2016年05月の思いつき


制裁金という資金移転

パナマ文書騒動から2か月が経ち、サミットでの議題としても消化され、残った影響は俗に言う「ポピュリズム」の加速と、グローバル企業に対する課税強化の加速というところでしょうか。

想定された、新興国の政治的混乱への影響は今のところ限定的で済んていることは何よりです。

むしろ、フランスにおけるマクドナルドやグーグル(アルファベット)への捜査に見られるように、法人課税を巡る動きが活発化しつつあります。

何処の国も財政は苦しく、多くの国では大企業の内部留保が極大化している現況において、企業から国へという資金移転を起こさせるには、格好の材料にされてしまっているようにも見えます。

2008年の金融危機後の米国において、「制裁金」名目で金融機関から国や地方財政に莫大な資金移転が起きたように、今度は欧州各地でグローバル企業への制裁金の嵐が吹くのでしょうか。

寺本名保美

(2016.05.31)



清濁から濁濁

巡航速度の利上げは景気の強さの表れだと言って買われる米国株式。

リーマン並の経済リスクがあるから消費税は上げないと言われて買われる日本株式。

「消費税引き上げ延期を織り込み始めた為替市場」という理解が難しい表現もコメントされていますが、それは消費税引き上げ延期が日本の格下げを示唆するからなのでしょうか。

投資資金というものは基本的に「健全な」市場を好みます。
経済危機のリスクがあって、増税ができず、格下げ懸念で為替が売られるような「不健全な国」には、投資資金は向いません。

元々、清濁併せ飲む傾向のあったアベノミクスが、ここにきて濁濁気味になってきた気がして、とても心配です。

寺本名保美

(2016.05.30)



焦った?

どう贔屓目にみても、今回のサミット関連の安倍首相の言動は奇妙です。

事前外交で、サミット版三本の矢、とか言いだしたあたりから、嫌な感触はありました。

野党やマスコミが言っているように、消費税延期の言い訳だけで、リーマンショックを持ち出したというよりも、むしろ9月に開かれる中国でのG20を意識し過ぎた結果のようにもみえます。

リーマンショック前の事例として挙げられた商品市況のの下落や需要の減退は、先進国よりもむしろ新興国の経済を直撃しています。

苦境にある新興国の首脳に対し、G7こそが財政出動での需要拡大を含めたセイフティネットとなりうる、ということを、安倍首相は証明したかったのかもしれません。

それにしては、あまりにも言葉の使い方や表現の仕方が安易で軽いのは、やはり消費税や選挙を前にした官邸の焦りの表れなのでしょうか。

真意はともあれ、あまりにも不用意だったリーマン発言が、これからの日本の政局に与える影響が心配です。

寺本名保美

(2016.05.27)



手乗りロボットの時代

5月26日は私にとっては伊勢志摩サミットの日、ではなく、手乗りサイズの人型ロボット「シャープのロボホン」発売日です。
伊勢志摩サミット会場にもデモが置かれているとのこと。

ここまで言うなら、自分で買えば?と社内外から言われているものの、20数万円を買う!というところまでは思いきれません。

ただ、この製品を開発したロボットクリエーター(という職種があるのも初めて知りましたが…)の方のコラム等を読んでいると、生活の中にロボットが居ることに違和感を感じなくなる日は想定外に早いのかもしれないと思えてきます。

政府の1億総活躍社会のコアとなるIoT(全てのものがインターネットと接続する世の中)において、人間がネットや技術に振り回わされるのではなく、技術を能動的に使いこなす世の中をイメージした時、手乗りロボットの存在意義が見えてくるような気がしています。

リスクが増えるばかりに見える世の中の変化に苛立つことも多い日々。こういう技術の進歩を素直に楽しめるツールは貴重です。

その内弊社の受付にロボホンが…なんてことは多分、、、


寺本名保美

(2016.05.26)



何事もなく通り過ぎてしまう予感

人間ドックの前に少し節制してみたら、血液検査で「タンパク質が足りない」と言われ、加減が良くわからない昨今…

米国の利上げと、英国の総選挙と、原油価格とが入り乱れ、全く加減が判らない昨今…

伊勢志摩サミットよりも、オバマ大統領の広島訪問の方に、世界のヘッドラインが流れてしまい、金融市場でさえ材料にしないような気配が漂います。

期待されて良いことはあまりないので、それはそれでいいのかもしれませんが。

寺本名保美

(2016.05.25)



人間ドックでお休みです

本日一日不在です。

ちなみに今、私の頭は、このコで一杯…

(2016.05.24)



