2016年04月の思いつき


踊らないなら笛吹かない

日銀が何もしなかったことよりも、何もしなかったことを受けて3円吹っ飛んだ為替市場の値動きに驚きました。

「笛吹けど踊らず」の状態が継続しているなかで、笛の音量を大きくしても無駄。
もっと良い音色の笛の音が聴きたいなら、とりあえず踊ってみてから言っておいで。

と、私が日銀さんだったら思います。

先週来の金融機関に優しいマイナス金利騒動が剥げただけ。

あわてずにいきましょう。

寺本名保美

(2016.04.28)



日本株市場

日本株が心配です。

元々今年は、金融相場や政策依存相場からの脱却というのが、私の中での株式市場の大きなテーマでした。

エアバッグから始まって、ゴム、そしてエンジンと、日本の基幹産業である自動車業でのトラブルが続いてしまいました。

総合電機のリストラクチャリングそのものは悪いことではありませんが、そのきっかけや過程においての不透明さも気にかかります。

日本の製造業の底力を信じつつも、「日本株式会社」全体として海外からの視線が厳しくなっていることを意識します。

このままでは、日本株市場が再び、政策次第で乱高下を繰り替えす鉄火場に戻ってしまいます。

個々の企業の良さが、正当に評価される市場に戻ってくれることを期待せずにはいられません。

寺本名保美

(2016.04.27)



無理だと思う

ここのところ問題児化しているサウジですが、国営石油会社を上場させた資金を原資に2兆㌦の国家ファンドを作り、2030年までに原油輸出依存の経済構造を転換させるという構想を発表しました。

なんというか。

原油収益での国家運営から、グローバルな投資収益での国家運営というのは、川上の市場リスクが川下の市場リスクに移動しただけで、経済の不確実性は何ら改善していないように思えます。

ノルウェーでも似たようなことを聞きますが、そうは言ってもノルウェーの場合は原油関連輸出の対GDP依存度は15%程度。原油資産を原資としたSWFははあくまでも、国民の福祉の源泉であって、経済の基盤ではありません。
サウジの場合はGDPの50%、財政収入の8割近くを石油輸出に依存し、他に産業らしいものは全くありません。

あのロシアでさえ、資源依存を脱却し、IT技術者を増やそうと言っているこのご時勢において、200兆円の国家ファンドを作りましょう、という以上の話がでてこないところに、この国の問題の根深さを感じます。

この話が成功するとはとても思えないのは、日本のGDPと市場規模をもってしても、150兆円という金額を持て余しているように見える我が国の公的年金を見ているからでしょうか。

寺本名保美

(2016.04.26)



金融機関どの

先週後半に突然浮上した「銀行に優しいマイナス金利」。

銀行に優しくしたら、実業に本当にお金が回るのですね??????

銀行のコストが下がったら、本当に貸し出し金利も下がるのですね??????

そうでなければ、こんな政策を日銀が打つ必然性は全くなく、

そうであるのなら、金融株が急騰する必然性は殆どない。

日本が何時までもデフレから脱却することができず、何時までも構造改革が進まないのは、他のどこでもない日本の金融機関に原因があるような気がしてなりません。

市場が堅調であるのはうれしいのですが、金融機関発の我が儘コメントには、背筋がムズムズするぐらいの苛立ちを感じる昨今です。

寺本名保美

(2016.04.25)



よくわからないリスク…その2

日本ではあまり認識されていない「9.11問題」が、「9.11法案」として、金融市場の潜在リスクに浮上してきました。

サウジと9.11テロとの関係を疑わせるとされる9.11文章問題については良くわからないのでコメントは避けますが、「9.11法案」については知っておいた方がよさそうです。

米国では、外国主権免除法というのがあり、「主権国家が他の国家の裁判権に属することはない」ことになっているそうです。

9.11法案は、9.11テロに関してはこの法律の適用除外とすることを定めるもので、もしこれが通ると9.11テロの責任があるとされる国家に対し、米国国民が損害賠償請求をすることができるようになります。

問題は、この対象にされそうな国が「サウジ」であるとされていることで、更に問題は、この法案が通るなら「サウジは接収される前に保有している80兆円相当の米国資産を売却する」と、サウジの外相が言ったと報道されたことです。

オバマ大統領は、この法案に署名するつもりはないと明言しており、当面問題はなさそうですが、次期大統領への不透明感が強い現状において、少々厄介な潜在リスクです。

本当に今年は色々なことがあります。

寺本名保美

(2016.04.22)



