2012年01月の思いつき


くすまない街

東京の街を眺めていて、つくづく変わらないなぁと思います。

バブル崩壊から20年。景気が悪いと言い続けて15年。
これだけ長い間の不況を経験しているわりに、街の色が変わらない。錆茶けてもなく、ひび割れたグレーにもなっていません。

自動販売機が蹴倒されるでもなく、電車の中で眠ることに恐怖を感じることもありません。

不況であっても街の景色が変わらないというのは、ニューヨークやパリやロンドンといった他の大都市と比較して、とても珍しく不思議なことです。

だから、東京は不況ではない、というつもりはありません。

全世界の景色が段々とくすみつつあるなか、やはり私は日本に生まれて良かったと思うだけです。
寺本名保美

(2012.01.31)



売買量

国内株式市場に海外投資家売買が若干戻ってきています。
世界全体が年初とりあえず、悪い材料よりよい材料に反応しやすくなっている中で、割安な資産への物色が始まったとすれば、日本株にとってはよい傾向です。

この数か月、日本の株式市場の売買高の低迷は、目を覆うものがありました。

日本株式のアクティブ運用やロングショート運用が、年後半苦戦したのも、この売買高の低迷が少なからず影響を与えているように見えます。

海外投資家が戻ってくることで、市場の売買頻度がもう少し上ってくれば、日本株のバリエーションの効きも向上してくると思われます。

割安であろうと、なんであろうと、売り買いが伴わなければ、いつまでも絵に描いた餅のままです。
寺本名保美


(2012.01.30)



いまさら規制

毎月分配型投信の配当制限を金融庁が検討しているとの日経新聞の記事。

「配当は運用益の範囲に限る」、つまり「たこ足分配」の禁止、つまり、「投資元本」を「利益であるが如く」投資家に配ることの禁止、です。

もう一つ制限対象になりそうな、高金利通貨を利用した為替リスクのある投資信託も同様ですが、こういうものの規制は商品設計時に行うべきもので、残高が兆円単位になってからの規制は、損害の上乗せを招きます。

このまま放置しておくと、この手の投信の崩壊が目に見えてきたので、その前に規制というアドバルーンを上げて当局としての責任逃れをしているようにさえ思えます。

当局・販社・運用会社・投資信託協会・FPのような人達・マネー雑誌を含め、ここまで残高が積みあげてしまった責任をどうまっとうするのか。

ソフトランディングのシナリオがどこにも見えていないような気がして、とても嫌な気分です。
寺本名保美

(2012.01.27)



黒字より、円安

日本が39年ぶりに貿易赤字になりました。

これだけの円高が続いている中で、当然の帰結です。

それを受けて、「円」が円安方向に向かい始めました。

通貨の不均衡が貿易の不均衡を招き、それが通貨の不均衡を調整するきっかけになる、という教科書通りの値動きです。

「日本の黒字がなくなった!日本の時代が終わった!円が売られて大変だ!」
というトーンの報道が多いですが、円が買われている最中、誰もそれが
「日本の時代が来たからだ!」
とは思っていなかったではないですか。

欧州危機と言われながら独り勝ちしているドイツや、株価指数だけみればリーマン前に戻りつつあるにもかかわらず超ゼロ金利をあと2年以上継続することを宣言してしまう米国も、自国通貨安をしっかり演出し、チャッカリと恩恵を享受しています。

この円安傾向、もう少しトレンドになってくれればうれしいのですが。
寺本名保美

(2012.01.26)



セミナー御礼 「予防接種」

昨日はお足下の悪い中、弊社年金セミナーに本当に多数のお客様においでいただきました。ありがとうございました。

この15年近く年金基金様とのお付き合いをさせていただく中、私は今一番不安をもってこの業界と接しています。

これまでよくも悪くも保守的だった、日本の信託銀行や投資顧問会社が、個別戦略リスクの高い商品群の品揃えを始め、それに呼応したかのように、年金スポンサー側もまた、投資対象やコンタクト先の幅を急激に拡大し始めています。

投資一任という強固な壁に守られて、ほとんど無菌状態できた日本の年金という市場に、これまでにない外気が吹き込んでいます。

外気は新鮮ですが、免疫のない人には害もあります。
ここはしっかり予防注射を打って、免疫をつけていかないと、市場全体に悪性の風邪が流行しかねません。

昨日のお話は予防接種の第一弾として聞いていただければと思い、お話しました。少々乱暴な物言いがあったことご容赦ください。
寺本名保美

(2012.01.25)



本日はセミナーです。

東京は、大雪、というよりも、一面スケートリンク状態です。

という中、本日は定例の年金スポンサー向けセミナーの日です。

本日の私のテーマは「少し過激に本音で漫談…」

ご参加いただく皆様、とにかく転ばずに、気を付けてご来場くださいませ。

私の漫談も滑らないように頑張ります。
寺本名保美

(2012.01.24)



ドラゴンの年?