ないものはない

世界的な金利低下によるインカムの低下を、債券市場の中で補おうとすることのリスクについて、もう一度認識を新たにしなければいけない時期が来ているように思います。

ないモノはないのです。

金利がない世界において、何をどう工夫したところで、ないモノはない。

無から有を生み出そうとすれば、必ず落とし穴にはまります。

リーマンショック時に破綻した、証券化やクレジットデリバティブや保証債権などの各種仕組みが、各国のマイナス金利に刺激されまだぞろ顔を出し始めています。

リーマン時より現在の金融市場には厚みがありません。
リーマンショックの何分の1、何10分の1のショックであっても、潜在リスクが大きく出てくる可能性があります。

サブプライムバブルが始まった2006年から既に10年が経過しようとしています。過去を知らない債券市場になりつつあることも含め、投資家の慎重な選択眼が必要になっていると感じています。

寺本名保美

(2016.05.23)



何も期待しない

今日から仙台でG7が始まります。
ホストが麻生さんと黒田さん。
とりあえず見た目の迫力だけなら合格点です。

G7の直前に合わせたように、米国内で6-7月の利上げ論が再燃しているのには、それなりの意味があるのでしょう。

米国の利上げ懸念再燃のお蔭で、為替介入の是非を問うほど緊迫したレベルではもうないことから、通貨問題は事前に言われているほどの主要テーマにはならないかもしれません。

むしろ、今回のG7については、来月のイギリスの総選挙や米国の大統領選挙などを控え、金融市場に大きなストレスが掛った際のセイフティネットの発動プロセスを再確認することの方が重要な課題であるようにも思えます。

何か市場の底上げになるような、具体的な支援策を期待していると、また梯子を外されて痛い思いをしそうです。

寺本名保美

(2016.05.20)



鬼の居ぬ間に

先ほど近くの定食屋さんで、

「おい、こんなに円安になったのに、株マイナスってどういうことだよ!」
「いつもなら、200円ぐらい上がってただろう!」

思わず、アメリカの利上げは、株式市場にはマイナスですし、と、解説しようかと…

まぁ、確かにこ今日のような市場において、「機械的な」円売り株買いが入らなかったことには、良くも悪くも注目すべきなのかもしれません。

一方で、世論調査の結果が、たかだか数ポイント、EU残留が増えたというだけで、イギリスポンドは急騰しています。

短期スペキュレーションの対象が、当面は日本から英国へシフトしていそうです。

投機家が無視してくれている間に、投資家の信頼を取り戻す施策が打てればよいのですが。

寺本名保美

(2016.05.19)



オリンピックの制度疲労

オリンピックを巡り、世界各国で様々な問題が噴出しているのをみると、制度疲労が広がっているのを感じます。

よく言われているような、IOCの商業主義の問題や、プロアマの垣根の問題とかの以前の問題として、スポーツが科学になってしまったあたりから、オリンピックの制度疲労は始まっていたのかもしれません。

極端な話、コンマ2秒を計測できる計測器を持っていなければ、徒競走すらできません。

全ての競技者のフォームは、コンピューター解析をされ、戦術にはデジタルデータが不可欠です。

道具や競技ウェアの技術進歩は言うに及ばず、スポーツには莫大なおカネが掛かるようになりました。

こらからの世界。ドーピング検査項目に、全身MRIとか、エックス線透視とか、必要になる日も遠くはないのかもしれないとも思います。

スポーツの祭典の意義を考える前に、スポーツって何だっけ、と、考えなければいけない時期がきているのかもしれません。

寺本名保美

(2016.05.18)



精神安定剤

バフェット氏率いる、パークシャハサウェイが、Apple株式を大量保有したことが判明し、株式市場にはトランキライザー効果が働いています。

ここ数年の消費と設備投資のエンジンであったAppleの業績がiphone6以来伸び悩んでいたことが、米国のみならず、世界の製造業全体の先行きへの不安を増幅させていました。

バフェットさんが株を買ったからといって、iphoneの売上が増えるわけではありませんが、Apple依存度の高い企業にとっての先行きへの不安を払拭するには、一定の効果がありそうです。

Apple株に長期投資資金が入る時代。
大きな時代の変化の象徴のようにも思えます。

寺本名保美

(2016.05.17)



方向性の正しさと、水準感

このところの国内株式市場を眺めていると、指数の値動きは不安定ながらも、方向性としては安定してきたようにみえます。

投資家の物色が、金融緩和やマクロ政策、そしてそれらへの依存度の高い足下の業績ではなく、徐々に個別のイノベーションや将来性にシフトしてきているようにみえます。

大型株ではなく、小型株の株価が堅調なのは、こうしたことの一つの表れであるといえます。

問題は機関投資家の資金の受け皿としては、
対象となる企業規模が各々小さすぎるため、バリエーションに歯止めが掛からなくなってきていることでしょう。

周期的に訪れる小型株バブル。
すぐとは言いませんが、降り時も意識しながら、ついていく必要がありそうです。

寺本名保美

(2016.05.16)



