2012年09月の思いつき


邪魔…

今の日本の政治家が20年後の約束をしても、聞き流してしまいますが、今の民主党では「来年」の通常国会の話をされても、聞き流してしまいそうです。

厚生年金基金問題は、ここで民主党が大風呂敷を広げてしまったために、問題が大事になり、本当に中小企業の経営者の方達が求めている、足元で必要な制度改革が、再び先延ばしにされそうです。

あらゆる年金問題が、選挙の季節になる度に「打ち上げ花火」のような使われ方をされるようになってもう10年以上が経ちます。

大きな声で、マスコミを騒がせ、世論を騒がせ、制度への信頼を損なわせ、劣化させただけで、実質は何一つ変わっていません。

もういいかげん何もしてくれないのなら、触らないで、放っておいて欲しい。
政治家が動けば動くほど、問題は悪化するばかりです。
寺本名保美

(2012.09.28)



いいなぁ

シャープ。

とりあえずの銀行支援が決定され、提携先探しに時間的余裕ができたとのこと。なによりです。日本の金融機関が、ようやく金融機関としての社会的使命を果たせたようで。なによりです。

シャープは10月1日より、建築用ガラスとして活用できる「シースルー太陽電池」を発売するそうです。

屋根ではなくて、窓ガラスで発電できる、太陽光パネル。
発電しながら、採光もできて、遮熱もできる、省エネ発電ガラス?!

すごい!カッコいい!さすが!

そういえば、うちの会社グルリとガラス張り!
でも大家さんお金持ちだけどケチだから、無理か…
寺本名保美

(2012.09.27)



様々な中国リスク

米国の大手建機メーカー株が急落し、資源関連銘柄も売られ、バーバリなどのブランド銘柄の下落が続いています。
アップルは製造工場の暴動で、生産ラインが懸念され、これも急落。

中国の経済成長への不安が、あちらこちらで顔を出します。

当の中国では10月1日より、公務員の綱紀粛正を制度化し、お給料で買えない金額のブランド品の保有には、明確な理由を提示しなければならなくなるとロイターが報じています。

一方で、人民銀行は史上最大規模のインターバンクへの資金放出を行っているとみられ、お金の回りにもやや異変が起きているのでしょうか。

とにかく、中国がくしゃみをすれば、世界経済が風邪を引く、という状況には未だ変化はないなかで、全世界が中国の動向を上目使いで見据えている、という感じでしょうか。

これまで圧倒的だったソフトランチングシナリオに、変化が出てきているのでなければよいのですが。
寺本名保美

(2012.09.26)



厄介なスペイン

しばらく、欧州危機の話に触れずにきました。

理由の一つは「厭きた」ことですが、そうともばかり言っていられません。

スペインが金融機関に限定しない支援を、ECB等に対し要請することを各国が求めているのに対し、スペインが拒否する、という構図が続いています。

民間でいえば、「強制資本注入に伴う銀行管理」というステージに入いるかどうかの瀬戸際、ということです。
銀行管理に入ると、本業がバラバラにされて、人員整理と資産売却という悲しい結末が待っているのは、古今東西数多見る事例ではあるので、スペインが抵抗するのも、わからないわけではありません。

ただ、欧州の人々は、スペインの資本主義というものを、どうも信用していない節があります。スペインの自浄努力というものへの信認が、もしかするとギリシャに対するものよりも低いのかもしれないと感じます。だからこそ、早めに管理下においてしまった方が安心なのでしょう。

大国スペイン。傍から見るよりは厄介な存在なのかもしれません。
寺本名保美

(2012.09.25)



防音壁が必要です

外交官だった方の新書に、日本外交の阻害要因は日本のマスコミだと、書いてありました。

他国のように、マスコミが政府広報である状態は不健全だとは思いますが、日本のように政府の揚げ足を取ってばかりが健全な姿とも思えません。

現地での暴動が先週でピークを越えたように見えるのに、この週末の日本のマスコミは妙に元気いっぱいでした。

この周回遅れの反応が作り出すムードが、政治家の言動にハレーションを起こし、外交面において思わぬ雑音になることを恐れます。

そして、この雑音が株式市場に届かないことを祈るだけです。
寺本名保美

(2012.09.24)



自分の身は自分で守る

投資対象を判断するとき、そこにリスクがあるかないかを問題にするのではなく、そのリスクを管理できるかできないか、という視点で判断します。

以前、私が投資判断で大きく失敗した事例の多くは、リスクの所在と大きさを運用者側と共有できたところで、安心してしまったことに由来します。
リスクの存在を認識していてくれれば、事前に何等かの回避行動をとってくれるだろう、回避できるだろう、と思ったことに間違いの素がありました。
もちろん、リスク感を共有できない運用者にはそもそも委託をすることもありません。

それ以来、リスクの所在を認識した後に、自分でそのリスクをマネージできるかどうかに判断の重点を置くようになりました。
簡単いえば、逃げられるかどうか、避けられるかどうか、です。

だから、基本的には、流動性リスクや、政治リスクや、ストラクチャーリスクを好みません。

運用者を信用していないわけではないのですが…
寺本名保美

(2012.09.21)



繰り返す?