中国が新年を迎え、香港や中国の方からいただいた年賀メールが、「ドラゴン」一色!!

日本で言う「辰年」などという可愛らしいものではなく、天駆け火吹く、大変に力強い「昇竜」です。

「今年は我々の年です!」と言わんばかりのドラゴンイヤーメールを眺めていると、不思議とこちらまで力が湧いてくるような気がします。

くれぐれも、昇り竜であって、暴れ竜にはならないように、お願いしたいものです。
寺本名保美

(2012.01.23)



世界一のんきな政治家

海外の方と日本の消費税の話を最近よくします。

5%という現状に皆さん大変驚きます。

そして一様に、日本の政治家は世界一仕事をしていない、という感想を持つようです。

最も国民生活に近いところの税制をいじるのは、政治家にとって最もハードな仕事であるのは、どこの国でも同じです。

だから、どこの国よりも消費税が低いということは、どこの国の政治家よりも、日本の政治家が怠惰であることの証明でもあります。

今年こそは、政治家が役割をきちんと果たしてくれることを、心底期待しているのですが…
寺本名保美

(2012.01.20)



日本の欧州支援

昨晩、ニュースのヘッドラインに「IMFが融資枠を1兆ドルに拡大へ。拠出金はBRICsと日本と中東産油国が中心に調整」
と流れて、目が点になりました。

何故日本?

その後、米国は追加拠出には応じない、との声明がでてますます「?」。

ただでさえ、EFSF債券の大量保有者として中国と肩を並ばされている日本。

幾ら新手の「為替介入の一つ」だと言われても、どうも釈然としません。

ESFSという仕組みを通して欧州全域の体力を奪いつつある禍が、今度はIMFを通して世界全域に拡散するような気がして嫌な気分です。

これ以上の欧州支援については、日本でもそろそろ国民に向けてきちんとした説明が必要な時期に来ているのではないでしょうか。
寺本名保美

(2012.01.19)



秋入学!

東京大学の秋入学移行方針、賛成です。

企業の国際化とか、海外労働者の受入とか、大きな話をする前に、足元でできることは、まだ沢山あると思うのです。

とにかく学生レベルでの人材の交流を積極化することはとても大切なことです。日本の学生が海外の大学に行くことだけではなく、海外留学生、大学だけではなく高校生レベルも含めて、いかに日本に呼び込み、日本という国への理解を深めてもらうかを真剣に考えるべきでしょう。

企業の採用にしても、国の採用にしても、基本的に通年採用の方向性が示されています。通年採用を本格化するためにも、秋入学はよいきっかけになるかもしれません。

学生の期間を少し長くした方がよい、という以前の私の主張にも合致しますしね?!( 上から下まで若くなった)
寺本名保美

(2012.01.18)



格付け機関の心理

ということで、一夜明け、再び市場が閉まっている時間帯に、問題のEFSFの格下げが発表されました。

ただでさえ売買量が薄い東京市場で、消化不良の材料をばら撒くのは、本当に止めて欲しい、です。

ところで、当の格付け機関の心理状態というのは、今どういう感じなのだろう、と考えてしまいました。

自分たちが、文字通り「世の中の中心」になってしまった時、アナリストとしての客観性というものが、どれほど維持できるものなのか、非常に興味があります。

一般的には、怖れで萎縮するか、アドレナリンが出過ぎて躁状態になるか、どちらかだと思うのですが。

「ギリシャ、近くデフォルトと確信─S&P=ブルームバーグTV」などという見出しを見る限り、ちょっと躁気味でしょうか。

いずれにしても一民間企業のアナリストの言動が、世界の政治や経済を右往左往させている状況というのはとても健全だとは思えません。
寺本名保美

(2012.01.17)



S&Pの格下げ

欧州の格下げ。

事前予想通りで織り込み済み、というコメントは楽観的すぎるし、
一方で、これで欧州崩壊だという主張は悲観的すぎます。

問題その1
今回の格下げが、EFSFの格下げに繋がるかどうか決まっていないこと。
問題その2
Moody'sの動向が不明なこと。
問題その3
イタリアがBBB+に下がりアイルランドと同様になったこと。ちなみにムーディーズのアイルランドの格付けはBa1という投資不適格ゾーンにあり、格付けが悪い方に収れんするとするなら、イタリアの将来は暗い。

