2010年08月の思いつき


日銀アクティブ計画?

1998年頃、日本銀行に過剰接待問題という嵐が吹き荒れたことがあります。
それ以来、日本銀行社員は原則として民間企業との接触を禁止されました。

一方で政策決定に関わる審議委員には外部の人材を登用するなど、民間の声を吸い上げる工夫はしていますが、本来成すべき「市場との対話」が出来ていない、という批判は免れません。

もちろん情報漏洩に繋がるような関係は論外ですが、日銀の現場が、象牙の塔ごとく内に籠った弊害も無視できなくなってきているように感じます。

今の日銀に必要なのは、政治家と仲良くすることではなく、もっと現場が市場や企業の声を聞くことができるような仕組みを再構築することなのではないでしょうか。

(2010.08.31)


新卒採用補助金?

採用する側の、かつ中小零細企業側の人間として、新卒3年以内の採用に補助金を出すと言われ、何か採用スタンスが変わるような気がしません。

リーマンショック後、学生側も大企業や公務員指向が強まっていて、就職難というほど、中小零細企業で採用が容易くなっているようには思えません。

また各企業が採用を絞っているのは、今の景気だけではなく、2-3年後の経営の見通しが立たないためで、目先の恩恵しかない採用補助金では意味がありません。

現地生産化に伴う、雇用流出を本気で防止するのなら、人件費格差を補うだけの税制メリットを、国内工場に与えるなどの抜本的な方策が必要で、採用補助金のレベルではありません。

なんだか、ピントがずれているような気がしません、か?

(2010.08.30)


必要?

戸籍上の160歳などという話は、話題として面白いだけで、実質的には無意味です。

戸籍というものが何故必要なのか、今一つ解らないので、行政的に無意味ならいっそう無くしてしまえば良いのに、と思ったりします。

多分…戸籍制度がなくなると、出生率は上がります。
いつまでも進まない納税者カード制が導入されて、税収も上がります。
その他難しい社会問題のいくつかも解決していくでしょう。

なんていう議論は少し過激ですか…。

(2010.08.27)


信託銀行って…

運用機関に理念がないと先週書きましたが、今回の信託大手ニ行の合併に関するプレスリリースは、まさに理念のなさを文字にした、としか言いようがありません。

今後の経営方針における「年金・証券」分野では、「海外有力運用機関との提携」が第一番目に来ます。
その他は「顧客ニーズに応える」とされているだけです。

問題は運用面だけではありません。両行あわせて1900件の総幹事実績のある年金制度ビジネスについても、今は名ばかりのグローバルカストディ業務についても、特にビジョンは示されていません。

日本の運用業界が低迷しているのは、2行あわせて13兆円もの年金資産を受託している程の規模を誇るこういう信託銀行達が、運用というものに何の理念もなく、どこか諦め気分で漫然と受託を続けているからではないか、と思ってしまいます。

実際の統合まであと2年あります。どうか理念と信念を感じられるような、新たな信託銀行として生まれ変わり、業界全体を刺激してくれることを心からお願いしたいものです。

(2010.08.26)


役者馬鹿という言葉がありますが…

為替操作と金利操作については、政府日銀は市場を欺いてもよい、ということになっています。

つまりこの件に関しては、「大石内蔵助」の如く、愚鈍を演じながら期が熟するのを待つ、というのも戦略の一つということです。

昨日の財務大臣の緊急記者会見などを見ながら、この人達の愚鈍さは、演技なのか本物なのか、と考えていました。

当然演技であるはずなのですが、見ているうちに本物に思えてくるのは、よほどの千両役者だということでしょうか。

一年生議員と呑気に懇談をしているのも、内蔵助の花町遊びのように、敵の目を欺くためのカモフラージュだとするなら、総理も名優です。

役者馬鹿という言葉がありますが、役者をとるとただの馬鹿。まさかね…

(2010.08.25)