金利アタマの整理

企業には資金が余っている。
金融機関には資金が余っている。
国には資金が足りない。

企業には資金を使う予定がない。
金融機関には資金を使うつもりがない。
国には資金を使うあてが幾らでもある。

企業の資金調達コストは殆ど変わらない。
金融機関の資金調達コストは下がらない。
国の資金調達コストは明確に下がった。

ここから導かれる結論は、今のうちに国が最大限の借金をして、バンバン公共投資を積み上げましょう!ということになります。

この当たり前の結果から導かれる当たり前な将来的破綻を未然に防ぐには、上の3つの箇条書きのいずれかを決壊させなければなりません。

どこから、手をつければいいのか。
個人(家計)と海外という触媒を、どう活用していけばいいのか。

とりあえず、国と同じように、民間の資金調達コストを明確に下げるあたりからでしょうか。

寺本名保美

(2016.04.21)



周回遅れがやっと

先日発表された「次期 日本再興戦略」の資料を見て思ったのは、周回遅れのランナーが、ようやくスタートラインに立った、ということでしょうか。

ドイツや米国で2013年辺りから国家プロジェクト化していたものをそのまま踏襲している感じです。

周回遅れでも、踏み出さないよりはマシなので、とりあえず国内に方向性を示しただけでも前進なのかもしれません。

逆に言えば日本独自の新規性は全くありません。とりあえずは金融行政に頼って2年間何も決めてこなかった政治のつけを、これからスピード感をもって解消しながら、日本独自の味付けを探していくしかなさそうです。

それにしても、民間議員として参加している三木谷さんのプレゼン。カタカナが多すぎて、さっぱり頭に入ってきません。
金融機関出身者の悲しい悪癖でしょうか。

寺本名保美

(2016.04.20)



平凡が一番

WSJのコラム「オピニオン」に『クリントン氏は優れた首相になれる』という文章が掲載されています。

米国の大統領には、「首相」と「国の象徴」との二つの役割があるが、クリントン氏はこの内優れた首相になる資質がある。
というものです。

逆に言えば、大きなリーダーシップをもって国を引っ張っていくような強烈な個性や明確なビジョンを持っているわけではない、
と言っています。

オバマ時代に米国はあまりにも大きく変化しました。
変化の道筋は出来ているものの、道はまだ半ばです。
次の大統領には、現政権の敷いた軌道から大きく外れない人が望まれているのかもしれません。

米国の現政権が、残り半年で尚レイムダッグになっていないのは、主は変わっても、路線に変更がないことを、ホワイトハウスの人々が信じているからなのでしょう。

これもそれも、無難にクリントン政権ができればの話ですが…

寺本名保美

(2016.04.19)



そしてロシア…

ドーハの悲劇、というよりも、ロシアの悲劇、と言った方がよいのかもしれません。

産油国によるドーハ会合は、案の定、原油増産停止の合意をすることができずに終わりました。

ロシアのTASS通信の英語版などを見ていると、ロシアが今回の合意に並々ならぬ期待をしていたことが窺えます。

ロシア政府の年度初の想定原油価格は50ドル。年明けに20ドル台まで下落する過程において、30ドル半ばに想定価格を引き下げるコメントが出ていました。

増産回避の報道後、原油価格は40ドル台まで戻っており、このまま合意できれば、経済政策運営上とりあえずは一安心だったのかもしれません。

内政でもやや問題含みのプーチン政権への逆風もあり、ロシア動向
について、やや懸念を持ちながら見ています。

寺本名保美

(2016.04.18)



国としてのBCP

昨晩の9時半過ぎ、たまたま為替を見ていました。

熊本の地震の直後に、ストンと円が売られました。

こういう時、外から日本がどう見られているのか、よくわかります。

中央省庁の地方移転が文化庁以外進んでいません。

地方活性化とか、東京への人口集中とか、の問題からではなく、究極のBCP(事業継続計画)としての省庁分散が必要なのだと思います。

自然の恵みで潤い、自然の脅威と戦い続けることが宿命である日本であることを、あらためて認識しています。

寺本名保美

(2016.04.15)



卓袱台返し、の気分

決定事項であったはずの消費税を先伸ばし、TPP法案の成立も先伸ばし、経済対策の目玉は実質的な財投債の復活。

この国はいったい何をしているのか?

株価が戻ればいいというものではありません。

黒田日銀が極端な円高を修正することで「センチメント」を上向きにすることで「地盤工事」を行ったものの、待てど暮らせど「建築図面」すら上がってこない。

待っている内に台風も来て、大雨も来て、せっかく整備した地盤にペンペン草が生え始め、土壌改良工事が必要となり、0.1センチほどの厚みで表面の土を取り除き。

それでも出てくるのは設計図ではなく、とりあえず道路整備?