何が言いたいかというと、結局今回のS&Pによる格下げは、市場の不確定要素の発端に過ぎないので、影響度合いを、今日明日で判断するのは意味がない、ということです。

売られすぎたユーロが一旦戻る場面もあるかもしれませんが、あまり一喜一憂するのは止めておきましょう。
寺本名保美

(2012.01.16)



原油が上がっているのですが…

原油価格が静かに上昇しています。

建玉も売買高も低水準のまま、あまり話題にもならず、するすると上昇しています。

イランと米国の問題が、どれほどの深刻感のあるものなのか、報道をみている限りにおいてはよくわかりません。

原油輸入の内、ホルムズ海峡経由の比率が高いのは日本ぐらい、らしいので、世界的にはあまり心配されていない、からかもしれません。

タイの洪水が日本の株式市場に心理的なインパクトを与えたのは、洪水が2か月近くが経過してからです。

市場の話題にならないからといって、あまり問題を軽くみないほうがよさそうですが、中東の問題はわかりにくくて厄介です。
寺本名保美

(2012.01.13)



あっそ

「ドイツ銀が資産運用部門売却を選択、二十数社から買収打診-関係者(Bloomberg)」

そうですか…この金融グループの、資産運用部門を拡大したり縮小したり、売ったり、買ったり、はもう何度目でしょう。

あきれて怒る気もしません。

この巨大金融グループが資産運用業界でいいかげんなことをしてきた裏で、いくつの歴史ある有能な運用会社が、霧散することになったことか。

お願いだから、二度と出てこないで欲しい、と心から思う記事でした。
寺本名保美

(2012.01.12)



月報が100号になりました。

弊社でお客様向けに出している月報が、今月で100号となり、記念に過去の振り返りを書いていました。

結びの文章に、
「よい思い出は箱に入れて鍵をかけ、悪い思い出はショーケースに飾りましょう。
次の200号記念で、もっと楽しい話が書けるために…」

と自分で書きながら、この13年間で、自分の性格がひどく暗いものになったのではないかと、不安になりました。

気のせいですかね。
寺本名保美

(2012.01.11)



米国雇用とオバマ氏の再選

米国雇用統計の改善により、オバマ政権再任の可能性が出てきた、かもしれない、と報道されています。

今の雇用関連数値を見る限り、1980年台初頭の米国経済の最悪期、よりは改善しつつあるものの、90年台初頭の不況期よりは圧倒的に悪い、という水準です。

失業率だけではなく、労働力人口から雇用者数を差し引いた潜在失業者数の水準だけを見ると、雇用ギャップは過去最悪期水準で高止まりをしています。

さて、これから、金融関連ビジネスでのリストラの第二弾が実行されます。ウォールストリートというのは、高額所得者だけが働いている場ではありません。それを支える多くの中低所得者の職場でもあります。

1980年初頭、自動車産業による雇用システムが崩壊したことで、米国の雇用環境が悪化したように、今回は金融・住宅産業による雇用システムの崩壊が根源であるとするならば、現在の雇用問題の決壊の元はまだ崩落を続けているということになります。

オバマ政権の再選への灯りは、まだ線香花火の頭のような存在かもしれません。


(2012.01.10)



富士山に思う

関西に向かっています。
雲一つない快晴です。
富士山をみると良いことがある、と言うベタで単純な社長のために、今日も窓から富士山を無事確認し、一安心?

それにしても、一目見ただけで人を幸せな気分にさせる富士山というのはは本当に偉大な存在です。

私も遠い遠いいつの日か、出会った人を幸せな気分にさせることができるようなオーラの出せる人間になりたいものだと思う新年です。
寺本名保美

(2012.01.06)



民意という起爆剤

新年あけましておめでとうございます。

平穏に、何も変わらない、年末年始となりました。

昨年背負った荷物の重さは、100円割れのユーロが表しています。

今年は世界中で選挙の年。
昨年は、子供じみた政治の言動に振り回された金融市場でしたが、今年はさらに掴みどころのない「民意」というものに振り回される一年となりそうです。

民意というものは、爆発力があります。
上手く出れば、市場の起爆剤になります。

先の見通しが効きにくい環境ではありますが、期待感をもって一年スタートしたいと思っています。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
寺本名保美

(2012.01.05)


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