産業ポートフォリオ

日本経済の強さの根源がまだ残っているとするなら、それは産業構造の多様性なのではないかと思います。
幸か不幸か、金融立国にも、農業立国にも、IT立国にも、資源立国にもなりきれず、お陰で一つの産業に国の経済構造が過度に依存しない仕組みが出来ているようにみえます。

多種多様な輸出商品を抱えている以上、短期的な円高には脆弱であるのは否めませんが、所詮通貨問題は時間の経過が解決していきます。

むしろ、金融以外の産業を持たないスペインや、原油価格と完全にリンクする産油国や、IT関連の依存度の高くなりすぎた台湾や韓国と比べ、経済の特定ファクターの感応度が低いことが、このボラティリティの高い経済においてはむしろプラスに働く要素となりうるのではないかと考えます。

高出力の単発エンジンを狙うのではなく、国全体としてバランスの取れた産業ポートフォリオを目指すのも、一つの選択肢なのではないでしょうか?

(2010.08.24)


日本政府ではないのだから…

米国経済の二番底懸念について、世の中が悲観一辺倒であることに、少し違和感があります。

二番底がないと思っているわけではないのですが、今の市場の二番底シナリオに特に意外性がなく、従来想定されていた以上の新たな材料が出てきていないからです。

米国経済が「金融」と「不動産」を梃子とした、レバレッジ型の成長を既に諦めたことは明らかで、金融と不動産が雇用の受け皿にはならないことは周知のことです。

また、バブル後のデレバレッジ経済の中で、デフレ懸念が高まることも、日本の先例から判っていたことです。

欧州金融危機のように、唐突な制御不能なリスクに今の米国は直面しているわけではありません。
日本ではあるまいし、米国政府が予見できるリスクを、何もせず見過ごすほど、愚鈍であるとは、どうしても思えないのです。

市場が経済見通しを悲観的に見れば見るほど、私の中での政策期待が高まっていくというのが、今の率直な思いです。

(2010.08.23)


無様な政治家

普通の社会常識で言えば、内輪の人間のことを外に向けて話す際、それが社長であっても敬語は使わないものです。

昨日テレビで民主党のオジサン達が、小沢センセの動向について最大限の敬語を使って話しているのを聞いて、気持ちが悪くなりました。

日本の政治家というものは、ここまで常識のない人達の集まりだったのか、それとも常識よりも重要なことで頭が一杯で、聞き手のことなど念頭にないのか。

聞き手のことなど念頭にない、イコール、国民のことなど念頭にない、ととられても仕方がないほど、無様な姿だと、私は思います。

民主党の代表が誰になろうが、興味はないですが、これが日本の総理大臣を選んでいるのだと思うと泣きたくなります。

だから、誰?といわれても、思い浮かばない現実に、もっと落ち込みます…

(2010.08.20)


新たな火種?

6月の米国出張で気になったものの、ここに書くのを控えていたことに、米国の住宅金融公庫(ファニメイとフレディマック)の解体議論がありました。

08年に経営危機に陥り、公的資金を受け、リストラクチャリングの最中にある2社ですが、決算の度に莫大な追加支援が必要とされる現状に、そろそろ終止符を打たなければいけない、という機運が高まっているようです。

両社の株式はほぼ紙くずになっていますので問題はないとして、問題は両社の発行している各種債券の方です。6月の訪米時には「ヘアーカット」という、債権者の毀損に繋がるような単語を用いる人が少なくなかったことに怖さを感じ、誰にも言えずに?今に到りました。

ここに来て、政府高官や格付け機関が、両社の建設的清算について、公にコメントをするようになってきています。

影響力の大きな2社の債券の今後。変なことにはならないとは思いますが、新たな火種ではあります。

(2010.08.19)


企業文化

日本の運用機関には「文化」がない。
投資哲学とかいう小難しいことではなくて、もっと単純な企業文化とか企業理念とかいう類のものが感じられません。

企業文化は人を育てる。従って企業文化のない世界では人は育たない。

歴史がないのだから文化がなくてもしかたがない、と言われればそれまでですが、少なくても私がこの業界を見てきてこの10数年、時間の経過と共に企業文化を醸成してきたと思える日本の運用機関を思い浮かべるのはとても難しいです。

