今の政治や経済の大混乱というのは非常に有益であるといえます。

良い悪いではなく、日本の社会は本当に大きく緩やかに変動を始めたのかもしれません。

(2010.01.27)


表示言語

あるヘッジファンドの英語のデータベースを購入したら、ディスクレーマー(使用許可制限など重要事項説明文)の英文ページの後に、中国語のディスクレーマー、その次にアラビア語のディスクレーマーが添付されていました。

母国語表示で説明していないから理解できなかった、と開き直られるリスクを回避するためか、ヘッジファンド業界における重要顧客への重点サービスか、これがグローバルスタンダードなのか、は判りませんが…

グローバルスタンダードのサービスだと言われると日本人はともあれフランス人とかは怒りそうな気がします。

お金の力、と思ったほうが素直なのかもしれません。

いずれにしても、日本語表示がされる世界は遠そうです。

(2010.01.26)


転換点後の逆張り

11月末のドバイショックが、市場全体の損失となったかどうかは別として、個々の市場の方向性にとって大きな転換点となったことは間違いなさそうです。

ドルとユーロとの関係、身近なところでは外国株式と日本株式の関係、先進国株式とエマージング株式との関係、など金融危機以来やや一本調子に拡大してきたこれらの格差が反転を起こした2ヶ月でした。

日本を始めとする中央銀行の豊富な資金供給を背景に過剰流動性資金が各市場を底上げするものの、投資家の投資安心感がやや薄れてきた、というのが現状でしょう。

オバマショックについて、大きく反発しているウォールストリート自身、昨年来ある程度の規制は覚悟していた節もあり、規制強化は意外と順調に進むかもしれないとも思っています。

景気の緩やかな回復を信じて、流動性の回収で売られたとことでは逆張り的に動くのが得策かもしれません。

(2010.01.25)


あらら重なった

昨晩の欧米市場は、中国引き締めへの不安から、どうにも止らないギリシアの下げ、そして予想をはるかに上回る雇用統計の悪化と嫌な雰囲気が続くなかで、オバマさんの爆弾発言で下抜けしてしまいました。
重なる時は重なるものです。

米国の金融機関規制で、ファンド投資を禁止する、までは想像の範囲内として、ファンドへの融資も規制する、とまで言われると、さすがに冷っとします。

この規制法案については今晩オバマ大統領が正式に表明する予定となっています。昨晩からの市場の反応をみて、少し手加減された内容になるとよいのですが。

(2010.01.22)


セミナーお礼

昨日は久々に穏やかな青空の中、無事セミナーを開催することができました。

最近の私のお話はどうも最後は精神論になりがちで、昨日のリスク管理も最後はダメージコントロールの話になってしまいました。

出先なので取り急ぎお礼まで。

(2010.01.21)


本日はセミナーです

年に2回の定期セミナーも今回で14回目となります。

定期セミナーを始める前の平成12年に始めて年金様向けに開催したセミナーのテーマが「年金基金のリスク管理」でした。

今回は10年ぶりに、ポートフォリオのリスク管理について再考してみようと思っています。

収益をギブアップするリスク管理、ではなく、収益獲得のためのリスク管理です。渋い話ではありません(笑)

では、詳細はまた明日…

(2010.01.20)


テレビ報道に思う

今回の小沢さんの問題について、テレビマスコミが異様に冷静なことに不気味さを感じます。

事実関係が明確になっていないにもかかわらず説明責任を問うのはおかしい、とか、国会議員の逮捕に対しむしろ検察が説明責任を果たすべきだ、とか、極めて最もな意見なのですが、これまでの政治スキャンダルに対しテレビマスコミがとってきた扇動気味の報道とは様変わりです。

報道というものは基本的には大衆心理に迎合するものである、とするならば、民主党の支持率が低下していく中で従来型の報道に戻っていくのでしょうし、もしテレビ報道というものが萎縮するほどの政治権力の結果であるのなら、それはとても恐ろしいことです。

単に報道に関わる人々が大人になった、というだけならそれに越したことはありませんが…。

(2010.01.19)


大規模災害と国家

国連の調査では、自然災害への総被災者に対する低開発国の割合は11%に過ぎないのに、総死者数においては53%に上るそうです。

天災と人災の境界線はどこにあるのでしょう。

ハイチのような低開発国での大規模災害が起きる度に、国家とは何なのか、ということを考えてしまいます。

20世紀に入り、アジア地域での大規模災害の頻度が増加しているといわれています。

アジアの中の日本を意識する時、事が起きてしまってからの援助ではない、技術や情報の共有化がもっと意識されるべきなのでしょう。

(2010.01.18)


公的支援の回収

米国のオバマ大統領が「金融危機責任手数料」の徴収案を表明しました。金融危機に際し投入した政府資金の損失見込み金額8兆円から11兆円を、大手金融機関から今後10年から12年に渡って回収しようということのようです。

高額賞与を払う余裕があるのなら国民に税金を返すべきだ、ということは誰しもが思うことでしょうが、それを思っているだけでなく実行に移してしまうところが、今のオバマ政権の最大の強みかもしれません。

英国ではやや穏やかに高額所得者の最高税率を40%から50%に引上げることが決定しました。これも金融機関関係者の高額所得を狙った増税と見られています。

日本の過去15年に繰り返されてきた様々な公的支援。回収できるほど景気が回復していない、というもの事実ですが、回収しようという意欲ぐらいは持ち続けて欲しいものです。

(2010.01.15)


新規参入

最近、海外のヘッジファンド会社が日本で直接投資顧問免許を取得するという話を幾つか耳にします。

この1年、スイスや欧州のプライベートバンク経由などの個人投資家が資金がヘッジファンドから大量に流出し、一般金融機関は新BISの影響からファンド投資が難しいという現状において、ヘッジファンド各社はグローバルに年金資金の取り込みを真剣に模索し始めています。また欧州に偏りがあった顧客の地域分散も意識しているのかもしれません。

信託銀行や投資顧問などの間借りではなく、自らが日本に拠点を置き、人員とインフラを整えて参入してくるということは、非常に好ましい傾向です。それら日本拠点を担う人材が日本にどれだけ育っているのかという不安もありますが、中長期的には日本の資産運用ビジネス全体の底上げにも繋がるかもしれません。

もちろん新規参入者の増加は玉石混交となります。くれぐれも石に当たらないよう年金スポンサーの皆様慎重にお願いしますね。

(2010.01.14)


世界は一つ?