もう、いい加減にしてほしい。と私が黒田さんだったら卓袱台返してます。

何度もいいますが、、、政治家、働け!

寺本名保美

(2016.04.14)



金融指標はおいておいて

IMFの世界経済見通しで、今年度の日本の成長率見込みが1%から0.5%に大きく引き下げされました。

同時に発表された来年度見込がマイナスとされ、それを消費税の引き上げ論争と絡めて、大きく報道する傾向も見られますが、ことの重要性は今年度大きく引き下げられた方にあります。

今年度を含め、実質ベースの発射台が低いので、そこに消費税のマイナス効果を入れると水面下になってしまうという話をしているわけで、問題は消費税ではなくて、足元です。

黒田緩和以来、インフレや株価や金利といった金融指標に政府も国民も振りまわされ過ぎている気がします。

国民は違うというかもしれませんが、実際に株価が下がり円高となれば、アベノミクス失敗?!という文言が、飛び交ってしまっているは事実でしょう。

IMFに指摘される日本経済を覆う停滞感の原因がどこにあるのか。
株価や為替を一旦横に置いて、もう一度考えなおしてみた方がよいのではないかと思っています。

寺本名保美

(2016.04.13)



読めない世論

この間まで、トランプさんが大統領になったらどうなるか?と心配していたら、このところサンダースさんが大統領になったら、という心配が頭をよぎります。

英国のEU離脱も、常識的にはありえない、と思いつつ、このところ、まさかね、と思ったりもします。

ネットを中心にした一方方向の世論形成と、それをコントロールできない政治の弱さが、リスクとして顕在化しつつあるように見えるのです。

英国の国民投票のに向けての動きが、これからの各国の選挙動向にも、影響を与えそうな気がしています。

寺本名保美

(2016.04.12)



没個性の連鎖

新入社員+就職活動生が街を闊歩しています。

お箸が転げても嬉しいお年頃を見ているのは嫌いではないのですが、どうも昨今の真っ黒けスーツには、正直辟易としています。

学生のリクルートスーツが「黒」になったのは、何時の頃からだったのでしょう?

少なくても、、、と言っても遠い昔ですが、我々のリスクルートスーツは紺やグレーだったし、男子学生はブレザーにネクタイ、というスタイルだったように思います。

学生が黒スーツが無難である、と判断する基準は、各社の人事担当者にあります。

没個性のつまらない学生の先にはつまらない人事がいて、つまらない人事の先にはつまらない経営者がいて、つまらない経営者の先にあるのがつまらない企業業績…

学生や新人の没個性を嘆く前に、人事部の没個性を嘆く方が先なのではないか、と考えてしまうのは、どうにも主体性のない我が国の株式市場を見ているからなのでしょうか。

寺本名保美

寺本名保美

(2016.04.11)



オフショアへの深刻な誤解

「パナマ文章」に対し私が懸念した理由の一つは、今回の件で「オフショア」や「オフショアに設立されたファンド」に対する「深刻な誤解」が蔓延する可能性を危惧したからです。

もう一度書きます。深刻な「誤解」です。

何故多くの投資ファンドが「オフショア」で設定されているのか、少し長くなりますが簡単に説明します。

有価証券の配当に関わる税法や取引に関わる税法、また売買損益に関する税法や会計方法等は、国によっても異なりますし、法人の性質によって異なります。

ファンドというものは、そもそも複数の主体からの資金を集めて、一つのまとまった資金として合同運用する仕組みです。

日本の金融機関だけとか日本の個人だけ、といったように税法や会計方法が同じ資金だけを集めてファンドにすることもありますが、グローバルに運用をするファンドの多くはより広範で多国籍な主体から資金を集めることで、投資家層の分散や資金量の拡大を目指しています。

税法や会計制度が異なる多様な主体が集まって運用するにあたっては、従うべき会計や税法を共有する必要があり、そのために活用されているのが「オフショア」と言われる租税回避地域です。

オフショアファンドに投資をした投資家は、ファンド内においては配当課税等が回避されますが、ファンドの持ち分から発生した配当等の利益については、自国の税法や会計制度に従って課税されます。

オフショア以外の地域で運営されているファンドの場合、ファンド内での配当や売買利益に対してはファンド組成国の法律と会計制度に従って課税され、更にファンドの持ち分から得た配当等についてはファンドの保有者の法律に従って課税されるといういわゆる2重課税が発生します。この2重課税に関しては各国間の租税条約にしたがい後日還付されますが、手続きは煩雑で資金運用効率上の阻害要因となります。