ここまで企業理念がないまま、業界として生き残ってきたのはある意味奇跡に近いと、最近
思うようになってきました。

こういう話を運用機関にしても、もはや意味が通じないところまできているのではないか、という予感すらする昨今です。

(2010.08.18)


ありえないほど熱い

異常に暑いです。本当に熱い。漢字変えた方がいい。

原則野外運動禁止日だそうです。

道路工事も止めましょうよ… 事故が起きてからでは遅い。

タクシーは好調だそうです。一駅でもタクシーという人が増えているとか。
消費もそれなりに好調らしいですし、暑い熱いも悪い話ばかりではありません。

暑さのピークは東京から関西に移るとか。皆様ご自愛ください。

(2010.08.17)


順張り発言

休み明け、静かな市場で、音も無く下がるドルと株。

唯一元気な中国が、外貨準備をドルから円・ユーロに移すとまた言って、凝り性もなく、市場は反応するという展開です。

この国、この間ユーロが暴落していた時、その真逆の発言をしていました。

市場に順張り発言を繰り返し、安くなった通貨をこっそり買って儲けているのか、と勘繰りたくもなります。

お金持ちには逆らえないということでしょうか。

そういえば、休んでも文句が減らないということが、今判明しました。

(2010.08.16)


鬱陶しいので夏休み

お付き合いよろしく日本株が2%以上下げた後、欧州米国と嫌な感じで株価も為替も動いています。

経済産業省が、企業200社に円高の影響をヒヤリングしたそうですが、聞いてどうなる???何がしたい???

と文句ばかり多くなるのは、きっと頭が休みたいからだろう、と勝手に判断し、木・金と二日間のお盆休みです♪

では、また来週~~~。

(2010.08.12)


実質金利と鬱陶しい夏

なんとも中途半端なFOMC。
お陰で中途半端な為替市場。

急激に円高が進めば、介入などの政府対策を呼び込み、一旦底打ち感がでたかもしれないのに、期待感が来月のFOMCまで延長されてしまったため、為替もユラユラとしたままです。

FRBは「デフレ」という言葉はまだ使いませんでした。

FRBの次の一手は、景気の更なる減速か、もしくは「デフレ」を認めるか、のいずれかの時の為に温存されています。

デフレを認めない米国のゼロ金利は、実質マイナス金利を意味します。
デフレを認めている日本のゼロ金利は、実質プラス金利を意味します。

今の円高は、米国がデフレを認めるまで、当面続くかもしれません。鬱陶しい夏が続きます。

(2010.08.11)


田口の愚痴

どうも最近、ブルーンバーグなどで流れる日本市場のマーケットコメントが、弊社の社長の気に障るらしいです。

米国市場の流れを受け…
中国の政策が…
海外投資家のリスク回避需要が…

一体ここはどこの市場なのか?!
日本の市場は、「パブロフの犬か?」
これだけ市場に主体性がないのは、「政治」を反映しているのか?
「教育」を反映しているのか?

もう少しなんとかならないものなのでしょうか???

以上、田口の愚痴でした。

(2010.08.10)


歴史に立ち会う

先週末ドル円が85円を越えかけました。この水準を一気に突破されてしまうとドル円市場は富士の山頂を目指しかねません。

市場が未知の領域に入るのは困ったことであるのと同時に、市場を見ている者にとっては歴史が書き変わる変わる瞬間に立ち会うチャンスでもあります。


今週前半は、良くも悪くも緊張感を持って過ごしたいと思います。

(2010.08.09)


