2014年11月の思いつき


明日はプチお引っ越し

今週末、敷地内でのプチ引っ越しをします。

弊社創業来、歩いて移動できる範囲内でしか動いていないのですが、今回もそれを踏襲します。

それでも、個々の荷物整理は普通の引っ越しも同じなので、昨日から段ボールとシュレッダーと机の間の行ったり来たりで、気が狂いそう!です。

こんなに、沢山シュレッダーするなら、とっとと捨てておけばいい、と思うのは毎度のことですが。

机の整理、頭の整理、気持ちの整理。
週末一気に片付けて、また来週からがんばります。

寺本名保美

(2014.11.28)



これも先送り

今回の総選挙で、日本郵政の上場が、来年後半に後ろ倒しになる可能性が高くなったとロイターが報じています。

個人的に、郵政株の市中売却の完了が今の株式の上昇相場の一つの節目になると勝手に思い込んでいる私としては、これで相場の賞味期限が少々伸びたと喜んでいます。

解散発表後の一週間で、海外投資家は一時的に大きく日本株を売り越したとみられています。

選挙結果や高値警戒感から、投資意欲が減退している中において、大型上場の先延ばしは、足元の市場環境にとってもプラスです。

とはいえ、日本の財政再建の大きな構成要素である、消費税と郵政売却が共に先送となることが、海外投資家からどう見られるのか、やや心配でもあります。

寺本名保美

(2014.11.27)



物価のお国柄

東京でのバイト単価が過去最高を記録したと、今日のニュースで報じられています。

確かに近くの定食チェーンに貼られているバイト時給がいつの間にか4桁となっていることに、先日気づいたところです。

大企業にはベースアップを要求しつつ、身近な人件費の上昇が価格に転嫁されると問題視するような社会風潮は、長いデフレ環境に慣れ過ぎてしまった結果でしょうか。

そういえば、カナダでの石油開発ブームの為に、労働単価の安い牧場からカウボーイの人材が流出し、牛肉価格が上昇しているという記事を見かけました。
各国それぞれ物価の連鎖にもお国柄がでるということです。

寺本名保美

(2014.11.26)



スーパーの変化

最近改装した近くの大手スーパーに行ったところ、売り場コンセプトが明らかに変化していました。

これまで「廉価で沢山」を意識した海外産大盛生鮮食品は見当たらず、国内で且つ生産地や生産者を前面に押し出したディスプレイとなりました。

無機質に切り身が並んでいた鮮魚売り場には、対面式の作業場が作られ、尾頭付きの魚を希望に応じて捌いてくれます。

惣菜やお弁当も、街のワンコインに対抗するものではなく、原材料を明示したラインナップに変更されました。

私にとっては好ましいことなのですが、それにしてもこの数年のトレンドをいっきに引っ繰り返したような変化に少々驚いています。

もちろん、その分単価は高くなっている(と思われ…)はずで、消費者がこの変化についてこられるという確信がこのスーパーに生まれたのか、この店舗だけトライアルしてみたのかは定かではありません。

デフレ脱却が掛け声倒れにならないかどうかの小さな試金石として、興味をもって見ていきます。

寺本名保美

(2014.11.25)



面白そう

解散が決まりました。

昨日あたりから、少し各党の公約案のようなものが報道され始めていますが、やはり与党であることを後ろ盾としている公約の強さは際立っているように感じます。

消費税10%導入時点での、生活必需品の除外適用など、政治的には通したいが、霞が関との調整が必要という案件を、選挙公約に掲げて選挙に勝ってしまえば、この後の省庁との調整もやりやすくなるでしょう。

カジノ法案についても、どこの党が公約とするかは知りませんが、選挙を通過させることで、世論の大勢は獲得できます。

力がない政権や政権交代の可能性のある選挙は、次の党首がみえないためにむしろ政策論争にはなりにくいのですが、政権が維持されることがある程度前提となっている選挙では、むしろ一つ一つの政策に焦点が当たりやすくなります。

そういう意味において、今回の選挙を良く見てみれば、今後の経済運営の方向性も見えてくるかもしれません。

焦点がないとか言われていますが、結構面白い選挙戦になるような気がしています。

寺本名保美、

(2014.11.21)



120円の時代

ドル円がとうとう120円台目前となってきました。

この水準は2007年と2003年以前とで経験しているので、単純にチャートだけみれば、違和感のある水準ではないのですが、その時点での米国金利の水準を考えると、やはり少しピッチが過ぎるようなきがします。

2003年も2007年も米国の長期金利は5%前後にいた時期で、ゼロ金利の日本との長期金利格差は、3%~4%ありました。

今の日本の長期金利の0.5%というものをどれだけ正当化するかどうかは別としても、米国の長期金利が早晩5%まで上昇するシナリオはまだ描けません。

もちろん実際に為替を動かす金利差は、超短期から中期までの金利差なので10年金利はイメージでしがないのですが、それでも違和感はあります。

今の市場金利が織り込んでいる以上に、米国長期金利の上昇スピードが速いと、為替市場が見込んでいるということなのが、日本の財政リスクを材料に「少し」円を売ってみようとする人が出てきたということなのか。