タクシーの運転手さんと話していると、事故をおこすドライバーは何度でも繰り返す、といいます。

それを企業に置き換えても多分同じで、特に金融業では顕著かもしれません。

証券会社での違反や犯罪が摘発される度に、この話を思い出します…

寺本名保美

(2012.09.20)



大きな傘ください

青い空にポッカリと浮かぶ、真っ黒な雲の塊。

強風にあおられて、フワフワと移動するので、あちらこちらで間欠泉が逆立ちをしたような土砂降りをもたらします。

金融市場の天候も、時々晴れ間が見えるものの、大きな雨雲が行ったり来たりの荒れ模様であることには変わりありません。

今日は日本銀行の政策決定会合最終日です。

大きな傘を用意してくれるかどうか、市場の期待が高まっています。

今の天気、傘があまり役にたたないことが多いのですが、ないよりはましなので…
寺本名保美

(2012.09.19)



いつまでもエマージングと呼ばれたいですか?

エマージング諸国において、先進国の大使館等への暴力的な行動が急激に増加しているように見えます。

エマージング(新興国)と、先進国との差異が、経済的にはなくなってきているようにみえていますが、本当にそうなのかと考えさせられる事象です。

グローバルな金融取引というものは、対外的な信用、つまり約束を守る、という原則によって成り立っているものです。

対外債務が維持できないほど巨大化し、約束を守ろうにも守れないタイプの破たんがある一方で、経済的な理由ではなく約束の履行を反故にするタイプの破たんもあります。

国際的に信用力が高まり、グローバルな金融取引の対象国として認められるには、この後者のリスクがないと国際社会に認めさせる必要があるのです。

格付けやGDPだけであれば、とっくに先進国となっているはずの国々が、なぜエマージングと分類されているのか。

その答えの一つが、今見えているように思えてなりません。
寺本名保美

(2012.09.18)



ほぼ出尽くした米国、そして?

昨晩のFOMC。
大方の予想の満額に近い結果になったようです。
欲を言えば、買入れ対象に米国の長期国債を入れて欲しかった、というところのようですが、そこまで政策を払底させることはむしろリスクになるでしょう。

バーナンキ議長の発言の中でもう一つ注目されたのが、「米国の財政の壁」の話です。
金融危機や雇用問題への対応については、できるだけ頑張るが、財政の壁が崩壊した場合に想定される経済減速については、全く責任が持てないと宣言しています。
逆に言えば、今回国債の買い入れまで踏み込まなかった理由は、そのあたりにあるのかもしれません。

さて、残るは日本。
IMFは日本の為替介入について異議を挟まない、と異例のコメントを出してきています。
この半年、株式市場の期待を裏切ってきた日銀。
動けば面白いのですが…
寺本名保美

(2012.09.14)



実需と金融の距離感

実需の方と話していると、金融業というものを所詮虚業と忌み嫌う層と、先進高度技術の塊と崇める層とに、大きく大別されるように感じます。

「金融」言い換えるなら「資本・調達市場」というものは、実需とは無関係に存在しているのではなく、また金融で使われる技術も発生するリスクの発生メカニズムも基本的には実需のそれと近似したもので、何も特別な分野ではありません。

特にリスクの発生という観点からみると、金融は実需に比べ極めて勝率の悪い、つまり失敗の多い業界であるであるので、「失敗学」の実証分析対象としては、非常に有効な分野でもあります。

実需は金融を色々な意味で上手に利用しなければならないのですが、利用するためにはアレルギーを持たずに理解する必要があります。

21世紀に入ってから、米国では実需と金融が近くなりすぎたことでがサブプライム禍など様々の問題を引き起こしたのは事実です。
それにしても日本での実需と金融の距離はいくらなんでも離れすぎています。

お金儲けの教育、ではない、本来の金融教育の必要性をやはり強く感じます。
寺本名保美

(2012.09.13)



ちぐはぐな楽観

昨晩の米国市場の値動きは、非常にチグハグなものとなりました。

久々に通貨市場では米国財政と格下げ懸念がテーマとなった一方で、株式市場は相変わらずQE3にしか興味がなさそうです。

今週のFOMCでQE3が決定されると予想するアナリスト比率がロイターの調査によれば6割を超えたそうです。
この場合の「アナリスト」が、金融政策の専門家を指すのか、株式アナリストを含むのか、よくわかりませんが、金融政策側から聞こえてくる予想はここまで高くないような気がしています。

株式アナリストのQE3に対する期待度が高まっているのは事実でしょうが、期待度が高くなりすぎた結果としての米国株高であるとすると、少しこの後の反応が怖い気もします。

人々の目がQEに引付けられている裏側で、欧州各国は相変わらずもめています。
上ってくれるのはうれしいのですが、楽観ばかりも言っていられない環境ではあります。
寺本名保美

(2012.09.12)