学生…

大学生の内、進路の決まらない学生が八万人以上いるそうです。
企業の採用減の影響がないとはいいませんし、不況の影響がないというつもりも全くありません。

ただ、そうは言っても、もしかしたら、社会人になるレベルに精神年齢が到達していない学生が増えているだけかも…という話しを企業の採用担当の方としてました。

例えば、弊社が掲載している採用サイト経由でエントリーしてきた書類の内、「弊社への志望動機を明記して」という応募要項を満たした履歴書は300分の10ぐらいの確率です。
パソコン経由で気軽に応募できる今の就職活動特有の現象なのかもしれませんが、それでもこの子達が就職できないのは景気のせいだけなのか、と考えてしまいには、充分な結果です。

「最低限の常識がある」ということが、充分アピールポイントになるというこの現実を、社会や企業はどう受け入れていけばよいのでしょう…

(2010.08.06)


修行がたりない?

①昨年度プラス18%の収益で、この4-6月マイナス9%となったポートフォリオ。

②昨年度プラス13%の収益で、この4-6月マイナス5%となったポートフォリオ。

昨年初100で運用を始めると、結局どちらも同じ107.3となります。

昨年度①は②に5%も勝ち、今年度①は②に4%しか、負けていないのに、結果は同じです。

複利で計算する累積収益率というのは、こうした不思議な特性を持っています。
大きく勝った時は次に来る負けに備えて、リスクを機動的に落とす。それが出来ないのなら、大きく勝ち負けの発生しない運用に徹する。
長期投資家としての当たり前の投資行動です。
この当たり前のことを当たり前に行動できるようになるのはどうやら、長い長い修行が必要なようです???

(2010.08.05)


催促相場

明日8月5日が欧州中央銀行総裁会議、よく6日が米国失業率、週明け9日10日で日銀政策決定会合、10日が米国FOMC。

市場には「催促相場」という言葉があります。

中央銀行や政府に対し、なんらかの政策を催促するかのように、市場がフライング気味にトレンドを形成することです。

この数日、FRB首脳の発言が「早急な金融緩和に否定的」ともとられる発言を繰り返したことで、市場は「早急な金融緩和を催促する」値動きを始めています。結果、国債金利は低下し、ドルは全面安となりました。

こうした市場の値動きは、市場の期待通りの政策が出てくると、一旦収まりますが、期待に満たない結果には暴力的に反応します。

主役は米国のFOMCでの金融緩和。日本は円高阻止のための同時緩和。というのが市場の期待シナリオでしょうか。

政治家不在の中、中央銀行の孤軍奮闘となる日本。ソフトランディングは望めないのでしょうか…

(2010.08.04)


長期と短期

長期のトレンドが下降している中での一時的な上昇なのか、長期な上昇トレンドの中での一時的な下降なのか。

世界の物価の話でもあり、気温の話でもあります。

経済バブルが崩壊すると、その後に深刻で且つ長期的なデフレ懸念が残るのは何故なのかと考えています。少なくても先進国経済においては、ベースのトレンドがもはやデフレで、短期的なインフレの頭を叩いた結果、本来あるデフレのトレンドが顕在化する、ということを繰り返しているのではないかと思ったりしています。

地球は次の氷河期に向っているという長期トレンドがあるとして、その中での短期的な波動としてこの夏の灼熱があるとするなら、次に来るのは驚く程の冬の寒さ、かもしれません。

このボラティリティの高い全ての環境において、適応力を高めるには、足元の方向性だけに囚われない、柔軟な思考が大切なのかもしれないと感じています。

(2010.08.03)


海も空も…

ロシア西部での猛暑による自然火災の影響は深刻なようです。泥炭湿原火災という聞き慣れない単語もでています。

問題は火災そのものの被害より、この火災による大気汚染の被害だという報道もあります。

火災による粉塵が光化学スモッグを誘因し、数千人の死者がでると警告する学者までいます。

ただでさえ今年はアイスランドの火山噴火があり、来年にかけての大気への影響が心配されている最中の話です。

海は石油、空は塵。

生物の生きられる空間がどんどん狭まっていくようで、想像しただけで息苦しくなります…

偉大なる地球の自己浄化力をひたすら拝むばかりです。

(2010.08.02)

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