シャープの未来

もしシャープが従来通りの家電完成品の会社として生きていくならば、アジア資本となることは当然の帰結かもしれません。

一方で、シャープが付加価値の高い素材や、ハイエンドに特化した完成品の会社を目指すなら、何時の日かのMBOに期待したいと思います。

シャープで起きている話は、自動車を含めた日本の製造業全てに当てはまる話です。

社会の成熟度が高く、且つ地理的な小国における製造業というものが、今後どうあるべきかのモデルケースとして、シャープの行く末は非常に大きな意味を持っています。

シャープのファンだから、というだけではなく、シャープの再生を心から期待しています。

寺本名保美

(2016.05.13)



伊勢志摩スルー

安倍首相が各国を歴訪してまで準備に余念がない伊勢志麿サミットではありますが、各国の注目は今月末を通り越して6月末のイギリス国民投票に移ってしまったようです。

万が一EU離脱という投票結果となったとしても、実際に離脱するには数年単位での準備が必要であるとされ、経済的な変化がすぐに起きるわけではありませんし、統一通貨に参加していない英国の離脱が、ギリシャやスペインなどの通貨同盟国の離脱に波及する、というのも乱暴な話ではあります。

されとて、金融市場に一時的なストレスが掛かることは間違いない中、6月の選挙が近づくに連れ、市場がリスク回避的になりやすいということは、念頭に置いた方がよさそうです。

G7での主要議題は、安倍首相の望む「3本の矢」ではなく、ブレグジットへの危機対応となってしまうかもしれません。

寺本名保美

(2016.05.12)



ヘッジファンドの将来

色々な意味で、ヘッジファンド業界が心配です。

投資家からの信頼が全般的に低下しているように思います。

パフォーマンスの低迷が一因ではあるのですが、信頼低下の原因はそれだけではないようにも見えます。

伝統的なヘッジファンドのように、顔の見える特的顧客の財産を守る、という意識が薄くなり、サラリーマン感覚のヘッジファンドが増えてきているのかもしれません。

また、金融行政や税法等の変化もヘッジファンドにとっては逆風になっています。

パフォーマンスの悪さが、単なる市場特性によるものだけではないことが、投資家心理の悪化に拍車を掛けます。

ここで一旦業界全体の規模を縮小するのも、業界全体が生き残るための前向きなステップになるのかもしれませんが。

寺本名保美

(2016.05.11)



けんか太郎が日本を救う?

麻生財務大臣の「為替介入」発言。

G7前に米国に喧嘩売っているみたいでもありますが、市場はそれなりに反応しています。

ロンドン市長選、フィリピンの大統領選、と意外な選挙結果が続きます。

この先にあるのが、英国の国民投票と、まさかのトランプ…

パナマ文書の公開も始まり、何処も彼処も場外乱闘気味。

世の中全体の「劇画化」が急激に進行し、高学歴で且つ節度や調整能力に長けた従来型の政治家では人心を御しきれなくなっているようにも見えます。

そういえば我が国の出版業界では、かつてない「田中角栄ブーム」が起きているとのこと。

角栄さんと比較するのも心もとないのですが、失言を恐れず海外首脳に啖呵を切る位の勢いが、これからの国のリーダーには必要になってくるのかもしれないと、ふっと思ったりしています。

寺本名保美

(2016.05.10)



久々の連休

連休中にしたこと。

避難用具一式をセットで買わずに自前で集める。

食品棚の奥の方にあった数~10年前の缶詰を食べられると見做して避難用具として認定する。

高圧洗浄機で壁の苔を強制排除する。

6年前に引っ越して以来、開けていなかった段ボールを開ける。

過去何十年間の引き出物等々を、姪っ子達に配る。

衣替えのついでに、着なくなったスーツを姪っ子に押し付ける。

筋肉は使った。多分痩せた。

本日、明らかに頭のリハビリが必要になったと自覚している。

以上

寺本名保美

(2016.05.09)



リストへの警戒

現象としては特に目新しい材料ではないという意見もあり、大きなスキャンダルは既に織り込み済みであるという見方もある中、パナマ文章の全件リストの公表が来週月曜日のイギリス時間の夜に行われます。

「このリストが世界をどう動かすのか?」などという公表側の煽りをまともに受けるつもりはないにしても、市場参加者として警戒せずにはいられないのも事実です。

米国でトランプ氏が予備選で実質的に勝利してしまったり、英国ではEU離脱の国民投票の前哨戦ともいえるロンドン市長選で労働党候補が優勢になっていたりと、政治の世界での「まさか」の火種が燻っています。

一方方向に流れやすい各国の国民感情が、このパナマ文章のリスト公開をきっかけに、どこかの「まさか」に点火するリスクを感じます。

所詮、材料は「まさか」です。
起きないことがメインシナリオです。
これ以上の火種が増えないことを祈ります。

寺本名保美

(2016.05.06)



堰を切った。

日銀のゼロ回答で「売られた」というよりも、日銀という堰が切れ、潜在的な売り手が濁流と化した、という感じでしょうか。

何故、誰が、それほどまでに、売りたかったのか。
何故、誰が、取分け日本株を、売りたかったのか。

何よりも、日本株のボラティリティが、また上がってしまっていることに、気が重くなります。

寺本名保美

(2016.05.02)


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