資産運用そのものはオフショアという税法や会計制度の「中立地帯」で効率的に行い、結果として投資家に利益がでれば投資家はそれぞれが準拠する法律や会計制度に基づき税金を支払う、というのが、オフショアファンドの基本的な概念なのです。

もちろん、租税回避地での法人設立が、マネーロンダリング等の不正行為に使われている可能性を否定しているわけではありません。

ただ、オフショア地域に設立されたファンドに投資しているだけで、脱税や資産隠しをしているかのような、国内外の報道は、明確に否定する必要があります。

悲しいことに、投資先進国であるイギリスのメディアさえ、キャメロン首相がオフショアファンドに投資していたということだけで、批判の対象にしようとしています。

投資低迷国である日本において、こういった論調がヒステリックに大きくなることを、心底恐れます。

アセットマネジメント業界は、それぞれの立場において、今の内に、こうした誤解を生ませない努力を最大限行うべきです。

危機感を持った対応を望みます。

寺本名保美

(2016.04.08)



最終受益者とのコミュニケーション

GPIFが新しいCIOを招聘し、運用リスクを上げたポートフォリオをスタートした時から、期待していたことが一つあります。

それは、如何に収益を拡大するか、ではなく、如何に運用体として最終受益者である国民とのコミュニケーションを深めていかれるか、という点にありました。

150兆円もある組織が、普通に運用すれば、簡単に数兆円単位での損益は発生します。

このことが如何に当たり前の現象であり、投資というものにおいて単年度損益の発生が避けられないものである、ということをGPIFが国民にきちんと説明できれば、この国全体の投資知識レベルは飛躍的に向上すると思ったからです。

ここでGPIFが説明から逃げてしまうことは、GPIFの信頼性を損なうだけでなく、我が国の投資教育上取り返しのつかない失策となるでしょう。

できることからコツコツで、よいので、コミュニケーションの構築を放棄しないでほしいと心から願います。

寺本名保美

(2016.04.07)



リスク下げます

ということで…

弊社の提示するリスク許容度を一段階引き下げました。

(既存のお客様については送付メールまたは、会員専用ページで詳細をご確認ください)

パナマペーパー問題。

スケールが大きすぎ、謎が多すぎ、今後の展開が全く見えません。

「経済的事象で説明できない潜在リスクが発生した場合はリスクを落とす」という弊社の原則に基づき、リスクを一旦下げるべきと判断しました。

日本については、5月のサミット前に景気対策が出てくるのではないかとの期待があり、市場が混乱すれば米国利上げは遠のくとの思惑もあり、下値でのセイフティネットは見えているので、大きな心配はしなくてよいとは思っているのですが、それにしても材料が巨大すぎます。

大きな騒動にならないことを祈りつつ、暫くは身を縮めて様子見です。

寺本名保美

(2016.04.06)



嫌な材料

週末から大きな話題となっている「パナマ文章」問題。

今後の展開次第では一時的なリスクオフの要因になるかもしれません。

こういった、全容が判らないスキャンダルは、本当に始末が悪い。

換金売りが連想される市場、足腰が弱い市場には要注意です。

換金売りされるほど買われていない日本市場は本来蚊帳の外のはずなのですが…

寺本名保美

(2016.04.05)



メガの未来

どうも、最近、我が国のメガバンク、なんだか、私には理解不能です。

目指すビジネスモデルというものが、他のグローバルバンクが撤収にかかっているモデルに周回遅れで乗ろうとしているようにみえ。

国内でのフィンテックという名の元でのサービス拡充は、SNSに対する気持ちが悪いほどの迎合にみえます。

現在の我が国経済における、金融機関としての社会的役割、といったような矜持がどこにも感じられず、金融行政・金融政策に対する不平ばかりが聞こえてきます。

どんな業種であろうとも、どんな大企業であろうとも、社会における存在意義を失った組織はいずれ衰退します。

日本のメガバンクというものが、長く暗い下り坂に差し掛かっているのでなければよいのですが。

寺本名保美

(2016.04.04)



債券怖いというお念仏

そして、「国内債券独り勝ち」で、平成27年度は終了しました。

年度収益5%超も上げられてしまうと、いわゆる債券代替戦略など、見る影もありません。

1-3月だけで4%近い収益を獲得した国内債券市場。
年間で2%以下の標準偏差しかない資産クラスとしては、収益率としては明らかな異常値が出ています。

市場を挙げてのオオカミ少年状態に突入して既に長い月日が経過していることは百も千も承知の上で、今年もまた「債券怖い」というお念仏を唱えながらの、新年度スタートとなりそうです。

寺本名保美

(2016.04.01)


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