後者を材料にして、大損をしてきたヘッジファンドの歴史を考えると、単純に米国経済の強さに反応しているだけなのかもしれませんが。

寺本名保美

(2014.11.20)



住宅と内需

今も昔も、日本人にとっての最大のお買物は「家」です。

90年代の不動産バブルの終盤に、妙に伸びた個人消費のことを「諦め消費」と称したことがあります。

不動産価格の高騰で、持ち家を買うことをあきらめた世帯が、頭金にと貯めていたお金で、自動車や電化製品などの高額消費に走ったからです。

今回話題のGDP統計を見てみると、不動産関連のマイナス幅の大きさが気になります。業界の方々とお話していても、昨年の10月以降、個人の持家市場での停滞感は異常なほどだとおっしゃいます。

さて、消費税の引き上げの次のターゲットが2年半後の4月と設定されました。

ここから2年半、住宅市場がどのタイミングで動くのか、動かないのか。動かすために再度手を打つのか。諦めるのか。

個人的には、日本の消費も内需も、そろそろ住宅市場離れが始まっているようにも思えあまり心配はしていないのですが。

寺本名保美

(2014.11.19)



がんばれ!

Bloomberg に出ていた表題『消えたアルファの謎、犯人はFRBかアップルか-いや運用者か』、を見てうなずきました。

たまたま社内で、だいに四半期までのアクティブ運用のまとめの資料を見ていて、私も同じことを思っていました。

私の場合は日本株も含まれるので、ここにもう一つ"GPIFか"、とい単語が付け加わります。

日本にしろ米国にしろ、中長期的な上昇局面にある、という認識はファンドマネージャーには違和感なく受け入れられてきたはずなので、超過収益がとれない理由は市場の方向性の当たり外れとは関係なさそうです。

9月10月とようやくアクティブが機能する局面が見えてきた矢先の11月の乱高下。

上記の犯人達の悪さはまだ当分続きそうな気配のなか、ファンドマネージャーの方々の奮起に期待しましょうか。

寺本名保美

(2014.11.18)



ある種よくできた展開?

10月末から続いてきた「不意打ち」の嵐が、今回のマイナスGDPに起因していると考えると、辻褄があってきます。

中途半端なプラス数値がでるぐらいなら、思い切ってマイナスを!と誰が思ったかどうかはしりませんが、ある意味においてとても良くできたストーリが展開されているようにも見えます。

消費税引上げ延長が株式市場にマイナスの影響を及ぼすのは、長期金利に上昇懸念が発生するシナリオにおいてですが、どういうわけが今日は債券も買われており、今のところ波乱はなさそうです。

さて、これで本当に選挙に突入。

上を追うのは難しく、下には公的の買いが控え、国内株式市場は当面こう着してしまうかもしれません。

寺本名保美

(2014.11.17)



いま見えていないリスク

昨日書いた視界不良な原因が、私の目が曇っているからならよいのですが、何か今見えていない地雷源が潜んでいるから、という可能性について考えています。

今の世界経済の最大のリスクは中東ではなくて「欧州景気」にあるように見えます。

欧州景気の先行きを左右しているのがロシア景気であり、ロシア景気を左右しているのが原油価格。

通常世界景気が上向けば原油価格の需要は高まるはずなのですが、今回は景気が良いのは米国一国。でかつ米国はエネルギーの自給国になりつつある、という状況において原油価格は下がり続けています。

こうした状況では米国経済とロシア経済との景気の方向性の乖離は拡大し続け、ロシア経済への依存度の高い欧州への下方圧力は高まり、世界経済に嫌な歪みが溜ります。

今回の日本における「消費税よりも景気刺激策を優先するための選挙」という奇策が正当化される場面が今後出てくるとするならば、それは例えば上記のような潜在的歪みが大きく爆発する局面が起きた時かもしれません。

日本、いや地球のどこかで、そのような局面を想定している人々が居るかもしれない、という程度の懸念を持って、やや身構えていたいと思っています。

寺本名保美

(2014.11.14)



微妙なヒビ

日銀のバズーカ緩和は消費税引上げが前提だったと、黒田総裁が発言し、消費税は政府の判断だと菅官房長官が発言する。

お互いごもっともなことをおっしゃっているわけですが、これらの発言の問題は、この総選挙騒動以降、これまで頑強な一枚岩に見えてきた官邸と日銀との関係に、微妙なヒビが入ったように取られるところにある、のかもしれません。

アベノミクスの最大の功績は「黒田緩和」を引き出したところにあって、それ以外には目立ったものはありません。

安倍ー黒田ラインの崩壊は、アベノミクス崩壊に繋がります。

何故これまで黒田総裁がアベノミクスに協力してきたのか?
日銀にとって一番大切なことは何なのか?
とかを考えてみると、私が総裁であったとしても、このタイミングでの増税引き伸ばし総選挙は納得できません。

まあ、実際のところは、もっと裏側で大人の会話が成立しているのかもしれませんが…

寺本名保美

(2014.11.13)



???