最近の株式の運用者は本当に大変です。自分の国の市場要因以外での波乱要素が大きすぎます。

昨晩、中国が利上げを発表し、資源関連株がグローバルに急落しました。ブラジルやノルウェーなど資源依存の高い国の株式市場にダメージが来ています。

その数時間後、ギリシア政府が発表している財政状況は信用できない、とEUが言ったことで、欧州株式は急落しました。信用力の小さい国の問題は、一般的なエマージングやドバイのような他の信用リスクのある国の市場に波及しました。

経済がグローバル化している、というだけの問題ではなく、やはり昨年来急激に増加しているグローバルマクロ系ファンドの資金フローの影響も大きいのではないかとも思っています。

今年は久々に企業業績重視のバリエーション相場に回帰してくれるかと思っていたのですが、もう少し先のお話になりそうです。

(2010.01.13)


政策の優先順位

外国人の参政権の議論をすることは悪いことだとは思いませんが、それを今持ち出すことに、非常に大きな違和感を持ちます。

この議論が重要であればあるほど、国会審議には時間が掛かり、大きな争点となり、一歩間違うと他の全ての審議をストップさせるほど混乱する可能性があります。言い換えるなら、景気対策や財政問題や雇用問題や普天間移設など、今近々に必要な議論を全て横に置いての参政権問題になるということです。

マスコミを始め、世論全般が、鳩山首相や小沢さんの政治資金問題に対し鷹揚に対応しているのは、その手の問題で国会を空転させるより今決めなければいけない大事なことがあると思っているからです。

その大事なこととが外国人参政権問題にとって変わることを誰が望むでしょう?

本当にこの国の政治家は何を考えているのか、さっぱり判りません。

(2010.01.12)


過剰流動性相場

菅さん円安発言。まぁこの程度であればご愛嬌です。それほど目くじらを立てなくてもいいではないですか。
そもそも90円半ばというのは今年度の企業業績に対し中立的な水準であって、本来的な居心地としてはやはり三桁は欲しいところです。

昨年のドバイ以来、ギリシアやアイスランドや日本のJALやというゴタツキが、各国の出口戦略を先延ばしさせ、結果的に超緩和環境の時間軸の延長に繋がっています。

そういう意味では現状の市場環境は、やや過剰流動性相場入りしているといえるでしょう。
年初来主要国で唯一マイナスリターンとなっているのが中国株式というのも、主要国で唯一引き締め政策に転じているという点からみれば整合性がとれています。

原油にも商品にも過熱感が出てきました。今四半期は上も下も少しボラティリティが大きくなるかもしれません。

(2010.01.08)


寒くてもおしゃれ

大阪にいます。寒~いです。

でも、超ミニスカートにレギンス(…判ります?おじさん用語ではタイツと言います)の女の子達が目の前を闊歩しています。

寒くてもおしゃれ…立派な心がけです。真似したいとは思いませんが。
日本の女の子のファッションへのエネルギーは、世界に冠するものがあるそうです。ユニクロのグローバルな成功も、実は彼女達の熱意の賜物かもしれません。
やっぱり日本は女性が支えています!

(2010.01.07)


無反応

首相が辞めないと思ったら、財務相が辞めそうです。病気は仕方ありません、、、本当に病気なら。

円高を肯定し、且つ財政規律を比較的重視していた藤井さんが退陣することで、良くも悪くも円安方向に修正が起きるかと思っていたのですが、意外と市場は淡白です。

これで鳩山政権の「若さと軽さ」に拍車が掛かることは間違いなく、経済界も、主要国も、日本政府の誰とのリレーションを深めるべきなのか、皆目検討がつかない状況となりそうです。

株式市場だけでなく、為替市場においても、日本が材料視されない時代になってしまったのでなければ良いのですが…

(2010.01.06)


オモチャですか?

JALの株…
昨日の東証売買高の2割を占めるそうです。
新年早々それでいいのか、日本株式???

ほとんどのパッシブファンドから既に組入れが外されているように、機関投資家の売買対象からは既に外しています。

イベント系のヘッジファンドも今の状況では手が出しにくいと思われるので、残るは個人中心の短期トレーダーのみ。
それで東証の売買量の2割です。2割。

今年はどこかで日本株にアロケーションをシフトさせようと思ってはいるものの、この情けな~い状況ではどうにも判断がつきません。

オモチャにされている株式市場の正常化のためにも、JALの決着を急いで欲しいものです。

(2010.01.05)


謹賀新年

あけましておめでとうございます。

よく言えば穏やかな、悪く言えば新味のない3ヶ日が終り、元気のよい大発会となりました。

このまま何事もなく、ゆるゆると一年が過ぎて欲しいと願いつつ、その難しさをヒシヒシと感じる新年です。

今年は、よくも悪くも「国」がテーマとなります。

財政問題、国債市場、国家ファンド、為替政策、公共事業、環境問題。

企業も市場も、国の舵取りの方向を見定めながらの徐行運転となりそうです。

本年も、慎重かつ果敢に発信していきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

(2010.01.04)

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