アジアの時代の端境期

アジア経済の調子がどうも芳しくないようです。

昨日は、中国版エコポイント?や韓国での大規模減税などの消費刺激策が発表されています。

国内のインフラ投資が一巡し、更にグローバルな景気後退から設備投資にも陰りが見えるなか、どこの国も個人消費等の内需依存が高くなってきています。

一方で、内需の最大の刺激剤である株式や不動産などの金融市場の動きが冴えず、各国とも思ったような内需転換ができていないのが現状です。

くに興しの内需、産業興しの外需。その次の一手が難しいのは何時の時代も何処の国も同じです。

アジアの時代が本当に来るのかどうか、世界が警戒しつつ注目しています。
寺本名保美

(2012.09.11)



短期の期待と中期の恐怖

米国の雇用統計が「期待通り」悪く、今週のFOMCでの再緩和期待が高まった割には、株式市場の反応は鈍いものに終わりました。

さんざん再緩和を材料に上げてきただけに、いまさら買ってもしかたがない、というのも一つの理由かもしれませんが、もう一つは雇用統計がオバマ大統領の再選の最大の障害であることも、市場を気迷わせた一因でしょう。

政権が交代することで、おそらくFRB議長も代わることになります。

バーナンキ氏が推進してきた量的緩和(QE)が、景気浮揚に貢献しているか否かには議論の余地があるにしても、欧州金融危機に際してのセーフティーネットになっていることは間違いありません。

QEに否定的なロムニー政権になることで、これまで米国の果たしてきた金融システム全体に対する役割が見直されることについては、今はやはり恐怖感があります。

選挙という全く読めない材料を相手にするのは、とても厄介です。いつなにがきっかけでポジション調整が起きてもおかしくない環境になりつつあります。
寺本名保美

(2012.09.10)



一息

ドラギさんによる、欧州国債無制限買入れ宣言。

「無制限」という言葉は魅力的に聞こえますが、一か月前の議論に出ていたような、国債利回りにターゲットを定めて買い上げる、という主張からみれば、むしろ後退した感もあります。

とりあえず市場価格は買戻し優勢で急反発したものの、エコノミストや識者のコメントは、ドラギさんがかわいそうなぐらい冷淡です。

大底が抜けるのを回避するための、一時しのぎであることはバレバレではあるものの、それでも何もやらないわけにはいかないという、今の欧州の置かれた立場がよく反映された政策ともいえます。

これで日本株も一息つければいいのですが。
寺本名保美

(2012.09.07)



お隣だから

それにしても日本株式が弱いです。

財政リスクは相対的にないものの、地政学的リスクが高まっているように見えるのもマイナス要因かもしれません。

お隣通し仲良く、というのは子供達の世界で、お隣通しだから仲が悪い、というのが大人の世界。

ギリシャがドイツに戦中の賠償金支払いを持ち出してきているとの話もあり、どこの地域もお隣付き合いは難しそうです。

寺本名保美

(2012.09.06)



大山鳴動して…

昨日金融庁から、「…資産運用に係る規制・監督等の見直し(案)…」が発表されました。

投資一任業者に対する一斉調査の結果も同時に発表されて、これでAIJ事件以降の一連作業が厚労省・金融庁とも終了したようです。

少なくても金融庁関連に関しては、実質的な変化は特になし、ということになっています。
信託銀行協会から事前に出ていた案のように、ファンドの基準価格を信託銀行が直接入手できるようにする、ということが明記されたことぐらいでしょうか。

余分な規制強化は資産運用業界の健全な成長を阻害する、という方々への配慮が十分に行き届いた結果となったようです。

規制が強化されようがされなかろうが、健全な会社は健全に成長すると思うのですけど。

お役所作業は終わったので、あとは現場の関係者自身の反省と自覚が残るのみです。
寺本名保美

(2012.09.05)



番犬注意

今週号の「年金情報」に、コンサルタントの機能についての小論を掲載させていただきました。

我々は、番犬でありたいと思っていて、ここ掘れワンワンのシロになりたいとは思っていません。

おいしい獲物を見つける狩猟犬の本能より、障害物を避ける盲導犬のスキルの方が大切だと思っています。

まぁ一応犬らしく、それなりに鼻は利きますか、匂いにつられて、飼い主の引き縄を引き倒してはいけません。

最後に、番犬なので、、、多少は獰猛です…
寺本名保美

(2012.09.04)



選挙だ選挙だ

グータラとした夏休みが終わり、グータラとした市場に戻ってきました。

身体も重いですが、市場も重い。

家に居るとテレビを見る機会が十倍に増えました。
おかげ様で、民主党と自民党の党首選についてはやたら詳しくなりました(苦笑)。

で、野党となっている間に、随分と自民党というのは鷹っぽくなったものだと、いうのが感想でしょうか。

経済政策では民主も自民も大差ないので、いっそうのこと大真面目に憲法改正を主題にした総選挙にでもしてみればいいのではないかとも思ったり。

米国では、野党ロムニー候補から再任しないと宣言されているバーナンキ議長がややレイムダック(死に体)になりつつあるのが心配です。

いずれにしても、選挙の季節の到来です。
寺本名保美

(2012.09.03)


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