現政権の金融市場に対する本気度を舐めてはいけないと思いつつ、ここまでそれなりについてきましたが、昨日からの解散騒ぎで、とうとう視界が途切れました。

先週国会で日銀の理事が言っていたように、日銀緩和の経済効果は今のところ資産効果に依存しています。これが実態経済に波及するまでのタイムラグが埋まるまで、株式市場には先高感が維持されなくてはなりません。

株式市場のために解散権を行使するわけでは当然ないのでしょうが、今このタイミングで、株式市場にマイナスとなるような解散を決断するはずはありません。

であれば、何を争点とすれば、株式市場にポジティブな選挙になるか、なのですが、それがさっぱりわからない…

すみません。しばらく判断停止で、様子見ます。

寺本名保美

(2014.11.12)



ロシアへの杞憂

ロシアが変動相場制への移行方針を発表しました。

不必要な介入を避け、市場原理に従う、という表現にとりあえず市場はポジティブに反応しています。

経済が混乱している国にとっては、通貨を切り下げることが、一つの切り札でもあり、ギリシャのようにユーロに縛られデフレが止まらない状態に比べれば健全な過程ということもできます。

一方で、今回の決定が、ロシアの外貨不足によるものだという認識が市場にでるリスクは、潜在的に大きいと言わざるを得ません。

資源を掘って売れば外貨など湯水のように稼げる、はずのロシアで何が起きているのか、やはり心配ではあります。

寺本名保美

(2014.11.11)



欧州の陰

スペインのカタルーニャ地方で行われた「非公式な投票」が話題となっています。

スペインからの独立の是非を問う投票だったのですが、住民540万人中200万人が参加し、8割が独立賛成の意思を示したそうです。

もちろん投票に行ったのは、
賛成の人が中心であるのは自明のことですから、8割と数値にはあまり意味がないですが、絶対値としての160万人という人数は、それなりにインパクトがありそうです。

このところ、南欧の金融機関の健全性の問題が再び再燃しつつあります。

ロシアのルーブルの急落も気になります。

日本のバズーカや、米国の雇用統計に一喜一憂している裏側で、欧州の「陰」が膨らんでいることが、気にかかります。

寺本名保美

(2014.11.10)



触媒先送り

今国会での、IR法-カジノ法案の審議入りは見送られる公算と、報道されています。

私はカジノについてよい悪いを言うつもりはないのですが、地域活性化の一つの柱になる大規模プロジェクトとして期待していたので、少し残念です。

内部留保を企業に吐き出させるには、何らかの触媒が必要で、その触媒候補として複合リゾート法案は、それなりな効果があると思っています。

これで当分日銀の当座残高は積み上がるばかりです。

寺本名保美

(2014.11.07)



そして中央銀行だけが残った

米国の中間選挙では、想定通りに上下院の支配権が共和党に移り、議会と大統領との捻じれだけが残りました。

これで米国は2年後の大統領選に向けての政治ショーの季節に入り、実質的な政策決定は全て先送りとなります。

ということで、これからの市場の注目は、ただひたすらFRBの金融政策に集中することになりました。
欧州や地政学リスクなど、周囲には少なくない火種があるなかで、歴史的な金融政策の転換点を決断しなければならないイエレン議長は少しかわいそうな気もします。

一方で、日本の中央銀行総裁。
昨日の記者会見にしても、きっぱりしすぎて、少し怖いぐらいです。
ウダウダした答弁をしているその辺りの大臣方とは大違いで、どちらが政治家なのかよくわかりません。

そして、此方も彼方も、中央銀行頼りという、やや怪しい状況に陥っています。

寺本名保美

(2014.11.06)



将来不安と雇用

夏のボーナスか、1991年来の伸びとなりました。

契約先の業界団体の経営者の方々のお話を聞いていると、総じてボーナスは伸ばしているものの、給与は据え置き。
人員減少は止まったものの、増加には踏み切れず。
といった感じてしょうか。

今が良ければよいほど、先行きの反動減への懸念が高まるという印象を受けます。

この経営者心理を根本的に改善させるためには、どんな方策があるのか。

目先の景気対策よりも、この辺りを真剣に考えたほうがよいのではないかと思っています。

寺本名保美

(2014.11.05)



お膳立て完了

もちろん当人方は否定するでしょうが、日銀とGPIFと官邸と、消費税引き上げについては完全に利害は一致します。

そういう意味では、各々が自らの使命に忠実な行動を取ったということで、文句のいいようはありません。

先月の国際会議来、グローバルにも消費税引き上げにはやや慎重な意見が増えていた中、引き上げに対する現政権の非常に強い意思を示したということができそうです。

さて、次の課題は、いよいよ本丸の消費税。

やや強引とも見える今回のお膳立てが吉と出るかどうか。
少し慎重に見ていきたいと思います。

寺本名保美

(2014.11.04)


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